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建設業のM&Aを専門に、企業をより良い未来につなぐ

建設業特化M&Aアドバイザー

朝野一博

朝野一博 あさのかずひろ
朝野一博 あさのかずひろ

#chapter1

29種の業種の特性や、特有の会計法などを熟知し、精度の高いマッチングを導く

 「日本のインフラを支える建設業は、なくてはならない産業の一つです。少子高齢化による人手不足や後継者不足など、さまざまな課題がある中、M&Aを解決策として、持続可能な業界を目指します」と話すのは、「シードアドバイザリー」取締役の朝野一博さん。建設業に特化したM&A仲介およびファイナンシャルアドバイザリーを提供しています。

 同社のバックボーンは建設業のコンサルティング会社で、業界400社以上のコンサル実績に加え、全国約9000社の広範なネットワークも有します。
 「一口に建設業といっても、川上から川下まで29の業種があるため、特性を理解していないとミスマッチが起こりやすいもの。私どもは、それぞれの実情を熟知した上で、双方にとって魅力的な相手先とのマッチングを提案。また、業界特有の会計処理や財務にも精通しており、スムーズに進められます」

 「M&Aは課題解決の手段」と強調する朝野さん。買い手と売り手、双方の現状把握と課題抽出のコンサルティングに重点を置きます。
 「買い手企業には、財務状況はもちろん、経営者の人柄や将来目指す姿などをお聞きします。一方、売り手企業では、M&Aを希望する背景や経営課題、社風などを把握。お互いに不足しているところを補えるのかを探ります」

 企業再生を目的とした再生型M&Aにも取り組み、赤字債務超過のケースでも実績があります。
 「企業が倒産して、建築途中のプロジェクトが凍結されると、その先にいる施主さんが困難な状況に陥る可能性があります。そのような被害を防ぐためにも、安全性の高い企業を増やしていきたいですね」

#chapter2

買収額の最大化を目指して企業価値を高める「MSV」サービスも

 「どのM&A案件にもストーリーがあります。途中で気が変わるなど、想定外の事態が起こり、苦労しなかった案件はありません。さまざまな山を乗り越え、ようやく成立したときに双方が笑顔になる瞬間が快感で、やめられないですね」と朝野さん。引き継ぐ先もないが、従業員や取引先のことを考えて廃業もできないとの相談では、「M&Aで従業員の雇用とこれまでの取り引きが継続でき、肩の荷が下りた」と喜ばれたなど、心に残る数々のエピソードがあるそうです。

 また、数年以内に事業譲渡を検討している企業には、企業価値を高める「MSV(マキシマイジング ストック バリュー)」サービスを推奨しています。
 「すぐに売却を進めるのではなく、より高値での譲渡を目指して、企業価値を高める策を打ちます。売り上げや利益だけでなく、公共工事の入札実績や、協力会社のネットワークといった無形資産も評価に盛り込めるよう情報を整理します」

 あわせて、M&Aの買収監査でチェックされる税務・財務・労務・法務・営業部門の100以上の監査項目に対応します。基本合意がまとまった後に、不十分な項目があれば買収額に影響を及ぼすため、事前に対処しておくことで、引き継ぎしやすい企業体制を導きます。
 「未回収の売り上げがある、残業の未払いがある、など思わぬ問題点が見つかることはよくあります。M&Aに向けて仕組みを整える中で、社内に気付きが生まれ、結果的に社内の第三者へ引き継げたケースもあります」

朝野一博 あさのかずひろ

#chapter3

建設業への愛着を原点に、M&Aを活用して事業の存続につなげたい

 北海道で生まれ育った朝野さんは、実家が営む建設業で現場経験を積み、約5年家業を支えました。
 「取引先の夜逃げや工事代の未払いによって、負債を抱えることに。お金に苦しんだ経験から、経営の知識をつけて企業を支援する仕事がしたいと、東京に出ました」

 自ら経営コンサルティング業を立ち上げたものの、資金繰りに行き詰まり、解散することに。その後、派遣の仕事で日々をしのぎ、ホームレス生活を送った時期もあったとか。
 「人生を見つめ直し、未経験だった会社勤めをしようと、運送会社の法人営業に就き、入社2年でエリア責任者を務めました。もともと関心があった財務を学びたいと思い、保険会社に転職し、法人財務や相続、事業承継の相談に対応しました」

 経験を生かして、建設業向けのコンサルティング会社「シードコンサルティング」の立ち上げに関わった朝野さん。2023年に、M&A事業に特化して分社した「シードアドバイザリー」の取締役に就任しました。
 「子どもの頃から建築が好きで、常に身近にあった建設業は、私の原点です。建設業をより良い業界にしたいという熱意をもって、力を尽くします」

 高齢化が進む建設業の経営者には、こうアドバイスを送ります。
 「時間があればあるほど、事業を続けられる選択肢は増えます。経営権を後継者に譲っても、ご自身の手腕を発揮する場や、老後資金は確保できます。これまで築いてきた、かけがえのない事業を存続させる手段を早めに考えましょう」

(取材年月:2024年6月)

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朝野一博

建設業特化M&Aアドバイザー

朝野一博プロ

M&Aアドバイザー

株式会社シードアドバイザリー

建設業を専門に、M&A仲介をサポート。業界400社以上のコンサル実績と約9000社のネットワークを生かし、精度の高いマッチングを導きます。将来のM&Aを見据えて株式価値を高める「MSV」サービスを提供

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