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アニメやゲームのキャラクターなどIP(知的財産)を活用し、若者や外国人に響く事業展開を応援

キャラクターなどを使ったIP(知的財産)ビジネスの専門家

大原泰三

大原泰三 おおはらたいぞう

#chapter1

映像やグッズ制作を手掛け、秋葉原の自社カフェでコラボイベントも開催

 アニメやゲームのキャラクターなどIP(知的財産)を活用し、映像やグッズ制作、イベント開発などを手掛ける「フロンティアワン」の代表・大原泰三さん。秋葉原では、ホットスフレケーキとハンモックの座席が人気の「Cafe ASAN(カフェアサン)」も経営し、IPとのコラボレートメニューや作家のサイン会を通じて話題を集められるのが強みです。

 「テレビでも取り上げられる評判の店で、毎月のように新しいIPとコラボしています。限定ノベルティを配布したり、キャラクターのデザイナーに会えたりするのでファンにはたまりませんよね。企画をクライアントと共に考え、若者を中心とした新規顧客の開拓などに役立ててもらうのが私の仕事です」

 長年にわたりアニメ制作のプロデューサーを務めていた大原さん。「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(東宝・東映・カラー配給)ではエンドクレジットに名前が載り、テレビ番組の「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(伏見つかさ原作)などは企画から携わりました。

 豊富なアイデアや多様なネットワークを生かし、既存コンテンツとタイアップして新商品の発表会を開くほか、オリジナルのキャラクターを生み出しYouTube用動画やグッズを作って販売することも可能です。

 「クリエイティブワークの枠を超えようと始めたのがIPビジネスです。日本のIPは世界中で注目されているので、カフェでのPRのみならずインバウンドや海外進出も視野に入れた事業として成長が期待できます。コンテンツで“楽しむ”から“楽しませる”を目指す方は、ぜひご一緒しましょう」

#chapter2

コミケから広がり、キャラクターに命を吹き込む制作現場を通じて起業へ

 大原さんは専門学校卒業後、故郷の福岡県を離れて都内のアニメ制作会社に就職。クリエイターの共同作業によってキャラクターに命が吹き込まれる瞬間に魅了され、業界を志しました。

 「20年以上も前からコミケ(コミックマーケット:同人誌即売会)に参加するなど、物心ついた頃には作品の世界観やストーリーを考えていました。活動を通じて大手出版社からアニメやコミックの仕事を任されるようになり、数々の才能が力を合わせて完成に向かうプロセスにいつも感動させられていました。創作の場をマネジメントできるのは喜びであり、天職ですね」

 後に「幻想水滸伝」「クイズマジックアカデミー」(コナミ発売)といったゲーム映像も作るようになり、十分に現場経験を積んだと判断し、書店や図書館事業で知られる大手企業に転職。テレビ局との調整や認識共有を中心に業務を担い、戦略や視聴率も踏まえて制作現場に指示を出す立場になります。

 制作チームの編成、人材育成、資金調達などプロジェクトを成功させるために培った知見を形にすべく2016年に独立。「フロンティアワン」を立ち上げました。

 「アニメやゲーム以外に、アバターを使って配信するVTuber(バーチャルYouTuber)と作家、秋葉原で活動する男性アイドルグループ『REAL AKIBA BOYZ(リアルアキバボーイズ)』との連携を果たすなど、多方面から相乗効果を狙うのが私の信条です。今もライフワークとしてコミケに出展し、カルチャーの動向をつかんでいます」

#chapter3

VTuberなど集客力を備えたキャラクターを地域活性化や飲食の販促に活用

 大原さんは、数多くの有名VTuberが在籍する「ホロライブプロダクション」ともコラボレーション。所属タレントの一人、“宝鐘(ほうしょう)マリン”のミュージックビデオを制作したところ400万回以上も再生され、認知度が高まりクライアントに深く感謝されたと言います。

 「会社や私の名前も一気に広がり、問い合わせの電話やメールがしばらく絶えませんでした。キャラクターの集客力は大きく、ありがたいことに各地の町おこしプロジェクトへの協力要請も増えています。いずれは私の出身地・福岡にも事務所や店舗を構えて、コラボイベントを開くなど地域活性化につなげたいものです」

 新分野の最前線、新天地といった意味を持つ社名の「フロンティアワン」には、「地方での展開も大切にしたい」との思いを込めている大原さん。自らが関わる飲食業界を盛り上げることも視野に、個人経営の店や中小のチェーン事業者にIPを使った販売促進のノウハウを提供することも検討。コロナ禍以降、厳しい状況が続く業界に新風を吹き込みたいと意欲を見せます。

 「コロナに関連して、間接的に政府の依頼を受け数万個のマスクやマウスシールドを納品したこともあります。グッズの製造を請け負うなど、何事にも柔軟に対応できる体制が整っているので引き合いがあったのだと思います。困っているお客さまの力になれた時の達成感は格別で、今後も幅広いジャンルでニーズに応えられるよう、業容を拡充させていくつもりです」

(取材年月:2024年10月)

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専門家プロフィール

大原泰三

キャラクターなどを使ったIP(知的財産)ビジネスの専門家

大原泰三プロ

企画プロデューサー

株式会社フロンティアワン

ゲームやアニメのキャラクターを用い、顧客の要望に応じてタイアップ映像の制作やグッズ製造などのビジネスを展開。経営する東京・秋葉原の飲食店でもコラボレートイベントを開き、若者や外国人への訴求を支援する。

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