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関わるすべての人が納得できる道筋を示し、丸く収まる相続・生前対策をサポート

少子高齢化時代の相続手続きや生前対策を支える専門家

山田愼一

山田愼一 やまだしんいち

#chapter1

遺産分割や相続放棄など多様な課題に向き合い、50代や60代からの問い合わせが増加

 東京、大阪、名古屋をはじめ全国で個人や企業の法的手続きをサポートしている「グリーン司法書士法人」の代表・山田愼一さん。グループ内外の弁護士や税理士と協力することで、多様な依頼にワンストップで対応。円満でスムーズな解決を目指しています。

 「東京事務所では相続分野の相談が多く、関連するご用命は各拠点を合わせて年間3000件を超えます。『残された土地や財産をどう分ければいいのか』『親の借金を肩代わりしない方法とは』『遺産や相続人の範囲を調べてほしい』など内容もさまざまです。遺産分割や相続放棄の手続き、預貯金や株式などの解約払い戻し、財産・戸籍調査、不動産の名義を変更する相続登記などをお手伝いします」

 中でも増えているのは50代や60代を迎えた“子ども世代”からの相談。年老いてゆく親を見て「現実を知っておきたい」と連絡を受けると言います。

 「私も同世代なので気持ちはよく分かります。また、認知症が進んで意思疎通が難しくなったり、贈与などの手続き半ばで別れの時が訪れたりした親子を何組も目にしてきました。親御さんの意思を尊重するためにも、思い立った時に遺言書の作成や財産の管理・運用を行う家族信託などの生前対策を始めてほしいです」

 契約は二の次で、まずは現状を理解する機会を提供しようと初回相談を無料で実施。制限時間も設けず、夜間や土日、オンラインにも応じています。

 「必要であれば家族の話し合いに同席します。あるいはイラスト入りの分かりやすい資料を用意するので、親子水入らずで相続の“初めの一歩”を踏み出すのも良いですね」

#chapter2

質素ながらも愛情に包まれた幼少期を糧に、困っている人の力になるべく司法書士に

 物心ついた頃から経営者を目指し、20代になるとアルバイトを掛け持ちして開業資金を貯めていた山田さん。背景には幼少期の苦労があったと振り返ります。

 「父が失業して借金を抱え、質素な生活を送る中で『お金持ちになりたい。それなら社長になろう』と考えるようになりました。学費を理由に進学を断念したこともありましたが、逆境に負けず夢をかなえられたのは貧しいながらも愛情たっぷりに育ててくれた両親のおかげです」

 現職を志したのは、ふと手にした本に「司法書士試験の合格率は2.8%」と書かれていたのがきっかけ。参入障壁が高い分、自らが役に立てる機会が多いと判断したこと、父の借金問題も法律の知識があればと悔やまれたことが後押しとなり、資格を取得。大手法人に就職して実務経験を重ね、2007年に大阪で独立します。

 「私一人でスタートしましたが、おかげさまで現在はグループ総勢で約250人の組織になりました。数々の課題と向き合い、解決に向けて誠実に取り組んでくれる従業員には感謝しています。拡大路線にあるとはいえ、今も一人一人と話すことを大切にしています」

 札幌・福岡に加え、仙台や広島への展開も視野に入れるなど、グループ全体で全国展開を加速中。税理士法人のグループインにより、外部との連携体制からグループ内で完結する一体的な税務サポート体制へと進化し、支援力をさらに強化しています。
 「困っている方を前に『その悩みは司法書士には解決できません』と断りたくないのです。地方を離れて東京圏で暮らす方も、相続時には故郷での手続きが必要です。現地でフットワーク軽く動くためにも全国展開を進めています」

#chapter3

双方の子どものため再婚家庭も事前に準備を。身寄りが無い高齢者も身元保証などで支援

 案件を通じて各家庭の事情に寄り添ってきた山田さん。再婚などにより別の家庭に子どもがいる人にも生前対策を勧めます。

 「顔を合わさないまま時間が流れ、子どもらが互いの存在を知らされていない可能性もあります。相続発生時に突然肉親の死を告げられる上、見知らぬ兄弟と財産分配について協議することになります。中には『父に見放された』との認識で生きてきた方もいるでしょう。わが子への思いをしたためた遺言があればショックが和らぎ、救われることもあるので、ぜひ元気なうちにご準備いただければと思います」

 こうしたケースでは、司法書士から先方に書類を送ると必要以上に警戒心を抱かせ、弁護士も巻き込んで大ごとになる場合もあるとか。まずは当事者から心のこもったメッセージを送るよう、手紙の書き方もアドバイスしています。

 「私どもは、相続に関わる全ての方に納得できる答えを見つけてもらうことを意識しています。初めは疑心暗鬼だった方が、最後には『丸く収まって本当に良かった』と涙を流されることもあり、こちらも胸が熱くなります」

 少子高齢化の今「配偶者も子どももいない」「家族はいるものの関係が希薄で頼れない」というお年寄りも。山田さんのもとでは身寄りがない人のために、介護施設に入所する際の身元保証や財産管理も引き受けています。

 「先々の不安を解消し、心穏やかに過ごしていただくことが願いです。早い段階から計画的に人生のエンディングに備えましょう」

(取材年月:2025年5月)

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山田愼一

少子高齢化時代の相続手続きや生前対策を支える専門家

山田愼一プロ

司法書士

グリーン司法書士法人

大阪や名古屋にも展開し、税理士や弁護士との連携で多様な相続相談にワンストップ対応。夜間や土日にも連絡でき、初回カウンセリングは無料。依頼者本位にして当事者全員の幸せを考慮し理想的な結果を追求します。

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