カウンセラーといっても、さまざまな職種があり、学校で活躍するカウンセラー、病院、企業など活躍の分野は多岐にわたります。そして最近は国家資格が誕生しました。それほど現代社会はカウンセラーの力が必要となっているのです。ここでは、カウンセラーの仕事の種類や、働く場所、年収をまとめ、独立しているカウンセラーの集客のポイントやその方法を紹介していきます。

カウンセラーの仕事について

カウンセラーとは、悩みを相談しに来た人をサポートする人のことです。相談したい人の話に耳を傾け、専門的な知識や技術を生かして最適な方法を一緒に見つけて支援していきます。

一般的には心の悩みに対してサポートする人のことを「カウンセラー」と呼ぶことが多いですが、心の悩みに限らず、就職・転職などの生活に直結する分野など、専門的な知識や技術を生かして相談に応じるすべての人を指す場合もあります。

カウンセラーとして向いている人は、「相手の役に立ちたい」という気持ちになれる人で、共感力や共に解決しようとするポジティブな思考が必要です。
またカウンセラーの仕事は、人の悩みや相談に乗ることなので、心身のパワーを必要とする職業でもあります。ときに強い精神力が必要になる場合もあるでしょう。

カウンセラーの種類と資格

カウンセラーと一口に言ってもいろいろな種類の仕事があります。教育に特化したものや、医療に現場に即したもの、労働や、個人の悩みに寄り添うものまで、その種類は幅広いです。またカウンセラーと呼ばれる中でも、国家資格や民間資格があり、近年新しく「公認心理師」という国家資格も誕生しています。下記で詳しく説明していきます。

ここからはカウンセラーの種類と資格について紹介します。活動している人数が多いとされるカウンセラーを見てみましょう。

公認心理師(国家資格)

臨床心理士同様、教育に医療、労働、研究など多岐にわたる専門分野で、心理的な支援を行うことができます。他者の心理状態を分析し、必要に応じて相談に乗ったり、助言や指導を行ったりします。

また他者に向けて、心の健康を保つための情報を提供・発信することも公認心理師の重要な役割です。

心理カウンセラー

心理カウンセラーは悩みを持つ人の相談を受け、その悩みを解決するためにサポートする仕事です。教育・医療・企業・介護・福祉・地域・コミュニティーなど多方面で活躍することができます。

資格を持っていなくても心理カウンセラーと名乗ることはできますが、きちんと勉強していることを示すためにも、なにかしらの認定資格を取得してから心理カウンセラーと名乗る人もいます。

例えば、臨床心理士、認定心理士、臨床発達心理士、認定カウンセラー、プロフェッショナル心理カウンセラーなど、自分が目指す分野に適した資格を取得して、必要な知識などを得ておくのがよいでしょう。

臨床心理士 (民間資格)

臨床心理士は臨床心理学に基づいた知識や技術を生かして、人間の心の問題にアプローチする心の専門家です。

キャリアカウンセラー (民間資格)

キャリアカウンセラーは、個人にとって最適な職業選択や能力開発を支援するキャリア形成の専門家です。働いている人からの相談を受けてその人の興味や能力・価値観・特性などを引き出し、どのような仕事に向いているのかアドバイスします。

また、その人のスキルや経験はどのようなところで生かせるのか、現在の仕事が合っているのかどうかなどをカウンセリングします。

キャリアカウンセラーの資格として民間資格や国家技能検定がありますが、国家資格ではありません。必ずしも資格を必要とはしていませんが、カウンセラーとして、仕事についての知識や経験が求められるといえます。

また、似たような名称でキャリアコンサルタント※という資格があります。キャリアコンサルタントはカウンセラーと異なり、労働者や職業能力開発などの分野で活躍できる国家資格です。
有資格者以外は「キャリアコンサルタント」や類似した紛らわしい名前を名乗ってはいけない、というルールも制定されています。

産業カウンセラー (民間資格)

産業カウンセラーは働いている人やその家族に対して、個人や組織が抱える心の悩みや問題の解決をサポートするカウンセラーです。

産業カウンセラーの資格として、一般社団法人日本産業カウンセラー協会の資格があります。
この資格は主に企業の相談室で働いている人などが取得しています。働く人が抱えやすいさまざまな心理的問題に対して、カウンセリングを通してサポートを行います。

スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは、子どもの心の相談に応じるカウンセラーです。不登校や問題行動などの対応をする場合もあります。常駐するというよりも「毎週何曜日」などと決まったスケジュールで働くパターンが多いようです。

「スクールカウンセラー」という資格はありません。臨床心理士や精神科医、大学で心理学を教えている先生、心の相談を受けていたカウンセラー経験者などがスクールカウンセラーとなる場合が多いです。

その他のカウンセラー

その他にもいろいろな種類のカウンセラー業があります。
離婚カウンセラー、教育カウンセラー、終活カウンセラー、環境カウンセラー、遺伝カウンセラーなど、人が抱えるさまざまな種類の悩みに対応するのがカウンセラーの仕事なのです。
それぞれ民間資格があるものとないものがありますが、資格を持っていると相談者の信頼につながりますので、自分の目指すカウンセラーの資格をしっかり調べてみましょう。

カウンセラーが働く場所

カウンセラーは、どのような場所で働いているのでしょうか。カウンセラーの種類によって、適した勤務場所が異なります。

【心理カウンセラー】
学校、一般企業、医療機関、地方公務員

【臨床心理士】
病院、教育相談機関、学校、児童福祉施設、身体・知的障害施設、女性相談センター、老人福祉施設、大学、企業のメンタルヘルス関連など

【キャリアカウンセラー】
転職エージェント、高校、大学など

【産業カウンセラー】
公共職業安定所、学校、公的機関、民間企業、医療機関など

【スクールカウンセラー】
小学校、中学校、高校、大学、被災地

このように、公的な場所での仕事が多いカウンセラーですが、ほかにもさまざまな場所で活躍しています。カウンセラーとしての自分の特性を生かせる場所を選ぶことで、適したカウンセリングが行えるでしょう。

カウンセラーの収入・年収

カウンセラーとして働く場合に気になるのが収入です。職場や働き方などにより異なりますが、カウンセラーの種類別に年収の相場を見てみましょう。

心理カウンセラー(年収350~460万円)

心理カウンセラーの平均年収はおよそ350~460万円といわれています。

心理カウンセラーとしての活躍の場は幅広く、医療機関・教育機関・司法機関・福祉機関・企業などさまざまです。メンタルクリニックや、福祉カウンセラーや公務員に分類される職業もあります。業種により、年収に差が出ます。

精神科や心療内科、メンタルクリニックなど医療分野で医療カウンセラーとして働く場合は時給制が多く、時給1,000~2,000円前後が相場となっています。

学校のスクールカウンセラーでは、臨床心理士資格を有することが働くための条件として定められていることもあり、時給3,000~5,000円程度が相場です。しかし勤務日数が少ない場合が多いので、年収としては300~400万円ほどと言われています。

臨床心理士(年収200~1,000万円)

臨床心理士の年収は200~1,000万円まで幅広く、一般的な臨床心理士の平均年収は300~500万円ほどといわれています。

病院や保健所など医療・保険、児童相談所などの福祉、学校などの教育、家庭裁判所や少年院などの司法と、幅広く活動できます。

特に常勤として働く場合は勤務時間が長い分年収も上がりやすく、会社の福利厚生も十分に利用できるなど良い面がいろいろとあります。
逆に非常勤で働く場合、勤務時間や日数が少なめで、能力によって時給が1万円ほどに達することがまれにあるものの、やはり安定性には欠けるというのが難点です。
開業した場合は、いくつかの種類の仕事を複合的に請け負う場合が多く、それに伴って収入にも差が出るようです。

スクールカウンセラー(年収200万円前後)

スクールカウンセラーは非常勤職員という形で働くことがほとんどです。そのため、基本的に時給制となっており時給3,000〜5,000円程度が相場となっています。

時給だけを見ると給料のいい職業ですが、非常勤のため、月給にすると15万円に届かない場合もあります。日数は少なければ、週に1日程度ということもあります。

複数の学校に勤務し掛け持ちしている場合には収入が大幅に上がることもあります

キャリアカウンセラー(年収340万円~420万円)

キャリアカウンセラーの平均年収は340~420万円といわれています。
正社員でない場合は時給制の場合が多く、時給1,500〜1,800円程度が相場です。キャリアカウンセラーとしての実力や経験によっても収入に差が出ます

産業カウンセラー(300万円~400万円)

産業カウンセラーは勤務先の企業から毎月固定給与が支払われるのが一般的です。

平均年収は300〜400万円程度といわれています。その企業に勤める他の職種の人と同程度の給与だと考えられます。大企業の人事職などで昇進し、年収1,000万円を超える場合もあるようです

カウンセラーの集客のポイント

ここまでは組織に所属する場合を述べてきましたが、独立開業しているカウンセラーもいます。その場合、いかに自身で集客できるかが重要になります。悩みを抱えている人に、まず自分の存在を知ってもらわなければ何も始まりません。集客のポイントをいくつか見てみましょう。

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得意分野・専門分野での差別化を考える

「どんな方法で集客するか」を考える前に、どんな悩みのジャンルが得意かを考えましょう。集客をするためには、自分の得意分野や専門分野を明確にし、他のカウンセラーとの差別化をする必要があります。

同じ心理カウンセラーでも、教育や医療など、どの分野に強いのかを明確にするだけでも、「自分に合ったカウンセラーかもしれない」と思ってもらえる可能性が上がります。

集客をするときは、自分のやりたい事や自分の考えが強くなり自分目線になることがあります。あくまでもターゲットの目線になることが大切です

明確なターゲットを設定する

分野に加え、どのような人にカウンセリングをしていくのかターゲットを設定しましょう。
不特定多数をターゲットにするのではなく、ピンポイントで的を絞ることが大切です。ターゲットを設定することで、その層に共感されやすく、また伝わりやすくなります。
例えば『お悩みを聞きます』というより、『女性の悩みを聞きます』と言ったほうが、対象がすべての人から女性というターゲットに絞られ、結果的に悩みを持った女性に響きやすくなります。
自分の強みをもとに、年齢や性別・職業などから考え、特定の悩みを持つ人に絞りましょう。

ターゲットに合わせた具体的な集客方法を確立する

ターゲットを設定したら、そのターゲットが何を望んでいるのかを考えます。
集客方法はたくさんあればいいわけではなく、1~3つに絞るのがよいでしょう。

例えば、情報量が圧倒的に多いのはホームページです。情報量が多くなれば、ターゲットの目に触れる内容が多くなり、興味や関心を持ってもらいやすくなります。パソコンやネットに強い人なら、ほとんどお金をかけず自分で作成することも可能です。

主婦層にアピールしたい場合は、チラシが効果的です。こどもの不登校や引きこもりについて悩みがある人などをターゲットにするなら、チラシは関心を持たれやすいといわれています。
また、セミナーの開催も代表的な集客方法の一つです。開催する場合には、決定後なるべく早く告知をしておきましょう。ホームページやメルマガなどを使い、数回告知することで印象に残り興味を持たれやすくなります。カウンセラーとして活動していても、相談してくれる人がいなければ活躍できません。ターゲットを絞り、ターゲットに合わせた集客方法を確立することで集客率アップにつなげましょう。

相談者としては、どんなカウンセラーなのか、どんなサービスがあるのか、利用者の体験談なども気になるところです。このような情報を発信することは、集客する上でも重要です

カウンセラーの集客方法

ここから、具体的な集客方法を説明します。

ホームページ

ホームページは多くの情報をたくさんの人に見てもらえます。しかし、ただ作るだけでは見てもらうことができないので、ホームページに集客をするための仕組みが必要です。

お金をかけて集客する方法として、GoogleやFacebookなどに広告を掲載することができます。しかし立ち上げたばかりであまりお金をかけられないという場合は、自身のInstagramやTwitterなどでファンを集めて、そこからホームページを見てもらう方法がオススメです。

またお金がかからない集客方法の代表としてSEOがあります。SEOは、Googleなどの検索エンジンの表示順位を上げて集客をする方法です。

しかし検索エンジンに評価をしてもらうためには時間がかかり、不確実性もあります。

まずは「カウンセラー」などの難しいキーワードを狙わず、「恵比寿付近の女性向け心理カウンセラー」といった難易度の低いキーワードを狙ったページを作り、そのページに自身の紹介や取り組み内容、お客さまの声などを載せてみましょう。

チラシ

開業の際などに効果的です。特に主婦層をターゲットとする場合は、広告に目を通す人が少なくないので有効だといえます。ポスティングや新聞折り込みなどを活用しましょう。

セミナー

カウンセラーとしての知識を生かしてセミナーを開き、悩みの解決策などを提案します。数をこなせば知名度も上がり、集客につながるでしょう。得意分野や専門分野についてアピールしておけば、悩みを抱えている人が相談しやすくなります。

メルマガ

心理講座などの開催告知を行うのに向いています。何回か告知をすることで記憶に残すことができ、関心を持ってもらえるでしょう。ターゲットの囲い込みに向いています。

ブログ

たくさんあるブログの中から読んでもらうには、何のブログなのか一目でわかる工夫が必要です。何を解決してくれるのかわかるブログにすれば、目を引きます。
また、わかりやすいタイトルは集客にもつながります。ターゲットが気になるブログになれば宣伝効果も上がります。全角換算30文字、できれば28文字くらいまでに抑えれば、一目で理解してもらえるのでオススメです。

このようなさまざまな集客方法のなかから、自分のターゲットに合いそうな方法を試しながら、見込み客との接点を増やすことで集客につなげていきましょう。どの方法を選んだ場合も、解決できる悩みのジャンルなどをわかりやすくアピールすることで、良い反応を得やすくなります。

カウンセラーのは悩みを軸に最適な集客ツールの選択を

不景気や労働環境の悪化、多様性の容認など、多くのストレスにさらされる現在の社会では、心に疲れを感じる人が増えています。カウンセラーの仕事の種類が多様なのは、さまざまな理由から心に負担を抱える人たちを助けるためです。

ここまで説明したように、どんな人やどんな悩みを対象にするかによって必要な資格や働く場所、効果的な集客の方法が異なるので、確認し自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

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