地方企業の営業力を強化するサイト制作・マーケティングのプロ大友拓海

地方企業の営業力を強化するサイト制作・マーケティングのプロ

大友拓海

デジタル技術と地域密着の視点で中小企業の“見えない価値”を発掘し、成果に変える

　長崎市を中心に、主に中小企業のホームページ制作やマーケティング支援を手掛ける「Enagic（エナジック）」の代表・大友拓海さん。集客や採用、ブランディングなどに伴う課題を「地方企業目線の営業・マーケティングノウハウ」と「デジタル技術」の両輪で解決に導きます。

　「例えば、SEO（検索エンジン最適化）対策では『長崎＋〇〇』『福岡×〇〇』といった特定エリアで検索上位を狙うのが得意です。当社のサイトでも事例を載せていますが、サポートを続けている大村市のハウスメーカーは『大村　ログハウス』と調べると1位表示されます。結果として『ネットで見たら最初に目についたので問い合わせた』との依頼が増え、売り上げアップにもつながっています」

　膨大なデータを学習したAI（人工知能）を駆使して市場の傾向を把握。顧客に刺さるキャッチコピーへのブラッシュアップや、新たなターゲット層の開拓をフォローしています。

　また、従来のようなプログラミングを必要とするサイト制作ではなく、感覚的に扱えるノーコードツールを導入。「デザイナーのセンスを生かせる」「コーダーの人件費がかからない」「リニューアル時のコストも抑えられる」「自社で内製化しやすい」といったメリットをもたらしています。

　「企画からデザイン、実装、SNSの運用、リニューアルまでまるっとお任せいただけます。私のアナログで泥臭い営業経験と先進の技術を組み合わせ、お客さまが今まで気付かなかった購買までの動きやユーザーの潜在的なニーズを可視化し、販売戦略に反映させます。成果が見える伴走を実感してほしいですね」

長崎の商習慣を知り、東京でマーケティング手法を学び、強い地方企業を創造すべく起業

　大友さんは青山学院大学を卒業後、新卒で野村證券に就職し、配属先の長崎で現在に至る土台を築きます。

　「営業担当として足で稼ぎ、土地勘を養い、地元企業の商習慣を肌で感じる日々でした。『自分が担当しているエリアは本当にお客さま候補が多い場所なのだろうか』『もっと的確な営業スタイルがあるのでは』と思うようになり、テクノロジーによる効率的かつ生産性の高い営業手法を身に付けようとIT企業に転職しました」

　その後は東京に出て、ウェルネス産業向けのシステムを開発・提供する会社に入り、マーケティングを軸に7,500店舗の導入を牽引します。

　合計、約6年の営業・マーケティング経験の実績やノウハウが評価され、副業にてコンサルティングの依頼を引き受けるように。数々の経営者と知り合い、背中を押されて「Enagic」を立ち上げます。

　「エナジー（活力）、アクション（行動力）、イノベーション（革新）を組み合わせて社名とし、起業の地として、かつてお客さまを訪ねて歩き、妻の実家が建設業を営む長崎を選びました。地域の企業が抱える課題を、地元の文化やルールを理解した上で、都内仕込みのアイデアやITの力で解決できると判断したからです」

　大友さんは、都心との情報や人材のギャップを埋めながら、地方から強い企業を生み出し、地域の経済を元気にすることを目指しています。拠点とする長崎を中心に、地方の未来を支える取り組みを続けています。

新規ビジネスの立ち上げから事業承継まで。資源を掘り起こし地方企業の未来を描く

　仕事の醍醐味は、顧客が見過ごしてきた自社の価値や長所に目を向け、再び走り出すこと。従来のビジネスを強化したり、新たな事業をスタートさせたりする姿を見るとモチベーションが高まるとか。

　「情報過多の現代では、マーケティングや営業のノウハウはまさに“転がって”います。しかし適切な方法を選び、自社に合う形で浸透させ、運用して結果を出すのは容易ではありません。戦略を難しく考えるあまり『実はターゲット層を設定していなかった』という単純なミスに気付かないケースもあり、私は課題の“翻訳者”を目指します」

　「お客さまの事業や商材理解を深めるための打ち合わせの中で、本質的な経営課題が見えてくることもあります」と大友さん。業務効率化など、社内でのAI活用ノウハウも提供できる仕組みを整えていきたいと言います。

　「地域密着の会社として、事業承継に悩む経営者の力にもなりたいと思っています。150年続く会社の7代目や組織作りのプロフェッショナルをお招きしたイベントも開催しており、スムーズに次世代へバトンタッチする術も一緒に考えます」

　出身地の北海道で民泊ビジネスも手掛けている大友さん。観光都市の長崎も宿泊施設の拡充は必要であり、のれんを下ろすホテルやペンション、民宿の事業承継にも注力したいと意気込みます。

　「地元で稼ぎ、雇用を創出し、経済システムをつくることが目標です。地域に眠る資源を発掘し『地方だからできること』を加速していきたいですね」

（取材年月：2025年3月）

サイト制作やマーケティング支援で、集客や採用、ブランディングの課題解決を目指す

デジタル技術と地域密着の視点で中小企業の“見えない価値”を発掘し、成果に変える

長崎の商習慣を知り、東京でマーケティング手法を学び、強い地方企業を創造すべく起業

新規ビジネスの立ち上げから事業承継まで。資源を掘り起こし地方企業の未来を描く

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