コンサルタントとして活動している方の中には「セミナーを開催する」という選択肢をご存知の方は多いのではないでしょうか?集客のため、ブランディングのためなど目的は様々ですが、多くの業種に親和性のある手法で、コンサルタント業の集客手段としては特に有効です。
これまでセミナーを開催した経験がない人にとっては、どのような準備をしたら良いか、具体的な段取りが分からず不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、個人でセミナーを開催するための手順や準備について未経験の方にも分かりやすいように詳しく解説していきます。

セミナーの目的を決める

まずは、気楽に「自分だったら何をコンテンツにしたセミナーができるかな?」と考えてみてください。難しく考えず、自分が自信を持って説明できるコンテンツを考えてみましょう。

次に、そのコンテンツが刺さりそうなターゲット層を考えてみます。
例えば「現役世代の貯蓄に関するセミナー」の場合。働き盛りの30代、40代の心に刺さりそうだな、などと考えます。
そこから、実際にインターネットなどでターゲット年代層のテーマへの関心度や関心を持っている項目を洗い出し、より方向性を絞ってコンテンツ資料の制作を行います。
加えてセミナー後のバックエンド(セミナーをフックにして本当に売りたいもの)販売はどうするか、内容や方法も考えておきます。

セミナー開催までの手順

セミナーで伝えたいコンテンツ内容が決まったら、段取りに合わせて外部との調整に取り掛かりましょう。

計画を立てる(日時・会場・内容など)

セミナーに呼び込む客層を考えて、

・開催日は平日が良いか週末が良いか
・会場はどのくらいの広さが良いか

バックエンドを含んだセミナーの内容を考慮して計画を立てます。
集客対象が現役世代であれば平日夜や休日の方が集まりやすいでしょうし、シニア世代であれば平日でも良いかもしれません。
集客予想人数や必要な機材があるかどうかも含めて、どれくらいの広さや設備が必要になるのか考えます。

会場を押さえる

開催日等を決めたら、その日に空いている会場を予約します。「最小単位の自治体の名前+会議室(「貸しスペース」などでもOK)」で検索して、予定した日に空いている会場を探します。
予定した日に空いている箇所がなければ、開催日をずらすことも検討しましょう。スケジュールをずらす場合、給料日前や忙しくなる月末など、ターゲットが来づらくなる要因をできるだけ排除して、開催日を再設定しましょう。

告知をする

日時と会場が決まったら、ターゲット層に届くように告知を行います。
手軽に発信できるのは自社のWebサイトやブログ、SNSなどですが、それ以外にもチラシやはがき、雑誌の広告枠、FacebookなどSNSの広告など利用できる媒体は色々あります。
外部の告知媒体には無料のもの、お金がかかるものそれぞれあり、広告の効果や訴求範囲も異なります。
具体的な告知手法は本記事の後半と別記事で詳しく取り上げますので、そちらを参考にしてください。

直前準備(会場・備品・リマインドなど)

できれば、予約した会場は前日より前に下見をさせてもらい、実際の広さや出入り口などをご自身の目で確認するようにしてください。必要な機材や備品はどこに置くのが良いか、機材の電源を取るコンセントがどこにあるのかなどを目視して、問題のない配置ができるかどうかチェックします。必要な機材自体も、故障がないかチェックしておきましょう。

そして可能であれば、家族や友人などを対象に実際のコンテンツ教材を使って自宅等で模擬セミナーを行います。調整が必要な点が見つかれば修正しておきましょう。
セミナー参加を登録制にしている場合には、開催日の直前にリマインドメールを送ると当日キャンセルの減少に有効です。

集客を意識した計画を立てる

計画を立てる際には、より集客を意識して日時や時間、場所の決め方に配慮するようにします。

日時・時間の選び方

告知が届き、問い合わせなどの反響が出てくるまでには一定の期間を要します。
規模や内容にもよりますが、告知から開催まで数日など、短期間ではお客さんを十分に呼び込むことは難しいでしょう。

個人セッションや2~3人程度のグループセッションであれば1週間程度でも不可能ではありませんが、できるだけ多くの参加者を募りたいセミナーであれば最低でも1か月以上の告知期間が必要です。また、時間の設定もターゲット層の生活を考えます。休日や夜の時間帯は貸しスペースにかかる経費も上がってしまうため、ターゲット次第ではこうした時間帯を避けるのもポイントです。

場所の決め方

物販であれば基本的には販路を拡大したい地域で開催しますが、コンサルタント業であれば自分のテリトリー内で開催するのが基本です。
まずは自分の事務所がある地域でセミナーを行い、十分な顧客を獲得したら必要に応じて近隣地域に進出するというのが基本的な攻め方になります。

セミナー開催に必要な費用

個人でセミナー開催を考える場合、最初から大規模なものは想定しにくいので、小規模なものから実践していくのが一般的です。できるだけ費用を抑えて経験を積み、効果を出せるようになったら費用をかけて規模を大きくしていくと良いでしょう。
セミナーの内容や規模に依ってかなり違いが出ますが、個人セミナー開催で考えられる費用について見てみましょう。

①会場費用

午前・午後・夜など半日程度、あるいは2時間~3時間などの時間制で、数千円で収まることが多いですが、規模や場所次第では万単位になる場合もあります。

アンケート_セミナーへの集客方法

②広告費用

最初は無料広告だけで進めることもできますが、有料広告を使う場合は費用に差が出ます。
無料で情報を乗せられるネット媒体や地域のフリーペーパーの無料枠などであれば広告費はかかりません。

実際に、マイベストプロに登録している専門家は上記のようなツールを使って集客しています。昨今ではインターネットが主流で、自分のホームページ、SNS、ブログなどが中心となっているようです。
「紙媒体」とされている雑誌や新聞の場合、4cm~5cm四方程度の小さな枠でも数万円程度、大きくなると数十万円かかります。テレビCMも基本的には万単位の高額媒体になります。

③機材やコンテンツ制作の実費

上記の他に必要な機材のレンタル費用やコンテンツ制作の実費としてプリンターのインク代などがかかります。どれだけの費用をかけるかは、セミナーの参加費用やバックエンド商品でどれくらいの利益が見込めるか想定して算定が必要です。
全くの初心者であれば、経験を積む意味で最初はできるだけ費用を掛けずにどれくらいのお客さんを集められるのか試してみるスタンスでもいいと思います。

まとめ

セミナービジネスが最も親和性を発揮するのは各種のコンサルタント業です。
士業だけでなく、起業コンサルタントなど、不要な失敗を回避して成功に導いてくれる存在は市場での需要が高まっています。こうした需要に効果的にアプローチするには、コンサルタント側が自分を商品として上手に売り込む必要があります。

自分は何ができるのか、どんなところに強みがあり、顧客がどんなメリットやベネフィットを得られるのか、効果的、効率的に知ってもらうにはセミナーが非常に効果的です。まだセミナーをしたことがないのであれば、あなたも積極的に開催してコンサルタントとしての成功を掴んでください。