税理士として独立したてのころは既存顧客がいないので集客をする必要があります。もし人脈がないなら今すぐにでも始められるコンテンツマーケティングがおすすめです。
従来の手法であったセミナーのほかにホームページやブログなどを使って幅広い層に向けてアピールしましょう。
税理士における集客の重要性
まずは税理士における集客の重要性について解説します。もちろん人によって異なりますが、勤務税理士より開業税理士の方が約3~4倍収入が多いです。しかし、開業税理士の場合、集客できればという前置きがつきます。
年々増え続ける税理士によって、仕事の奪い合いが起きているのです。また、1件当たりの税理士顧問料は減少傾向にあり、競争社会を生き残っていかなければいけない状況になっています。
夢を抱いて開業したのはよいものの、まったく仕事の依頼が来ず、再び勤務税理士に戻る人もいるようです。税理士においても、集客力は非常に大きな価値を持ちます。
税理士の主な5つの集客手法
税理士の主な5つの集客方法をご紹介します。税理士には「税についての専門家」という分かりやすい特徴がありますが、他の税理士より何が優れているか差別化を図る必要があります。
ホームページの利用
集客手法で代表的なのがホームページです。仕組みができると24時間365日働いてくれるので優秀な営業マンといったイメージでしょうか。
税理士のスキルや人柄などを提示することで、そこに魅力を感じた人が興味を示してくれます。比較的ホットな人が集まってくる傾向があり、無理なセールスをする必要が少ないです。
ただし、古いデザインのホームページや見にくいホームページは、ただただ印象を悪くするだけです。集客できる仕組みを作るためには、お金や時間、センスなどが求められます。
そして、ほとんどの場合において、ホームページ訪問者は、ほかの税理士のホームページと比較検討しています。ホームページにアクセスがあっても依頼がないということも十分に考えられるのです。質の高いホームページ作成が重要だといえるでしょう。
SNSやブログの利用
無料で使えるサービスも多い、SNSやブログはぜひ活用したいところです。スマホで簡単に投稿できるので、タイムリーな情報を発信しやすいです。ホームページと連携させることによって、より広く認知してもらえます。
ただし、良くも悪くもSNSやブログは情報を拡散しやすいので、発信する内容には十分考慮しなければいけません。何気ない一言が炎上のきっかけになってしまうこともあります。とはいえ、有益な情報やぶれない信念を発信し続けるとファンがつくことがあります。
セミナーの開催
従来からある定番の集客方法が、セミナー開催です。対面で会うのでより説得力が増し、さらに細かな気遣いをしやすい特徴があります。
少人数のセミナーであれば、参加者に合わせた内容にチェンジしても良いですし、柔軟にリクエストに応えたいところです。税の専門家として、人の役に立つ印象が強いので、集客力は増すことが多いでしょう。
ただし、セミナーの場所と時間を確保しなければいけなかったり、セミナー資料の準備をしなければいけなかったりします。さらに言うと、そもそもセミナーを開催するための集客をしなければいけないので、唐突に始められる集客手法ではありません。
税理士専用のマッチングサイトの利用
税理士専門のマッチングサイトやポータルサイトの利用も集客するための一つの方法です。サイトに載っている情報にアクセスするだけで、営業に行かなくても仕事を獲得できます。
また、自社の情報を載せることでキーワード検索をした際に検索上位にランクインする可能性もあります。アクセス数が多いサイトであれば、それだけ宣伝効果も大きくなります。
サイト自体は税理士業界や税理士を探すとき以外にも多用されているので、独立したてで実績がなくとも条件面で選ばれることがあり、大きなチャンスが広がっているといえるでしょう。
しかし、ほとんどのサイトが有料なので、集客できないと赤字になります。中には成果報酬を求められるサイトもあり、手元に残る利益が小さいこともあるでしょう。
また、マッチングサイトやポータルサイトを見ている人は、提示料金のなるべく安いところに依頼したいと考えて検索しているところもあります。サイトを利用するからといって報酬が増えると安易に考えるのは難しいようです。
商工会の利用
地域に根付いた商工会の力を借りる方法があります。商工会に加入すると新たな人と出会えるので、よい効果をもたらすかもしれません。地域に密着した人付き合いをしたかったり、地域の悩みを解決したかったりする人におすすめです。
ただし、少なからず費用が必要だったり、定期的に顔を出さないといけなかったりします。年齢が若いと青年部に加入するように促されることもあるので、そのことは念頭に入れておきましょう。
知人からの紹介
以前からおこなわれている集客方法が紹介です。声がかかると高い確率で顧問契約ができ、もともとこちらを信頼してくれていることがほとんどなのでトラブルが少ないというメリットがあります。
紹介してもらうまでに労力や時間がかかるので、すぐに掴めるチャンスではありませんが、紹介のことも考慮して行動すると良いでしょう。
付き合いたくない人でも紹介だと断りにくかったり、友達だから安くしてとねだられたりすることもあるかもしれませんが、古典的な集客方法として有効です。
人脈がないならコンテンツマーケティング
もし人脈がないまま開業税理士になったのなら、コンテンツマーケティングにチャレンジすることをおすすめします。コンテンツマーケティングの3つのメリットをご紹介しましょう。
すぐにでも始めやすい
コンテンツマーケティングはすぐにでも始められるほど、導入時のハードルが低いです。まずは、潜在顧客が求めているであろう情報を発信するだけで、何らかの反応が得られるでしょう。
税理士だと、確定申告や国からの給付金などについて情報を整理して発信している人もいます。国や地方自治体が発信している情報はどこか小難しく一般に人には分かりにくいので、税の専門家としてかみ砕いてコンテンツにするのです。
あらかじめ特長を伝えられる
ほかの税理士とはどこが違うかという点を明確に提示できるのも一つのメリットです。その特長に理解を示してもらえたら、むげな価格競争に巻き込まれずに済みます。やはり相性のよさは大事なので、こちらの特長や人柄を伝えることから始めてみましょう。
コストに対する集客力が高い
一度発信したコンテンツはインターネット上に残り続け、比較的集客力が高いのが魅力だといえます。税理士から売り込みをかけるのではなく、何らかの事情で興味のある人がコンテンツに注目するので、そもそもまったく興味のない人を省ける効率の良さがあるのです。地域や専門分野などをピンポイントに絞った戦略も練れます。
集客を成功させるコツ
集客を成功させるコツをお伝えします。専門性・差別化・素早さがキーワードです。
税理士としての専門性の高さをアピール
税理士は税務が基本的な業務ですが、一言でいっても幅広いジャンルがあります。その税務の中でどこが得意なのか、またコンサルティングやアドバイザリーにも関われるのか、といった専門性の高さをアピールすると良いです。いずれどこかの専門性の高さではずば抜けているという形になれたらアピールポイントになります。
個性を出して差別化を図る
個性や差別化も重要なところです。「あなたはどんな税理士ですか?」と聞かれたときに答えられるようになっていないといけません。先ほどお伝えした専門性ともつながる話です。
反応があったら素早く対応する
すぐにでも真似できるのが、即レスです。契約率が高い税理士はとにかく返信が早いという傾向があります。遅くとも30分以内にはなんらかのレスポンスをするように心がけるとよいでしょう。また、進捗確認やお礼メールなど、タイミングを逃さず丁寧に送ってみてください。
税理士の集客のコツを知ろう
税理士の集客手法やコンテンツマーケティングの重要性、集客を成功させるコツなどをお伝えしましが、ベースとなるのは顧客第一優先の謙虚な姿勢でしょう。何もギブしていないのにお金を稼げるほど楽なものではありません。相手によって有益なものは何かを考えて、提供することから始めてみませんか。