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長崎生まれの「つづみ団子」として全国展開し、日本文化の和菓子を世界に発信

和菓子×チャレンジ精神で地域おこしに取り組むプロ

大石将太

大石将太 おおいししょうた

#chapter1

みたらし団子や大福、おはぎなど、厳選素材で作り上げた多彩な和菓子を販売

 「一人でも多くのお客さまに『おいしい』と舌鼓を打ってもらいたいという思いから、『つづみ団子』という名前にしました」

 そう語るのは、「つづみ」の代表で和菓子ソムリエの大石将太さん。長崎県諫早市生まれの和菓子メーカー「つづみ団子」として、県内を中心に東京や埼玉、大阪、兵庫、福岡など全国で二十数店舗を展開しています。

 「当方では独自の技術で冷凍保存し、全国に配送できるようにしています。もちもち、ふわふわとした食感やとろけるような口当たり、焼き立ての香ばしい風味、濃厚な味わいなど、どこに行っても変わらないおいしさをご堪能いただけます」

 ショーケースには、みたらし団子やいちご大福、抹茶や紫芋の餡(あん)を包んだ大福、おはぎ、わらび餅、桜餅といった商品がずらり。いずれも、あずきやもち米、米粉など日本各地から仕入れた厳選素材を使用。上品な甘さで、素材の持ち味を引き出しているのが大きな強みだとか。

 「かつてクレープ屋を営んでいたこともあり、チョコレートや生クリームを用いた変わり種が多いのも特長の一つです。2018年4月に開業して以来、テレビやラジオ、新聞といったメディアにも取り上げていただきました」

 近年は訪日外国人が増加していることを受け、大石さんは繊細で彩り豊かな和菓子を通じて日本の魅力を発信していきたいと話します。

 「海外の方にも興味を持っていただき、ありがたいことにフランスでも出店を誘われました。おこがましいですが、世界に日本の文化を伝えるツールのような役目を果たせたらと思っています」

#chapter2

数多くの人に和菓子を届けるため、移動販売のほか各種施設や催事に出店

 「私は20歳で初めてビジネスを立ち上げました。居酒屋を開いたものの経営がうまくいかず廃業せざるを得なくなり、かなり悔しい思いをしたので必ず挽回したいと考えていました」

 店を畳んで大手食品メーカーに就職した大石さん。10年ほど勤めたのち脱サラし、再起を図ります。

 「軽自動車を改造してクレープの実演販売を始めました。来店が増えると一人で作りながら売ることには限界がありますから、製造工程を集約して店頭は販売に特化する現在につながる仕組みを構想しました」

 実は甘いものが苦手とのことで、クレープ屋を選んだのは「娘が好きだったから」とパパとしての顔をのぞかせます。

 「ちょうど乗っていない車もあったので半ば勢いもありました。クレープは子どもや若い世代に人気がありますが、和菓子は大人の方にもニーズがあり、お土産にも適しています。また季節ごとに商品を作りやすいので、ラインアップを広げました」

 地元長崎の逸品として「つづみ団子」を打ち出すべく、大石さんは販路開拓に奔走します。

 「人は珍しいものや新しいものには関心を持ちますし、観光でくると財布のひもも緩くなります。一度ご購入いただいたあと、リピーターをいかに増やすかが大変ですね。たくさんのお客さまに手に取ってもらうため、車による移動販売も取り入れました」

 各所に赴くとともに、駅や空港、スタジアム、ショッピングモール、手作りマーケットに物産展など各種施設や催事にも出店。自慢の味を届けています。

#chapter3

「長崎といえば団子」を目指し、イベント開催などを通じて地域を盛り上げたい

 「店舗数も増え、つづみ団子の知名度が上がっている実感はありますが、長崎はカステラのイメージが強いでしょう。『長崎といえば団子』と結びつくようにブランド力を高めていきたいですね」

 国産の素材を用い、手間ひまかけて仕上げるこだわりの和菓子で家族や友人らとくつろぎのひと時を過ごしてほしいと願う大石さん。「長崎の団子屋」になることを目指し、各方面に広くアピールするためイベント運営にも力を入れています。

 「夏休みに世界中から集めた昆虫展を開催したり、お店ではかき氷やひんやり冷たい抹茶あんの団子を出したり、皆さんに足を運んでもらえる工夫をしています」

 各種イベントや企画を手掛けるにあたり、地域を盛り上げたいという情熱も原動力になっていると言います。

 「夏祭りといった地元に根差した催しが、私の子どもの頃と比べて減っているのは寂しい限りです。家族で出掛ける場を復活させて、子どもたちに楽しみを提供してあげたいという気持ちはありますね」

 例えば行政が所有する公園など、眠っている地域の資源を活用して集客し、雇用などが生まれたときに初めて、地域の団子屋になれるのではないかと大石さんは考えています。

 「海外に向けて和菓子の文化を伝えることも含め、皆さんに喜んでもらえる商品や店づくりを通じて人を呼び込むなど、町のお役に立てる存在になることが目標です。お客さまに支えていただいて今がありますから、地域を活性化することで恩返しができればと思います」

(取材年月:2024年10月)

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専門家プロフィール

大石将太

和菓子×チャレンジ精神で地域おこしに取り組むプロ

大石将太プロ

和菓子職人

株式会社つづみ つづみ団子

日本全国の厳選素材を使用し丁寧に作り上げた和菓子を、独自の技術で瞬間冷凍。チョコレートや生クリームを使った大福など、変わり種も豊富。地域でイベントを開くなど、地域を盛り上げる活動もしている。

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