相続や後継者不足で余剰になった土地を再生するプロ
井手巧
Mybestpro Interview
相続や後継者不足で余剰になった土地を再生するプロ
井手巧
#chapter1
大村市と諫早市を中心に、長崎県内の土地や建物の売買や仲介を手掛ける「こおり不動産」の代表・井手巧さん。特に買い取りに力を入れ、宅地以外の物件も積極的に査定し、希望者とのマッチングや自社での購入につなげています。
「担い手が見つからない農地や長く放置されたままの荒地に新たな命を吹き込むのが私の仕事です。近頃は『相続して使わない土地があるので何とかしてほしい』といった相談も増えていますね。中でも得意なのは宅地造成で、家を建てられるよう地面をならし、側溝や上下水道を整え、付加価値を生み出して販売するケースが多いです」
強みは多様な依頼に一括で応えられる、各分野のプロフェッショナルとの連携体制。行政書士や土地家屋調査士、建設会社とチームを組み、市町村への届け出から現地の測量、実際の工事までをスムーズに進めます。
「一般的に評価されやすいのは、市街地や都市部に近い土地、あるいは建築基準法上の道路に面している土地です。一方で、山間部の土地でも資材置き場や倉庫用地としてのニーズがありますし、キャンプ場や民泊施設として活用する事業者もいます。こうした買い手とのネットワークを築いている点も、当社の特長です」
大村市はインフラ整備や子育て支援の充実により住みやすさが高まり、人口は増加傾向にあります。市内外の20代、30代の夫婦を中心に宅地需要が広がる中、売り手と買い手の双方にメリットのある取引を通じて地域の発展に貢献できることにやりがいを感じているといいます。
#chapter2
井手さんは中学時代からサッカーに打ち込み、地元・長崎の強豪として知られる商業高校に進学。入学後すぐに頭角を現し、1年生の頃からレギュラーとして活躍します。
「結果は残せませんでしたが、青春の思い出になりました。授業では簿記を真剣に学び、そこで身に付けた知識は、今も仕事に役立っています。大学受験は思うようにいかず、進路指導の先生に相談した結果、九州地方ですでに名の知られた家電量販チェーンを勧められ、商売の基礎を磨こうと考えて入社しました」
才能豊かな同期や後輩に恵まれ、販売の楽しさを感じつつ心をつかむ接客を覚え順調に昇進。やがて店長のポジションを任されます。
「すると、どこで聞きつけたのか不動産投資の営業電話がかかってくるようになりました。将来に向けてマンション運用を始めましたが、理想と現実に大きな隔たりがあると気付き自分の知識不足を痛感しましたね。『このままで終わりたくない。専門知識を深めて不動産を活用したい』と、宅地建物取引士の資格を取得しました」
30年にわたる勤務の後、高校の同級生で元同僚でもある友人の会社へ転職。電気工事や住宅建築に関わる営業担当として、さらなる経験を積みます。
「彼の後押しもあり、本業に集中するため、2021年に独立して『こおり不動産』を創業しました。以前から自分の力で商売をしたいという思いがあり、その夢を形にできたと感じています。土地や建物は高額で手続きも複雑ですが、契約が成立した時の達成感は大きく、お客さまと長く信頼関係を築ける点も、この仕事の魅力の一つです」
#chapter3
「不要な土地に固定資産税を払い続けている」「手放したいが先祖代々の農地なので親族の目が気になる」といった悩みと向き合い、解決して喜びを共有できるのが醍醐味だと井手さん。10年以上も手つかずの不動産を現金化することも珍しくなく、感謝されるのがモチベーションになると語ります。
「満足された方から『他にも困っている土地がある』『知り合いが相続手続きで大変そう』と、次の案件を紹介されることもあります。さまざまな課題に寄り添えるこの仕事の意義を実感するとともに、人とのつながりが広がっています」
今後は不動産業と並行して農業法人を立ち上げるのが目標。そのため自社による農地の取得にも力を入れています。
「宅地造成によって土地の価値を高めることが主な事業ですが、『何世代にもわたり育ててきた作物がある』など、宅地化に抵抗を感じる方も少なくありません。そうした場合には、農地のまま買い取る選択肢も用意しています。適切な価格で取得し、必要とする方へと循環させていきたいと考えています」
不動産の売却は、結果が出るまでに一定の時間を要するのが一般的です。井手さんは、慌てて手放すことで、本来の価値が十分に生かされないケースもあると指摘します。
「だからこそ、こまめなコミュニケーションを大切にしながら、売り手と買い手それぞれの要望を丁寧にすり合わせていきます。短期間で結論を出す取引とは異なる価値を提供していきたいですね」
(取材年月:2026年1月)
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Profile
相続や後継者不足で余剰になった土地を再生するプロ
井手巧プロ
不動産仲介業
株式会社こおり不動産
行政書士や土地家屋調査士、建設会社と連携し、相続で余剰となった土地や後継者不在の農地をワンストップで宅地化。活用しやすい分割提案などを通じ、売り手・買い手にとって納得感のある取引を目指しています。
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