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3Dプリンターによるデジタルものづくりで、ビジネスに新たな価値を生む

3Dプリンターの普及を推進するコンサルタント

山口修一

山口修一 やまぐちしゅういち
山口修一 やまぐちしゅういち

#chapter1

中小企業に向け、3Dプリンターの機種選びから定着までサポート

 3Dプリンターを活用したくても、「どの機種がいいのか分からない」「扱える人材がいない」などと困っていませんか。その名も「3Dプリンター総研」の代表取締役の山口修一さんは、コンサルタントとして、3Dプリンターの導入から定着まで、人材育成を含めたサポートを提供しています。

 「世界のものづくりの現場で、今や3Dプリンターはなくてはならないツールです。当方では、約20台を保有し、モデリングから造形、後処理まで実務を通して、数々の研究開発を支えてきました。加えて3Dプリンターの開発実績もあります。技術的な裏付けとあわせ、ビジネスでの成功と失敗、両方を経験しているため、事業にもたらす価値を見極めてアドバイスできます」と山口さん。

 3Dプリンターには、7つの造形方式があり、樹脂やセラミック、金属など扱える材料も異なります。山口さんは、すべての方式や工程への深い理解のもと、予算や目的に応じて適した機種を提案。導入後は、使いこなす中核となる人材を育て、付加価値の高いアウトプットを実現する仕組みづくりを行います。

 コンサルティングだけでなく、活用事例などを紹介するセミナーの実績も豊富です。
 「そもそも3Dプリンターでどんなものが作れるか知らなければ、アイデアは出てきません。例えば、製造現場での治工具の作製や、お菓子の型など、多様な活用事例を紹介できます。3Dプリンターのメリットは、アイデアを圧倒的なスピードで形にでき、失敗しても、低コストで手軽にやり直せる点です。まずはどんなことができるかを知ってほしいですね」

#chapter2

インクジェット技術の開発を経て、3Dプリンターの専門性を高め、教育にも注力

 大手プリンターメーカーに14年勤めた山口さんは、プリンターの心臓部であるインクジェットヘッドの開発を主導。世界で先駆けて、写真画質プリンターを世に送り、ヒットに導きました。社内ベンチャーを経て、インクジェット技術をさらに広めようと、独立してマイクロジェット社を設立。著書「インクジェット時代がきた!液晶テレビも骨も作れる驚異の技術」(2012年、光文社新書)の出版が、転機になりました。
 「書籍の中でインクジェット技術を応用した3Dプリンターについても触れました。出版後すぐに、世界的なブームが起こり、私のもとにメディア出演や講演依頼が殺到したため、別で『3Dプリンター総研』を立ち上げ、知識を深めました」

 普及を目指し、これまで100を超える講演会で登壇し、報道番組の監修や、大学での講義など幅広く活動しています。裾野を広げるため、小学生からシニアまで個人向けの教育にも力を入れます。
 「特に若い世代に、自らのアイデアを最終的に具現化できる3Dプリンティングの魅力を伝え、デジタルものづくりに興味を持ってほしいとの思いで始めました。教える側の人材も少ないので、リタイヤ世代の方々にはいずれ指導役を担ってほしいですね」

 対面かオンラインの3Dプリンター教室は、入門編から実践編まで用意。長野県にあるグループ企業の教育施設で開催実績があります。
 「小学生向けには3Dプリンターと同じ原理の3Dペンを使い、絵を描く感覚で立体物を作る半日教室を開催しました。子どもたちが教室終了後に『まだやりたい!』と目を輝かせていたのが印象的でした」

#chapter3

3Dプリンターの普及を進め、日本のものづくりの底上げに貢献

 山口さんは、これまで3Dプリンター先進国のドイツでの展示会で取材を行うなど、世界の先端技術を積極的に収集。専門技術書の監修や学会での講演、大手企業の事業戦略支援などにも携わっています。
 「日本は、技術の進歩や普及において、欧米と比べて5年から10年、後れを取っています。例えばアメリカでは、一般家庭にも3Dプリンターが身近にあり、アウトドア用品やインテリアなど、趣味でオリジナルグッズを作ることは珍しくありません。企業や個人に、もっと気軽に3Dプリンターに触れられる機会を提供することが、日本のものづくり全体の底上げにつながると期待しています」

 山口さんは、全国の自治体などが運営するものづくり拠点や起業家支援のためのコワーキングスペースなどに設置されている3Dプリンターにも目を向けます。
 「ブームに乗って導入したものの、指導できる人材がおらず、〝宝の持ち腐れ〟になっている施設は少なくありません。以前に、北海道のある自治体で、3Dプリンターの体験会を開催したことがあります。活用法を提案し、地域のデジタルものづくりを活性化させたいですね」

 「ビジネスの発展には、過去の成功体験にとらわれすぎず、新たな価値を見出して挑戦することが重要です。3Dプリンターは、まさにチャレンジを加速させるツール。初回相談(30分)は無料なので、まずはやってみたいことをお聞かせください」と山口さん。3Dプリンティングでビジネスの可能性を広げます。

(取材年月:2024年10月)

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山口修一

3Dプリンターの普及を推進するコンサルタント

山口修一プロ

3Dプリンターコンサルタント

株式会社3Dプリンター総研

世界の先端技術をはじめ3Dプリンターの豊富な知見と、活用現場での実務で培ったノウハウを発揮し、中小企業の導入・定着を支援。企業セミナーや個人向けの3Dプリンター教室など、普及活動に力を入れています。

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