教室の集客といってもアプローチ方法はさまざまです。どの方法を使えば効果的に生徒を集客することができるのか。また、それぞれの方法を効果的に使うにはどうするべきなのか。 今回は、教室の運営に欠かせない集客方法についてご紹介します。

教室の集客方法と選び方

教室の集客にはどのような方法があるのでしょうか。その選択肢と、それぞれの集客方法の特徴や活用方法を知らなければ、数ある集客方法のなかから、自分の教室に使える集客方法を選ぶことはできません。
ここでは、主な集客手法とそのメリット・デメリットを解説します。

教室の集客方法の種類

教室の集客方法は、大きく「Web集客」と「リアル集客」の2つに分けることができ、具体的には以下のような方法があります。

【Web集客】
ホームページ、Facebook、Twitter、Instagram(以下インスタ)、ブログ、ポータルサイト、YouTube、メルマガ、LINE@、リスティング広告など

【リアル集客】
手配りチラシ、置きチラシ、折り込みチラシ、プレスリリース、口コミ・紹介、イベント開催、のぼり、看板、フリーペーパー、CM、新聞広告など

これらはどれも、教室集客において利用されている方法です。すべて使う必要はありません。自分が教室を運営していくうえで継続できそうな集客方法を選び、活用しましょう。

集客方法のメリットとデメリット

先ほどご紹介した集客方法から、自分の教室にあったものを選択して活用するには、それぞれの集客方法の特徴を知る必要があります。Web集客とリアル集客それぞれのメリットやデメリットを見ていきましょう。

Web集客のメリットは、一度に多くの人々にアプローチできることです。また、いったんサイトを構築してしまえば、その後は少ない労力で継続的に見込み客を獲得し続けてくれる点も優れています。

たとえブログを書き始めても、1記事目からたくさんのアクセスを獲得できることはなかなかありません。初めはアクセス数が10〜20といったように少なく、ブログを書き続けることで、アクセスが徐々に伸びていき、1日に1,000アクセス、2,000アクセスに到達するようになるのです。そこにたどり着くには努力が必要です。

デメリットは、サイトを開設してから幅広く認知されるまでに、一定の期間が必要になることです。

アクセスが多くなれば、1記事書くだけでも何十人、何百人の人に継続的に認知を広げることができ、高い集客力を期待することができます。

リアル集客の一番のメリットは、生徒に直接アプローチできることです。自分がアプローチしたい人を選びながら、特定の人だけに接触できる点が優れています。

ただし、リアル集客には継続性がありません。

リアル集客で活用しやすい方法であるチラシを例に考えてみましょう。駅前でチラシを1,000人に配ることができれば、1,000人の方に少なからず認知してもらうことができます。Web集客とは違い、集客を始めた早い段階でも、自分が努力した分だけ多くの人にアプローチすることが可能です。
しかし、自分が直接配った人以外にチラシの情報が広がる可能性は低く、チラシを配るのをやめてしまったら、それ以上認知が広がることは期待できません。この点はリアル集客のデメリットと考えられます。

毎日1,000人にチラシを配り続けるのは、時間も労力もかかるので、現実的には困難です。

リアル集客は、Web集客で一定の集客力を構築するまでの間に、知り合いや近隣住民など、教室の存在を確実にアピールしたい人に絞って利用することをおすすめします。

教室集客の流れ

教室を開設してから生徒を集めて、継続的に教室に通ってもらえるようになるまでには、どのようなステップが必要になるのでしょうか。ここでは教室集客の流れについて説明します。

まずは競合リサーチ

教室を開業したからといって生徒がすぐに集まるわけではありません。なぜなら、あなたのまわりには、すでに似たようなサービスを提供している教室があふれているからです。

評判もわからない新しい教室に入ることに不安を感じる人は多いので、生徒は実績のある教室に流れていってしまうでしょう。

そうならないためには、まず競合リサーチを行う必要があります。
競合リサーチで、近隣の教室がどのようなサービスを提供しているのかを詳しく調べます。そのうえで、競合にはなく、自分だけが持っている強みを生かして他の教室と差別化を図ることが大切です。他の教室との違いを明確にすることが、すでに実績がある近隣の教室ではなく、自分の教室に興味を持ってもらうポイントになります。

体験レッスンでアプローチ

競合リサーチを行い、自分の教室のアピールポイントが明確になったら、チラシやホームページ、SNSを使って実際にレッスンに来てほしい人にアプローチしてみましょう。

いきなり高額なレッスンを開催したり、数回分の月謝を請求したりするのではなく、まずは初めての人にも参加してもらいやすいように、無料、または安価で手軽な体験レッスンを開くのがおすすめです。実際の体験を通して自分の教室の魅力を知ってもらいましょう。

有料レッスンへの誘導

体験レッスンに来てもらえたら、次の目標は有料レッスンへの誘導です。有料レッスンでは、受講者からレッスンに対する対価を受け取ることになるので、体験レッスンより専門的な知識や技術を提供する必要があります。

また、有料レッスンへ入会してもらうためには、体験レッスンで生徒としっかりコミュニケーションをとることが大切です。

どれだけ先生のスキルや知識が高くても「この先生から習いたい」と思ってもらえなければ入会にはつながりません。そのため、「この教室なら楽しく通える」と思ってもらえるような温かい雰囲気も欠かせません。

レッスン内容を充実させたりアットホームな教室づくりをする以外にも、特典を準備したり、返金保証をつけるなどして有料レッスンへ誘導する工夫をしてみましょう。

リピートしてもらうための仕掛け

リピートしてもらうためのポイントの1つは、成長を感じられるような教室の仕組みづくりです。教室に通う生徒は、何かを学びに来ています。学んで得たことを実感しやすい工夫があると、教室に通い続けるモチベーションにつながります。

例えば、初級コース・中級コース・上級コースといったように、成長レベルに合わせて受けられるレッスン内容が変わり、ステップアップを感じられる仕組みを作ってもいいかもしれません。生徒が成長を実感することも、リピート率向上につながります。

また、定期的に作品の展示会や発表会を開くなど、イベントを開催するのもおすすめです。目標に向かって、教室に通い、技術を習得するなどのモチベーションになります。

イベントは作品や技術を披露する会だけでなく、お茶会や食事会など、交流を深める機会も用意するとよいでしょう

インスタの集客活用法

集客の流れについてわかったところで、実際に利用されている集客ツールについて見ていきましょう。

冒頭でお伝えしたようなさまざまなツールがある中、注目されているのがインスタグラムです。 実は最近、インスタグラムを集客の手法として取り入れる教室が増えてきています。インスタは、例えば華道教室や料理教室のように、写真映えするようなレッスンを提供する教室にとっては、特に効果的に使える方法です。

写真の構図、分かりやすい投稿を心掛ける

インスタは写真や動画で情報を伝えるため、ブログやホームページのように文字が中心の投稿よりも直感的なインパクトを与えることができます。

写真や動画をアップするときは、写真の構図や明るさ、背景に注意しながら、パッと見て心を動かされるような投稿かどうかを確認しましょう。

例えば、アカウントのプロフィールページには自分のアイコンや自己紹介文などのほか、過去の投稿などが表示されます。プロフィール画面は、自身のインスタグラムの顔ともいえる重要なページで、投稿されている写真を見て興味を持つかどうかが決まります。自身の教室のブランディングにつながるので、センスよく仕上げることが大切です。

教室に通うとどんなことができるのか、教室の様子や生徒の作品、レッスン内容などを一目でわかるような投稿を続けることで、あなたの教室に興味を持ってもらうことができます。

#ハッシュタグの活用方法

インスタはハッシュタグをつけることによって投稿を見つけてもらえる可能性が高くなり、フォロワーの増加にもつながります。

ハッシュタグでよく使われるのは名詞のハッシュタグです。例えば、「料理」「ヨガ」などが挙げられます。
最近では商品名や企業特有のハッシュタグを使ってキャンペーンに活用する企業も増えてきています。教室内の特有のサービスや、キャンペーンとなるハッシュタグを作り、生徒同士で共有していくのも集客や教室のブランディングにつながります。

またインスタグラマーや芸能人には、ハッシュタグを単語で使うのではなく、単語をつなぎ合わせて文章として読んでもらうような工夫をしている人もいます。
そのような例を参考に、ユーモアのあるハッシュタグを活用すると、教室や投稿者であるあなたの人柄などを感じてもらうこともできるでしょう。

ストーリーズの活用方法

最近は、24時間で消えるといった気軽さから、インスタのフィード(ホーム画面)よりも、ストーリーズの利用が増えています。

メリットとしては、メイン画面の一番上に表示されるため、投稿を見てもらえる可能性が上がります。

また、通常の投稿はタイムラインに残るため、自分の教室のイメージアップにつながる写真や動画を選んで投稿することが大切ですが、ストーリーズは時間とともに消えるので気軽に投稿することができます。

教室集客においてインスタのストーリーズを活用する場合、リアルタイムでレッスンの様子などを掲載してみてください。

特に、入会しようかどうか迷っている人が見ていることを意識してみましょう。ストーリーズを使って、オフショット的なイメージの写真などを投稿し、教室の雰囲気やレッスンの様子を伝えると、入会を迷っている人たちの後押しになるかもしれません。

プロフィールやいいね機能の活用方法

インスタをビジネスで活用する場合は、ビジネスプロフィールに変更してください。 ビジネスプロフィールにすることで、教室に直接連絡が取れるボタンを設置したり、教室の位置情報を掲載したりすることが可能になります。

また、別の人の投稿に「いいね」を押したりコメントを投稿したりすることで、相手に自分の教室のアカウントを知ってもらうこともできます。時には競合の教室をフォローしたり、投稿に「いいね」を押したりすることで、競合の教室のフォロワーに自分の教室にも関心を持ってもらえるきっかけにもなるでしょう。

教室集客でインスタを使うときの注意点

インスタは20代から30代に最も多く利用されているツールです。そのため、ターゲットとなる生徒の年齢層や性別がそこから大きく外れていると、インスタ集客はうまくいかないことがあります。

また、インスタはFacebookやTwitterのような拡散機能がないので、 ハッシュタグを有効活用し、認知を広める必要があることを覚えておきましょう。

そのほかには、教室の様子や生徒の作品などを投稿する前に、写真に写っている人に掲載の可否を確認し、個人情報への配慮を欠かさないようにする必要があります。

ホームページ、ポータルサイトなどWeb集客

スマートフォンの利用が幅広い世代で当たり前となり、何をするにもまずWeb検索をする人は多いのではないでしょうか。冒頭でWeb集客について触れましたが、ここから具体的な活用方法を説明していきます。

教室を信頼してもらうためには、Webの活用は必須です。幅広いターゲットにアプローチでき、集客効果を測定しやすいのがWebを使った集客方法の特徴です。ここでは、主なWebの活用方法について紹介します。

ホームページの活用方法

ホームページはあなたの教室の顔となる存在です。検索して訪れた人に教室の売りや特徴をわかりやすく伝えられるホームページを作りましょう。

また、ブログを活用するのも効果的です。ブログでは教室や講師の人となりが伝わりやすいため、丁寧に記事を書けばファンがつき、そのファンからの申し込みや問い合わせが増えていきます。

Web広告の活用方法

リスティングなどのWeb広告では、ターゲットを絞り込んで教室の宣伝を行うことができます。 ホームページやブログなどを利用する場合、検索で上位表示されるようになるまで時間がかかってしまう場合が多くありますが、Web広告ではそのようなデメリットがありません。

またWeb広告を有効活用するためには、広告がクリックされた後に表示されるページを、教室の魅力をわかりやすく伝える申し込みサイトにしておくことが必要です。

申し込みサイトは通称「LP(ランディングページ)」と呼ばれ、教室の詳細情報やアピールポイントがまとまったページになります。サイトを訪れた人が、ほしい情報を得て、不安要素を払拭して、魅力を感じた上で申し込みに至るように作ります。

ポータルサイトの活用方法

ポータルサイトは教室を探している生徒と、教室を開講している先生を結びつけてくれるサイトです。ポータルサイトは生徒が主体的に教室を探しているので、入会につながりやすいのが特徴です。「業種+ポータルサイト」で検索をして、あなたの業種にマッチしたポータルサイトに登録してみてください。

Webで集客をする場合は、どのような生徒を集めたいのか、ターゲット像をしっかり想定しておかないと、自分の教室のイメージと違う生徒が入会する場合もあります。

どのような生徒と関わっていきたいのかを意識したサイト作りをしましょう。

チラシを活用した集客方法

チラシは、教室を開講したばかりのときにおすすめの集客方法です。

近隣に住む人などに教室がオープンしたことを知らせ、興味を持ってもらうことができます。ただし、魅力的なチラシを作らないと問い合わせが少なく、労力ばかりがかかってしまうので注意が必要です。

チラシに必ず明記するべき要素

チラシに載せるポイントについて見ていきましょう。

  • キャッチコピー
  • 写真
  • 自分の教室の特徴や強み
  • オファー(生徒が得られるメリット)
  • 受講生の声
  • 連絡先

上記を基本に、情報を整理してチラシに掲載します。

たくさんあるチラシの中から、中身を読んでもらうにはまずキャッチコピーで目を引くことが大切です。「その教室に通うことで得られメリット」をわかりやすく、大きな文字サイズで表現しましょう。

写真は、目にしてすぐに「このチラシがなんのチラシか?」を伝えることができます。例えば、お花をアレンジする写真を載せると、直感的に「フラワーアレンジメントの教室」と理解してもらうことができます。

自分の教室の特徴や強みでは、その教室がどういった層をターゲットにしているのか生徒像を具体的にするほか、その教室で実施するレッスンの特徴、ほかの教室とは違うポイント、その教室を受講することで得られるメリットなどを紹介します。

オファーは無料体験レッスンなどが当てはまります。ターゲットに行動を起こしてもらえるようなオファーを設定することが大切です。

加えて、実際に教室に通っている人の声を複数紹介すると信頼性も上がり、読む人により一層アプローチすることができます。

連絡先は、電話番号、メールアドレス、ホームページなど、複数用意しておきましょう。電話番号の横には問い合わせ時間や休日なども載せておくと、時間外の問い合わせの軽減につながります。

チラシには必ず、問い合わせ先を明記してください。

当たり前のように感じるかもしれませんが、教室の内容を伝えることばかりに気を取られ、問い合わせ先を書き忘れるのはチラシ作りでよくあるミスです。チラシを見て興味を持っても、チラシを受け取ったターゲットはどこに問い合わせをすればいいのか分からないのでどうすることもできず、そのまま忘れられてしまうこともあるのです。

メールで問い合わせをしてほしいのか、電話をしてほしいのか、直接来店してほしいのか、興味を持ってくれた人にどのような問い合わせ方法をとってほしいのか大きく明記してください。

目を引くチラシのポイント

上にも述べたように、目を引くチラシにするために欠かせないのはタイトルです。目を引くチラシを作るために、きれいなデザインにこだわる人も多くいますが、「デザインが美しい」といった理由だけで教室に問い合わせをするわけではありません。

ターゲットは教室に通うことによってどのようなメリットがあるのか、タイトルを見て判断します。メリットがあると感じた場合、チラシの内容に目を通します。

自分が伝えたい内容ではなく、チラシを受け取った人が得られるメリットを書くことが大切で、ターゲットの心に響くタイトル作りを心がけてください。

チラシの配布方法

チラシは新聞や地域のタウン誌に折り込みチラシを入れる、各家庭にポスティングするといった方法があります。

新聞への折り込みは、新聞購読層なのでファミリー層や高齢者層がターゲットの場合に有効です。広域に配布できるほか、エリアを絞れるのがメリットで、配布エリアによっては多くの人にチラシを届けることができます。デメリットは、大量のチラシに埋もれてしまうことです。

地域のタウン誌への折り込みは、地元の人の目にとまる確率が高いのがメリットです。コストも新聞よりは低く抑えることができます。ただし、こういった媒体はフリーペーパーなので、そのまま読まずに捨てられてしまう可能性があります。また、チラシを配布できるのはタウン誌の発行日に限られてしまいます。

ポスティングは、ファミリーや単身など、ターゲットを細かく絞ることができる上に、費用などに合わせ配布エリアも自由に決めることができます。自分で配布するのであれば配布費用は必要ありませんが、配る枚数が少なくなるのはデメリットと言えるでしょう。

チラシ配布で特に意識してもらいたいのは、ターゲットの日常生活です。日頃通うお店や場所を想像してください。例えば、教室のターゲットが主婦ならば、ランチで人気のカフェなどに置いてもらえるよう、お店の人にお願いする方法もあります。

やみくもにチラシをおいてもらったり配ったりするのではなく、ターゲットを意識して、効果的なアプローチを心がけましょう。

教室集客でチラシを利用するときの注意点

チラシ集客を行うときは、いくらの広告費で何枚配り、何人から問い合わせがあったのかしっかりと数字で把握するようにしましょう。

数字を用いて管理しないと集客効果があったのか、無かったのか正確な測定ができません。数字をとる方法としては、生徒の来店時にチラシを見たかアンケートをとったり、チラシにクーポンをつけてクーポンの回収率を算出したりすることが有効でしょう。

自分に合った方法で教室の集客を成功させよう

教室集客の方法を考える際に最も優先してほしいのは、その集客方法が自分や自分の教室に合っているか、継続して行うことができるか、という視点です。

教室といっても、英会話教室、幼児教室、マナー教室、フラワー教室、着物教室、ダンス教室など対象とする年齢や男女なども各教室を開いているエリアや集客したい層の特徴なども異なってきます。

インスタ、 Web、チラシなどさまざまな集客方法があるなかで、「たったひとつの絶対に良い方法」があるわけではありません。ここまでに説明した通り、ターゲットや教室のサービス内容によって、同じ集客方法を使ってもその効果の良し悪しに差が出ます。

1つの方法にこだわるのではなく、いくつかの集客方法を試しながら自分に合った方法で教室の集客を行ってみてください。

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