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中小企業の基幹業務を財務と連動させ、経営の意思決定を効率化

自社開発の業務システムで経営を支えるプロ

赤嶺裕三

赤嶺裕三 あかみねゆうぞう

#chapter1

企業にあわせた業務改善を実現する自社開発システム「結」シリーズを提供

 基幹システムの入れ替えでは、生産性向上のみならず、経営の視点も重要です。創業26年、那覇市に拠点を置く「KJS」は、中小企業に向け、自社開発の統合型経営支援システム「結」シリーズの販売・運用支援を行っています。

 結シリーズは、企業全体の情報を一元管理し、経営に生かす統合ERPの一種です。代表取締役の赤嶺裕三さんは、メリットを次のように説明します。
 「販売・購買・製造などの基幹業務を、リアルタイムで会計業務と連動。スマホで入力した領収書と通帳情報・クレジットカード情報を取り込むだけで、財務諸表が自動作成され、タイムリーに経営状況を把握できます」

 資金繰りは勘に頼り、決算は月に一度という経営者は少なくないでしょう。
 「導入により日次決算が自動化できるため、日々の損益を数字で把握でき、意思決定がスムーズに。黒字倒産などリスクにも早めに手を打てます」

 創業以来、製造業や流通業を中心に、約300社に導入されています。「一度使うと他製品は考えられないほど便利」と好評を得ています。
 「クラウド型パッケージシステムですが、自社開発のため、お客さまの業務にあわせてカスタマイズが安価で実現できます。独自システムにより同業他社との差別化が図れます」

 結シリーズは、「中小企業共通EDI」の認証製品で、EDI(Electronic Data Interchange)を通じて受注・請求業務のIT化が簡単・便利・低コストで実現できると認められています。スマホで受発注を完結できるモバイル版もあります。

#chapter2

経理代行サービスや、助成金・補助金の申請支援など、幅広くサポート

 導入後の運用サポートにも力を入れ、システムの操作説明だけでなく、業務改善の観点からもアドバイスします。
 「システムは、困りごとを解決するツールの一つなので、販売して終わりではありません。使ってこそ『ここはこうしたい』といった課題が見つかるので、現況を分析して改善を重ねます。さらに、業務の合理化で生まれた余裕をもとに、新たな事業に取り組むお手伝いができるとうれしいですね」

 2024年から、結シリーズをパッケージ化した「経理代行サービス」もスタート。勤怠管理、給与計算、電子帳簿の3つのシステムにより、経理部門の業務負担を軽減し、インボイス制度や電子帳簿保存法など、法改正にも対応します。
 「経費処理では、領収書をスマホで撮影すれば、自動的に仕訳が作成されます。ある事業者では、消費税の課税区分が煩雑で、誤りなどがあったところを、導入後は、正確に仕訳処理ができるようになり、煩わしい税区分のチェックが不要になったので、決算業務が楽になったと喜ばれています」

 また、助成金・補助金の申請支援でも実績があります。中でもIT導入補助金では累計50社以上をサポートし、高い採択率を誇っています。
 「結シリーズも、IT導入補助金の対象です。私自身、経営者として『もっと早く知っていれば』と悔しい思いをした経験があるので、活用できる制度があれば積極的にお伝えします。東京にある申請代行のパートナー事業者と連携し、補助金・助成金など幅広く取り扱っています」

#chapter3

ソフトウェア開発会社を経て、独自システムを軸に沖縄で26年の実績

 もともと、ソフトウェア会社で開発責任者として全国を飛び回っていた赤嶺さん。独自システムを考えたきっかけは、客先でのトラブル対応でした。
 「『数字が合わない』と呼ばれ、徹夜で原因究明にあたることが多々ありました。結果、入力や転記ミスによることが大半で、転記作業をする工程をなくせば解消できると思いました。『専門的な会計業務は、ITが立ち入れる領域ではない』という周囲の声もありましたが、ニーズを確信して、独立して開発することにしました」

 会計知識を独学で習得しながら約1年かけてシステムを構築し、1998年に沖縄で事業を立ち上げます。
 「当時は、西暦2000年の年号処理によるシステムの誤作動が懸念された〝2000年問題〟に伴う買い替え需要が高まり、全国に支店を出すまでに。創業当初から評価いただき、今なお継続されているお客さまもいます」

 システムの名称「結」には、沖縄の方言で〝助け合い〟を意味する「ゆいまーる」と、「結ぶ」「結果」の3つの意味が込められているそう。    
 「人と人の結びつきを大事に、経営で結果を出すという決意を表しています」

 今後は、業務改善にとどまらず、幅広く支援したいと意欲を語る赤嶺さん。
 「資金調達や営業など、さまざまな経験の引き出しを生かしてお役に立ちたいと思っています。目下、事業承継に悩む沖縄の小規模事業者と、起業したい若い世代をつなぐ仕組みを構想中です。がんばっている経営者を応援します」

(取材年月:2024年6月)

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赤嶺裕三

自社開発の業務システムで経営を支えるプロ

赤嶺裕三プロ

経営支援システムコンサルタント

株式会社KJS

中小企業に向け、自社開発ソフト「結シリーズ」の販売・運用サポートを行っています。日常業務と財務を連動させ、経営の意思決定を支えます。経理業務の負担を軽減する代行サービスや、補助金・助成金の申請支援も。

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