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自宅兼ショールームを構え、ぬくもりと癒やしを届ける薪ストーブライフを提案

顧客に合った薪ストーブライフを提案し、長く寄り添うプロ

松島紀夫

松島紀夫 まつしまのりお
松島紀夫 まつしまのりお

#chapter1

国内外の製品を扱い、薪ストーブの設置、煙突取り付けからアフターフォローまで一貫

 「ぱちぱちと燃える薪(まき)が空間をやさしく暖め、ゆらゆらと形を変える炎が安らぎをもたらし、心豊かなライフスタイルをお届けしたいですね」

 そう話すのは富山市の「カローレストーブ」の代表・松島紀夫さん。薪ストーブの設置、煙突取り付けからアフターフォローまで一貫して手掛けています。

 「当方は薪ストーブのある暮らしを体感してもらうため、自宅兼ショールームを構えています。事前予約で見学を承っているので、ぜひお越しください」

 メンテナンス性やデザイン性に優れた国内外の製品を取り扱う松島さん。施工にあたっては、煙突掃除がしやすいように煙突の取り付け方をプランニングします。

 最近はSNSを見た人からの問い合わせも増え「他店さんで薪ストーブを設置したのですが、煙突掃除と薪ストーブのメンテナンスをお願いできますか?」「煙のことで近所からクレームがあった」といった声が寄せられることもあります。

 「薪を詰め込みすぎると酸素が不足して不完全燃焼が起き、煙や臭いが出てしまいます。また煙突掃除をせずに使い続けるとススがたまって排気が悪くなり、室内に煙が逆流したり、燃焼効率が落ちたり、最悪の場合煙突火災を起こすので注意が必要です」

 薪ストーブは上手に使えば20年、30年はもちますが、誤った使い方をすると不具合や近所トラブルにつながるおそれも。業者を選ぶ時は、アフターフォローを重視してほしいと呼び掛けます。

 「維持管理が大変そうと思うかもしれませんが、薪ストーブには手間暇を上回る魅力があります。薪さえ安く手に入れば、他の暖房器具よりコストは下がります。わが家では冬の暖房は薪ストーブだけで、光熱費は1万円台なんですよ」

#chapter2

食材を煮炊きし、電気を使わず災害時にも利用できるのが薪ストーブ

 松島さんが生まれたのは、富山県の山間部にある旧山田村。栗を栽培していた生家では、不要な枝木や栗のイガを燃やし、薪で風呂を沸かし、年末にはかまどでもち米を炊いて餅つきをするなど、火をおこすことが日常の中に根付いていました。

 「十数年前に自宅を新築した際、薪ストーブを設置したんです。自分で作った薪で初めて暖を取った時に子どもの頃の記憶がよみがえり、火とともにある暮らしを提案したいと思いました」

 丸太を割り、木をくべる生活の営みを伝えたいと14年間続けた建設の仕事を辞め、他店で2年間の修業を重ねて2022年に独立。社名の「カローレ」は、イタリア語でぬくもりを意味します。

 「当初は売り上げが伸びずに苦労しましたが、日本暖炉ストーブ協会に所属し、認定技術者の資格を取得し知識や技術を磨いています。今ではたくさんのお客さまに恵まれ、愛好家の裾野が少しずつ広がっています」

 松島さんは、「癒やしをくれる暖房機があるんですね」「こんなに体が温まるんですね」という顧客からの声が何よりもうれしいと目を細めます。

 「薪ストーブは遠赤外線効果で体を芯から温め、食材の煮炊きや洗濯物を乾かすのにも重宝します。さらには電気を使わないので災害にも強い。暖房機能を超えて、暮らしに寄り添う存在です」

 息子たちも幼い頃から火に親しみ、薪ストーブの扱いを自然と身につけています。火のリスクもきちんと理解し、便利な現代の生活では体験できない多くの学びを得ていると松島さんは感じています。

#chapter3

持続可能な取り組みとして「どんぐりから薪を作るプロジェクト」も発足

 松島さんは薪ストーブを基点とした持続可能なサイクルづくりにも注力。取り組みの一つに「どんぐりから薪を作るプロジェクト」があります。

 「田舎から都市部へ人が流れ、管理されなくなった山が荒れ地になりつつあります。大きく育ち年老いた木を伐採して若い木が育つよう整備しないと、年老いた山ばかりになってしまいます。森林の手入れも兼ね、どんぐりから育てた木を薪にして家を暖めたいと考えています」

 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにするカーボンニュートラルは特別な話ではなく、日常でも実践できるという松島さんの思いに共感した顧客も活動に参加。他にも、使われていない畑を耕してジャガイモやサツマイモを育て、冬には薪ストーブで焼き芋を作り自然の恵みを堪能する企画も進行中だとか。

 「導入時には間違った使い方をしないよう、薪の作り方や火入れの仕方をレクチャーし、初めての冬を越えた折はご自宅に訪問し、煙突掃除とともに疑問点などにお答えしています。末永くお客さまのストーブライフをサポートしていきたいですね」

 自宅前の中古物件を取得し、新たなショールーム作りもスタート。子どもたちに手伝ってもらいながら、時間のある時に少しずつ進めています。

 「薪ストーブのある暮らしは最高だと思っています。でもお客さまには無理をせず、楽しんでほしいと願っています。何かと忙しい平日はエアコンも併用しながら、時間の取れる休日に炎のゆらぎに癒やされる。今の時代はそんな付き合い方がベストかなと考えています」

(取材年月:2025年6月)

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松島紀夫

顧客に合った薪ストーブライフを提案し、長く寄り添うプロ

松島紀夫プロ

住宅設備の施工管理

株式会社カローレストーブ

幼い頃から火が生活の中にあり、薪ストーブのある暮らしを自ら実践する薪ストーブのプロ。ユーザーの目線に立ちながら不安や悩みに寄り添い、設置から長期的なサポートまで一貫した対応が可能。

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