実践的指導で資格取得とキャリアを支援するプロ野田成紀

実践的指導で資格取得とキャリアを支援するプロ

野田成紀

マンツーマン×柔軟日程×問題演習。通いやすさと結果にこだわる

　長崎市岩屋町の住宅街にある「松山経理教室」は、簿記1級と行政書士の難関資格に挑む人を支える学び舎です。授業は1回90分、基本は対面でのマンツーマン指導。生徒の予定に合わせて時間や回数を柔軟に調整し、必要に応じてオンライン授業も取り入れています。初回は無料体験が可能で、入学金は不要。受講料は都度払いというシンプルな仕組みです。

　「資格の勉強は長期戦。無理なく続けられる環境が大切です」
そう語るのは代表の野田成紀さん。受講生の目的はさまざまです。資格取得を目指す学生や社会人はもちろん、経理の基礎を学びたい自営業者や、仕事に生かすために学び直す人もいます。野田さんはそれぞれの目的に合わせてカリキュラムを組み、理解のペースに応じて内容を調整します。
　「3級から2級へ進む方が多いですね。基礎をしっかり固めると、学ぶこと自体が楽しくなってくるんです。問題を解けた瞬間にパッと表情を明るくする。そんな『できた！』という喜びを重ねてもらえるよう、一人一人に寄り添った学習法を提案しています」

　「簿記はテキストを読んだだけでは身につきません」と野田さん。重視するのは、実践を通じた理解の定着です。授業では徹底して問題演習を行い、教材を厳選し、出題傾向を分析した上で学習計画を立て、時間を区切って解く練習を重ねる。そうして試験本番の感覚を体に染み込ませていきます。地道な反復が確かな成果を生み、これまでの多くの受講生が合格を手にしているといいます。

　「独学ではつまずいたけれど、ここで学び直して合格できた」。そんな声も多く寄せられ、学び直しや再挑戦の場としても存在感を高めている同教室。ブログやSNSでの情報発信に加え、受講生の紹介をきっかけに新たな生徒が訪れることも少なくありません。

独学合格の実体験から長崎で開業。理系出身講師が導く「学び方」

　野田さんは沖縄県出身。鹿児島大学で物理科学を学び、卒業後に入社した健康食品会社で九州を中心としたさまざまな支店に配属されました。しかし営業職として働くうちに、「自分の力で価値を生み出す仕事がしたい」という思いが芽生えます。そこから独学で簿記の資格取得に挑み始めました。

　簿記3級は企業経理の基礎を学ぶ入門編。2〜3か月の学習で合格できるといわれています。続く2級では原価計算を含む工業簿記が加わり、半年以上の学習を要する中級レベル。そして最難関の1級は、専門学校でも1年以上かけて学ぶほどの内容で、全国平均合格率はわずか10％前後とされています。
　「3級と2級は一発合格でしたが、1級は本当に苦戦しました」と野田さんは振り返ります。

　教材を厳選し、仕事を終えた夜や休日にコツコツと勉強を重ねる日々。模試では何度も挫折を味わいながらも、出題傾向を徹底的に分析して克服。ついに1級合格を果たしました。「教材を広げすぎず、出題範囲に集中する」という経験から導き出された学習哲学が、今の指導方針の根幹にあります。

　2011年、同じように資格に挑戦する人を支えたいと考え、「松山経理教室」を開業。以後、生徒に寄り添いながら学びの場を続けてきました。2022年には独学で行政書士試験にも合格。自身の経験に基づく現実的な助言が、多くの生徒にとって学習を続ける力になっています。

地域の学びを守り、資格取得の先にある「キャリア支援」を見据える

　全国的に見ても、簿記1級や行政書士の合格率はおよそ10～15％前後。行政書士試験研究センターが公表する「令和6年度行政書士試験／都道府県別試験結果一覧」では、長崎県の行政書士試験の合格率は9.39％とされています。県内でこうした資格を直接学べる教室は限られており、多くは通信講座などの情報が中心。地域で実際に指導を受けられる学びの場はまだ限られているのが現状です。

　「地方では、挑戦したくてもどこで学べばいいかわからないという人が少なくありません。だからこそ、無理なく続けられて、いつでも相談できる場を守りたいと思っています」

　10年以上教室を続ける中で、仕事と勉強を両立する社会人、子育てしながら学ぶ主婦、転職を見据えて学び直す人など、さまざまな受講生と出会ってきた野田さん。一人一人の努力に触れるうちに「資格取得の先にあるキャリア支援」にも関心を持つようになったといいます。
　「経理や会計の知識は、どんな業種でも役立つものです。資格を通して選択肢を広げ、自分の力でキャリアを築ける人を支援したいと考えています」

　今後はキャリアコンサルタントの資格を取得し、学び直しや転職準備、キャリア再構築など、生徒の目的に応じた支援にも取り組む予定です。
　「資格はゴールではなく、新しい一歩を踏み出すための道具。試験合格を目指す場であると同時に、再出発のための学びの場でもありたいですね」

（取材年月：2025年10月）

長崎から難関資格に挑む。学び直しとキャリア支援の拠点

マンツーマン×柔軟日程×問題演習。通いやすさと結果にこだわる

独学合格の実体験から長崎で開業。理系出身講師が導く「学び方」

地域の学びを守り、資格取得の先にある「キャリア支援」を見据える

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