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Mybestpro Interview

感動を呼び、地域を盛り上げ、まちづくりに貢献する商空間・商環境をプロデュース

商空間・商環境をトータルデザインする店舗デザインのプロ

渡部芳久

渡部芳久 わたべよしひさ

#chapter1

店舗の企画・施工、看板など各種販促物を一貫して手掛けブランド力を発信

 自社のコンセプトに合わせて、内外装から販促物まで商環境をトータルにプロデュースしてほしい。そのような要望に応えるのが山形県酒田市の「ワタベ工芸」の代表・渡部芳久さんです。飲食店や物販店など店舗の企画・施工をはじめ、建物の正面や道路沿いに立てる看板やモニュメント、のぼり、のれんといった各種サイン、名刺やパネル、ポスターを製作まで手がけ、さらにノベルティグッズへの名入れやTシャツプリント、社用車のカーラッピングにも幅広く対応しています。

 多くの飲食店の店舗設計での経験を生かし、作業動線を重視した設備配置を行っています。ビジュアル面では、木材を取り入れてナチュラルに、アイアンを用いてスタイリッシュに。企業のシンボルカラーなども反映させながら、そのお客さまならではの世界観を表現しています」と渡部さん。店舗づくりからサイン制作まで一貫して担うことで、ブランドメッセージの統一が可能に。方向性のブレや齟齬が生じにくく、スムーズに工程を進められるのが同社の強みです。

 「お客さまの要望を実現するにあたって、自分の引き出しを増やす努力をしています。デザインにはトレンドがあり、材料によって耐久性も異なります。当方は、意匠性と機能性、保守性から総合的にご提案ができるよう、日々情報収集に力を注いでいます」

 渡部さんのもとでは、「酒田の職人が集い新たな価値を創造する」を信念に掲げ、「サカタツクリビト」というグループを結成しています。
 カフェのメニューボードなどを描くチョークアートのプロや、エイジングしたレンガや壁をモルタルで表現するプロ、造作家具製作のプロなど多様な職人と連携しています。

 また看板等の経年劣化による落下事故を防ぐため、アフターフォローを徹底し定期点検やメンテナンスにも力をいれています。

#chapter2

看板職人の父を見てものづくりに憧れ、設計の道へ。店舗づくりで地域に貢献

 同社は1964年に創業。渡部さんは、幼い頃から看板職人である父の姿を身近で見て育ち、自然とものづくりへの憧れを抱くようになります。高校卒業後は建築の専門学校へ進学し、その後は設計事務所に就職しますが、図面を引くだけでは物足りなさを感じ、「お店などをもっと包括的に演出したい」という思いが強くなっていったと言います。
 そうした思いから、渡部さんは東京の店舗設計会社へ転職。親会社が厨房設備を手がけていたこともあり、人が効率よく動ける動線設計のノウハウを習得します。また、テーマパークのアトラクション開発にも携わり、人を惹きつける仕掛けや演出の工夫なども学びました。そして28歳頃、地元・山形へと帰郷し、父のあとを継ぐことを決意します。

 当時を振り返り「酒田のまちが良くなることで、私たちも発展していける。自分にできることを通じて地域を盛り上げたい。そんな一念で家業に入りました」と話す渡部さん。地元への思いを胸に、建築士会やNPO法人の理事、商工会議所の議員としても積極的に活動し、地域イベントの主催など、ボランティアを通じて仲間をつくり、ネットワークを広げてきました。
 そんな渡部さんは「企画設計段階では楽しさと同時に生みの苦しみも多々ある」としながらも、ひときわ充実感を覚えるのが、夕暮れ時に完成した店舗に明かりを灯し、外から静かに眺めるその瞬間だと言います。

#chapter3

街並みに調和するデザインを追求し「やまがた景観コンテスト」で受賞経験も

 「まちづくりは人づくりです。地元のために何かできないかと考え、魅力あふれるまちになれば人が集い、活性化するでしょう」
 創意工夫を凝らして独創性を発揮しながらも、周囲になじみ美観を高めることに心を砕いてきた渡部さん。そうした姿勢が評価され、2022年に実施された「やまがた広告景観コンテスト」では、自社で手掛けた市の観光案内「酒田市まちなかサイン」が日本屋外広告業団体連合会会長賞を受賞。QRコードを活用し、情報提供を行う点に注目が集まりました。さらに翌2023年には、ブラウンとベージュを基調とした落ち着いた配色で、街並みに調和するフードセレクトショップが同賞に選ばれています。

 また近年では、オフィスや個人宅からのリフォーム依頼も舞い込むように。活動の幅を広げながらも「誰よりもいいものを作り、満足度を高めたい」と、渡部さんは変わらぬ情熱を注いでいます。
 「知識を蓄え、技術を磨き、お客さまの期待を超えるような物件を展開していきたいですね」と語る渡部さんは、丁寧なヒアリングで思い描くイメージを引き出し、顧客とビジョンを共有しながら外観や内装をプランニング。便利で居心地がよく、見た目の美しさも兼ね備えた空間づくりを目指し、感動を呼び起こすデザインに挑み続けています。

 「商空間・商環境を創造するプランナーとしてお客さまに寄り添い、理想を具現化するために伴走します。夢をかなえるお手伝いをいたしますので、ぜひご相談ください」

(取材年月:2025年3月)

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専門家プロフィール

渡部芳久

商空間・商環境をトータルデザインする店舗デザインのプロ

渡部芳久プロ

店舗デザイナー

株式会社ワタベ工芸

看板やサインの計画・製作から店舗設計や内装デザインまで一貫対応。厨房設計で培った経験と人脈を生かし、流行や素材の耐久性にも配慮した提案をしながらも定期点検やメンテナンスで安全管理にも万全を期しています

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