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企画・デザインから展示会プロジェクトを一貫してサポートし、成果につなげる

目標から逆算した戦略で展示会の成功を導く専門家

萩原貴

萩原貴 はぎわらたかし
萩原貴 はぎわらたかし

#chapter1

年間1000件の案件に従事。実践的なノウハウで訴求力を備えたブースを設計

 「ブランドイメージや、アピールしたい内容などに合わせてプロモーションをお手伝いします」と話すのは、BtoB(企業間取引)展示会ブースを専門に手掛ける「クレイン」代表の萩原貴さん。2013年の創業以来、目標達成にこだわり、実践で培ったノウハウを糧に顧客満足度を追求してきました。

 「当社の強みは、工事申請、搬入日の調整といった事務から、企画、施工、運営、撤去まで一気通貫でプロジェクトをお任せいただける点です。入り口から出口まで手厚くフォローできるので、出展が初めての企業さまや、異動により担当者が不在となってお困りの後任者さまはお声がけください」

 年間1000件近い案件に携わり、大企業から中小企業まで幅広くサポート。訴求力を備えたデザインで、リピート率90%超という高い信頼を獲得しています。

 ブースづくりでは限られたスペースを存分に生かすため、視覚的なインパクトと機能性を両立させた設計力が求められます。大型モニターを用いて没入感を高めたり、最低限の装飾でリアルな商品陳列を主役にした実店舗型にしたり、回遊性のある動線でコンテンツをストーリー展開したり、訪れた人が製品やサービス、ビジネスのコンセプトを体感し、興味関心を引き出す顧客体験を創出してきました。

 「大切なのは『伝えたいことを伝えられるブース』であること。例えば難解な企業名や商品名にはカタカナをふる、抽象的すぎるキャッチコピーには解説を入れるなど、些細なことですが視認性を高める工夫も欠かせません。企業の世界観を崩さず、分かりやすく表現するバランスを重視しています」

#chapter2

ミスマッチな場所への出展で失敗しないため、展示会選びからアドバイス

 大学卒業後、萩原さんはディスプレイの施工会社に入社。さまざまな案件で経験を積み、2011年に「アシストクリップ」を設立。展示会とフロア案内といった内装サインの施工に従事します。

 「出展における難関は、なんといってもスケジュールのタイトさ。まっさらな空間に1日足らずで大がかりなブースを完成させ、終了後は即撤去ということが多々あります。一般的な建築現場では『資材が足りない』などのトラブルは珍しくありませんが、工期が短い会場では命取りになります。先回りしてリスクをつぶす経験知と、臨機応変な対応力が求められる一発勝負。展示会ならでの難しさであり、面白さです」

 数々の現場を担当する中では、そもそもミスマッチなイベントを選んでいる企業が多いことを痛感。「手応えを得られない」といった悩みを解消するため、プロジェクトマネージャーとしてプランニングから寄り添い、クライアントの真の成功を支援するべく「クレイン」を立ち上げました。

 「失敗するお客さまの多くは、出展することが目的になっています。『有名だから』『来場者数が多いから』といった理由で選ぶと、ジャンルが的外れだったり、規模が大きすぎて埋もれてしまったりする場合があります。『どの展示会に出るべきか?』という0→1(ゼロイチ)からアドバイスさせていただきたいですね」

 萩原さんはヒアリングを通じて事業内容や商材への理解を深め、ターゲット層を把握。集客に向けたロードマップを描きます。

#chapter3

中小企業診断士の資格も有し、経営課題の解決にも踏み込んだ戦略を立案

 萩原さんが仕事をする上で意識しているのが、正直かつ多角的な視点でメリット・デメリットを伝えること。

 「コストを圧縮したい」といった要望には、安価な素材を案内するとともに、少し割高でも使い回せる素材で長期的なコスト削減を提案するなど、視座の高い意見もあわせて提示。時にはクライアントの選択にストップをかけることもあるそうです。

 「お客さまの業種や企業規模によっては、展示会より他のプロモーションに費用をねん出した方が良いケースもあります。出展費用は安いものではありませんから、後悔してほしくないのです」

 ここ数年の展示会業界は変化が激しく、特にコロナ禍以降はITの活用が顕著に。オンラインでの集客が定着し、出展前から勝負が始まっていると言います。

 「最近ではネット広告を出したり、LP(ランディングページ)を作って商談予約を受け付けたり、事前集客に力を入れる企業が増えました。今後はこうした動きがさらに加速するでしょう」

 より良い結果につなげるため、コンサルティング業にも力を発揮したいと語る萩原さん。中小企業診断士の資格も取得し、経営課題の解決にも踏み込んだ施策を目指します。

 「目標から逆算して計画を練ることが重要で、例えば新規顧客の獲得が目的ならノベルティでコミュニケーションの糸口をつかみ、商談が目的ならブース内に個室を設けます。お客さまが成果を出せるよう戦略の策定から伴走し、細部まで情熱を注いで完成度を高めたいと思います」

(取材年月:2025年3月)

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専門家プロフィール

萩原貴

目標から逆算した戦略で展示会の成功を導く専門家

萩原貴プロ

展示会ブースの企画・デザイン・施工

株式会社クレイン

BtoB展示会ブースの企画・戦略から施工まで一気通貫対応。現場経験を生かした実践的な提案力と、顧客ファーストな姿勢で成果を追求。近年はコンサルティングにも注力し、展示会選びのアドバイスから伴走する。

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