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Mybestpro Interview

成熟社会の日本人の生き方に合った家具を、浜松から発信

“ほくほくほんわか”な無垢板オーダー家具のプロ

大石知広

フレンドハウス/創生商事株式会社 代表取締役 大石知広さん
フレンドハウス ショールーム

#chapter1

国内外の木材加工を熟知する元・商社マンが家具をプロデュース

 JR浜松駅からほど近い街中に2013年春オープンした家具のショールーム「フレンドハウス」。明るい店内には、素朴な天然木の風合いを活かしたテーブルやチェア、書棚といった様々な家具が展示されています。家具好きな方なら見覚えがある『バランスチェア』『シエスタ』といったノルウェー生まれのロングセラー商品を、東海エリアの旗艦店として扱っていて、老舗メーカーからも信頼厚い存在です。
 大石知広さんは同店のオーナーで、オープンする前年までの25年間、木工機械を扱う商社に勤務し、営業として国内外の木材加工業者と深く関わってきた経験をお持ちです。木材も機械も熟知しているうえ、各地の森林や自然環境、日本の林業にも精通する大石さんは、「仕事を通じて無垢の木の魅力に強く惹かれると共に、この素晴らしいエコマテリアルを一人でも多くの方に使っていただきたいという想いに駆られました」と振り返ります。
 それは単に木が好きという個人の趣向ではなく、四半世紀という長きにわたり木に携わってきた人としての使命を感じ、森林保全や林業再生に想いを巡らせる中で、「僕の立場でできることは国産材を使うビジネスを成立させることであり、それが林業再生と循環型社会への一番の貢献になると考えました」とおっしゃいます。
 そうして「木を使うことこそ保全。仕事を創り出し、発注することが振興」という大きなビジョンと信念のもと、大石さん自らがオーダー家具をプロデュースする事業がスタートしました。

#chapter2

設計・制作・販売にわたり、お客様の夢を実現

 素材、寸法、デザイン、その全てを思いのままにオーダーできる無垢板の家具。それを自社ブランドとして実現するため、まず大石さんが素材に採用したのは広葉樹でした。「樹種は、北海道大雪山系で採れたナラをはじめ、ウォールナット、ブラックチェリー、ハードメイプルがあります。木目が美しく表情豊かで、収縮が少ない広葉樹の長所を活かしたいと思いました」。
 寸法については、お客様の住まいや体型に合わせて5ミリ刻みで対応。またデザインについては、いたずらに価格に響かないようにパターンのバリエーションを豊富に備えることで、脚部分などはイージーオーダーが可能となっています。天板などは様々な形状に対応でき、加工技術は相当作り込んだものに応えられるとのこと。前職で培ってきた経験則とネットワークの中で、家具製作の工程は奈良県の木工業者にお願いすることにしたそうです。さらに、反りや割れを予防する反り止めをはじめ、乾燥や加工の工夫も充分に取り組まれています。
 「部材の調達からお客様にお届けするまでのサプライチェーンを丸ごとプロデュースすることで、素材も技術も高いクオリティを維持しながら手の届きやすい価格を実現することができました」と大石さん。つくり手とエンドユーザーを結びつける重要な役割を担っていることに喜びを感じている様子が伝わってきます。「世の中から期待される商品を創り、かつ利益を出して雇用も確保できるビジネスモデルを、ものづくりの聖地”浜松”から発信できたらと思います」と、熱い想いが言葉にあふれます。

フレンドハウス 壁面収納棚の制作例

#chapter3

毎日の生活と家具が調和する「美しい普通」をデザインする

 無垢板のオーダー家具の中でも同店らしさがにじみ出る一つに壁面収納があります。
 「例えば男性からは『隠れ家的な書斎を持ちたい』という声をよく聞きます。無垢の木質感が際立つ書棚に自慢のコレクションや蔵書が並ぶ様は、そこにある物の歴史も巻き込んで新たな時間が創られる…そんな男性のロマンを叶えて差し上げたいですし、また女性なら食器棚にこだわって、ダイニングの景色の一部としてしつらえるのも素敵です。よりパーソナルな部分に寄り添うことができる点で、独自の壁面収納をご提案できると思っています」。
 無垢材を活かすという意味では塗装にもこだわり、年月とともに味わいの増す草木オイル仕上げや、日常使いに適した耐水・耐熱に優れたセラウッド仕上げなど、好みに応じて選ぶことができます。
 手作業で一つひとつていねいに仕上げる製品には生気が宿り、作られた経緯や社会貢献への想い、背後にあるストーリーが雄弁に語りかけてくるようです。同社が考える「暮らしのデザイン」とは、毎日の生活と家具が調和する「美しい普通」。「日本人は日常の些細なモノやコトが一番美しいことを知っている民族です。その知恵をプロダクトデザインに反映すればいい。そう考えています」。
 大石さんは家具づくりに取り組むと同時に、木育(もくいく)の伝え手としても幅広く活動しています。「子どもをはじめとする全ての人が『木とふれあい、木に学び、木と生きる』ために、ジャンルや世代を超えてつながっていけたらと思います」と、優しい笑顔で語ってくださった大石さんでした。
(取材年月:2014年12月)

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大石知広

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