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ビーズ刺繍作家として、1点もののビーズアクセサリーを生み出す喜びや楽しさを伝えたい

ビーズ刺繍・ビーズアクセサリー制作の魅力を伝えるプロ

南波由紀恵

南波由紀恵 なんばゆきえ
南波由紀恵 なんばゆきえ

#chapter1

基本的な技法を学べる体験レッスンなど、ビーズアクセサリー教室を主宰

 「キャンバスに絵を描くように、布地にパーツを縫い付けて装飾を施すビーズ刺繍は表現力が豊か。一針一針手をかけ、唯一無二の品を作り上げるハンドメイドの魅力を、多くの方に知っていただきたいですね」

 そう語るのは、長野県上田市を拠点にビーズ刺繍作家として活動する「chou chou(シュシュ)」の南波由紀恵さん。ネットショップでオリジナル品を展開し、国内外の展覧会へ作品を出展する傍ら、ビーズアクセサリー教室を主宰。

 重厚感や透明感のあるガラスや天然石、カラーバリエーションが豊富なアクリルのビーズ、キラキラと輝くスパンコールを用いて、ネックレスやブローチ、イヤリング・ピアスなどの作り方を手ほどきしています。

 「色とりどりのパーツで花やリボン、ハートを形づくったり、生地の余白に1粒ずつ縫い留めたり、針を動かすたびに立体感を帯び、絵柄に命が宿るようです。完成形を想像しながら手を動かす時間はとても楽しいですし、専門店でカラフルなビーズを選んでいる時間もわくわくします」

 基礎的な技法を学べる2時間の「体験レッスン」は初心者も大歓迎。1~2回の参加でブローチやヘアゴムを作ることができます。綿を真珠のように丸め、軽い着け心地が人気の「コットンパールアクセサリー」を制作するレッスンや、好きなアイテムに取り組む「フリーレッスン」も用意しています。

 「テクニックを段階的に身につけながら、生徒さんが作りたいものにチャレンジしてもらえます。自分で使う髪留めのバレッタや、友人へのプレゼントなど、『自分の手で生み出す喜び』を感じていただけます」

#chapter2

趣味でビーズアクセサリーの制作を始め、自分の世界観が描けるビーズ刺繍へ

 ビーズアクセサリーが流行した2000年頃から、材料がそろったキットで趣味としてアクセサリーを作っていた南波さん。次第に物足りなさを感じ、自分ならではの作品づくりがしたいと考えるようになり、本格的に技術を学び始めます。

 釣り糸のような合成繊維のテグスにビーズを通して固定させる「テグス編み」、針と糸でビーズを編み込む「ビーズステッチ」を習得すると、立体的で複雑なデザインも表現できるようになりました。

 「金属製のピンの端をペンチで丸めてビーズやチャームをつなぐピンワークや、細い針金を曲げたりねじったりするワイヤーワークのスキルも身につけると、市販されているアクセサリーが自分で作れるようになります。創作の幅が一気に広がり、ビーズによるものづくりの世界にどんどん魅了されていきました」

 さまざまな手法を勉強する中で、南波さんが特に心を奪われたのが、レースやフェルト、オーガンジーといった生地にビーズを一つ一つ縫い付けるビーズ刺繍でした。パーツの配置などにおいて自由度が高く、自分の世界観を形にできるところに面白さを感じました。

 「当初はブローチやネックレスなどが中心でしたが、個展に合わせて制作した付け襟をInstagramに投稿したところ、日本の美術を海外に紹介するイベント会社の目に留まり、作品展への出品依頼が舞い込みました。展示会で数々の作家さんの作品を見ていましたが、まさか自分がお声がけいただけるとは夢にも思いませんでした」

南波由紀恵 なんばゆきえ

#chapter3

複数の技法を重ね合わせ、繊細かつ緻密なビーズ刺繍により国内外で受賞

 南波さんの作品は、カラフルなものから白などを基調にしたシンプルなものまで多彩。繊細かつ緻密で、アートとして評価されています。

 シダレザクラをモチーフにしたネックレス「百花繚乱」は「ART BLEND 2023 in Firenze」で審査員特別賞を、鮮やかな黄色の花が特長の「花開く」は「世界芸術競技 in PARIS 2024」で特別賞を受賞。白いビーズとコットンパールで仕上げた「無垢」は「第30回日本の美術~全国選抜作家展~」で審査員特別賞に選ばれました。

 「大作になるとビーズを5000個ほど使い、1~2カ月かけて制作します。基本の工程は教室で習うアクセサリー制作と同じで、複数の技法を重ね合わせることで奥行きが出てきます。年代もののヴィンテージを使う作家さんもいますが、私は手芸店で購入できるビーズを作品にも教室にも使っています」

 日々ビーズに向き合う南波さん。かれんに咲き誇るカモミールやネモフィラなど、季節の草花をテーマにやさしさに満ちた作品を手掛けています。

 「表に刺繍し、裏地を接着剤で張る方法もありますが、私はふちにビーズをあしらって縫い合わせています。手にした方に、手仕事ならではのぬくもりが伝わればうれしいですね」

 レッスンは少人数制で和やかな雰囲気。おしゃべりしながら和気あいあいと制作し、生徒のリフレッシュの場にもなっています。

 「ボタンを留めることができれば、どなたでもビーズアクセサリーを作ることができます。興味がある方はお気軽にご連絡ください」

(取材年月:2025年11月)

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南波由紀恵

ビーズ刺繍・ビーズアクセサリー制作の魅力を伝えるプロ

南波由紀恵プロ

ビーズ刺繍作家

chou chou

小さなビーズでアート作品や、大人向けのイヤリングやネックレスなどのアクセサリーの制作を行う教室。初心者の方には「体験レッスン」も用意。自分で作り出す楽しさをお伝えします

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