IT導入を一気通貫で請け負うコンサルタント兼エンジニア小山望海

IT導入を一気通貫で請け負うコンサルタント兼エンジニア

小山望海

プロジェクトを社内で完結できるのが強み。いつも同じ顔ぶれで顧客の相談に乗り、成功を見届ける

　IT活用に向けたコンサルティングや、システム・アプリ開発を手掛ける「GOWS（ゴウズ）」代表の小山望海さん。顧客が抱える課題の理解から、解決のためのゴール設定、プロダクトの構築、導入後の運用までをワンストップで対応しています。

　「一般的に分析・設計・構築・保守が別々の会社に分かれるケースが多く、複数社が参画すれば『コストがかかる』『目的の共有が難しくなる』『経営や実務とITが分断される』といった問題も生じやすくなります。当社では、メンバー全員がコンサルタント兼エンジニアであり、開発から運用支援まで同じ顔ぶれで関わることができるため、相談しやすいという声をいただいています。柔軟に対応でき、費用を抑えやすいのも利点のひとつです」

　メンバーはすべて小山さんの元同僚で、新卒の頃から「知識も技術も身に付け、企業の看板に頼らず活躍できる人材になろう」と切磋琢磨してきた間柄。個々の優れた能力はもちろん互いに気心の知れた仲であり、助け合いながら各プロジェクトに臨めるのも「GOWS」らしさだと続けます。

　「人の手や計算に頼ることでミスや手間が生じている業務を、業種問わずサポートしています。たとえばEC事業を始めた小売店では、実店舗と連携した統合的な在庫管理システムを導入して黒字化に貢献しました。また、飲食店では、インターネット上の口コミを自動で収集・分析するツールを開発。想定よりも子連れの利用客が多いと分かり、メニューの見直しや駐車場の拡張につながりました」

AIは不可能を可能にする、と大学院でも研究に没頭。IT大手で経験を積みオールラウンダーとして独立

　さいたま市出身の小山さんは、AI（人工知能）や機械学習を学ぶため北海道大学に進学。大学院では画像認識をテーマに研究を行いました。

　「主に、積雪を検知する融雪装置の省エネ化を目指しました。従来は水分センサーが降水・降雪を検知すると運転を始める仕組みでしたが、融雪後も運転が続いたり、春先の雨にも反応してしまったりと、無駄な電力消費が課題になっていました。そこで積雪時の画像をAIに学習させ、リアルタイム画像を通じて制御する手法に取り組みました。AIは、たとえば高度な医療技術が求められる分野でも活用が進んでおり、これまで難しかったことへの新たな選択肢をもたらしてくれる点に魅力を感じています」

　大学院卒業後は都内の大手ITコンサルファームに入社し、コンサルタント兼エンジニアとして活躍。法改正を迎えた金融機関のシステム再構築や、他社が手を引いたプロジェクトの立て直しなどに携わりました。

　「現在の仲間に出会い、多くの刺激を受けて独立を意識するようになりました。また、所属していた会社にも起業を後押しする風土があり、フリーランスとしての活動を経て2024年4月に『GOWS』を設立しました。個人事業主でも十分に生計を立てられましたが『お客さまの支援にとどまらず、自分たちでもサービスを開発して普及させるには信用を高める必要がある』と法人化を決めました」

　こうして誕生したのが映画やドラマの英会話を日本語と英語の字幕で学べる「Duosub（デュオサブ）」と、位置情報を利用してレストラン検索に便利な「dinder（ディンダー）」の2つのアプリです。

補助金の紹介や申請手続きの支援も可能。目標は「ITは難しくて高額」という先入観を変えること

　小山さんにとって仕事の醍醐味は、ITの導入効果が数字や目に見える形で表れた時。業務をシステム化したことで「従業員の残業が減り、表情が明るくなった」「赤字部門が黒字化した」といった顧客の声を聞くと、さらに意欲が湧くと話します。

　「数々の事例を見てきたので『この工程はシステム化せずに省略できるのでは』『各種申請の承認フローはもっとコンパクトにできるはず』といった、ITとは異なる視点から提案することもあります。開発にあたっては、補助金や助成金の活用を案内することもでき、申請手続きの支援も行っています。お支払いの形態も請け負いや顧問契約、成果報酬制など柔軟に対応しており、土日や夜間対応も可能です」

　今後の目標は、「ITは難しくて高額」という先入観を取り除くこと。アナログ作業に追われて人手不足に直面しながらも、「知識がないから使いこなせない」「自社には不向きだろう」と感じている人に、耳を傾けてもらうのが第一歩だと話します。

　「ITは、社会の課題を解決し、暮らしを少しずつ良くしていく力を持っていると思います。その一環として、都内の小学6年生を前に、私たちの仕事について講演したこともあります。時代を担う子どもたちの未来を切り開く一助になれたらうれしいですね」

（取材年月：2025年7月）

IT導入の上流工程から保守まで担当。アナログ業務の悩みも運用開始の喜びも分かち合える存在

プロジェクトを社内で完結できるのが強み。いつも同じ顔ぶれで顧客の相談に乗り、成功を見届ける

AIは不可能を可能にする、と大学院でも研究に没頭。IT大手で経験を積みオールラウンダーとして独立

補助金の紹介や申請手続きの支援も可能。目標は「ITは難しくて高額」という先入観を変えること

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