片手仲介を基本に、売主の利益を守る不動産売却の専門家辻貴史

片手仲介を基本に、売主の利益を守る不動産売却の専門家

辻貴史

個別の事情を丁寧にくみ取り、売却の一歩を支える

　「ご希望をそのまま受けるのではなく、背景にある“本当にかなえたいこと”を丁寧にくみ取ることを大切にしています」と話すのは、不動産売却に特化する「JUNXION（ジャンクション）」の代表・辻貴史社長。同社では売主の利益を最優先するため、売主か買主のいずれか一方からのみ仲介手数料を受け取る片手仲介（分かれ）を基本とし、利益相反が起こりにくい仕組みを築いています。

　自宅を売却後も賃貸として住み続けるリースバックを希望した売主に対しては、まず背景や事情を丁寧に確認。そのうえで別の選択肢も提示し、結果としてより納得できる形で売却を成功へ導いた事例もあります。依頼内容をそのまま進めるのではなく、売主の意図や状況を踏まえてより良い売却方法を考える姿勢が特徴です。

　これまで年間1,000件を超える相談が寄せられ、累計取引金額は300億円以上にのぼります。扱う物件は土地・戸建て・マンション・タワーマンション、空き家・空き地、古家付き土地から、ビル・アパート・倉庫・工場まで多岐にわたり、「高く売りたい」「早く売りたい」といった異なるニーズにも柔軟に応えます。
　また横浜市全域に加え、首都圏全域の物件を扱ってきた経験から、エリアごとの相場観を外さない査定を得意とし、さらに売却の過程で起こりうるリスクを事前に把握し、トラブルを避ける対策を講じることで、売主が安心して任せられる体制を整えています。

　こうした取り組みから、「他社で売れなかった」「遠方に住んでいて現地に行けない」などの相談にも対応し、成約に至ったケースも多数。個々の事情に応じた売却戦略を立てられる点が強みとなっています。

相続や空き家の売却で迷わないよう、正しい判断を支える情報と提案を

　相続や生前整理、そして空き家になった実家の売却。不動産を手放す場面は人生の節目に訪れることが多く、誰にでも起こる身近な出来事でありながら、何度も経験するものではありません。加えて、制度や専門用語が多く、どこから情報を集めればよいか分からないという声も少なくありません。
　「大きなお金が動く局面で、後悔しないためにはどうすればいいのか」。多くの売主が抱える不安の根底には、こうした知識の少なさが横たわっています。

　数多くの現場を見てきた辻社長は、「売主さんが満足のいく売却にたどり着くにはコツがあります。それは、目的に合った不動産会社と担当者を見極めることです」と話します。

　「売却を目的とする場合は、その分野に強い会社かどうかを見極めること。また、物件があるエリアの市場をどれだけ理解しているかも重要な視点です。そして何より、担当者が必要な知識と経験を持ち、誠実な姿勢で向き合えるかどうか。担当者の判断や段取りによって、売却の進み方は大きく変わってしまいますから」
　一方で、市場には課題もあります。他社からの問い合わせを断り、自社だけで買主を見つけようとする囲い込みや、説明不足といった問題が一部で起きる背景には、仕組みの複雑さに加え、会社の方針や担当者の意識も影響している——。大手不動産会社で勤務した経験から、そう感じてきたといいます。

　「売主さんに必要な情報をまっすぐに伝える会社でありたい」。そう考えた辻社長は、2019年に独立し「売却専門の不動産会社JUNXION」を立ち上げました。

安心して相談できる仕組みと丁寧な可視化で、初めての売却判断を支える

　「物件には一つとして同じ条件のものはなく、売れるポイントもそれぞれ異なります。正確で詳細な情報に加え、一般の売主さんが気づきにくいメリットも見つけ出して可視化します」と辻社長。こうして整理された売却資料は、物件の魅力をわかりやすく伝えるだけでなく、購入を検討する人が判断する際の大切な材料となり、売却の流れを着実に前へ進める役割を果たします。

　相談しやすい環境づくりにも注力し、仲介手数料は売却が完了するまで発生しない仕組みを採用。売却に踏み出す際の不安を少しでも軽くできるよう、最初の一歩のハードルを下げています。また、電話での受け答えや説明の言葉選びにも分かりやすいよう細やかに気を配ります。

　辻社長が何より大切にしているのは、「売主が納得して決断できるように、判断を支えること」。売主の状況や気持ちをていねいに受け止め、その都度適した道筋を一緒に考えていく姿勢こそが、「JUNXIONらしさ」をつくっています。
　その誠実な向き合い方から、顧客から「不動産会社らしくなくて話しやすい」と言われることもあるのだとか。辻社長はそれを「ありがたい言葉」と受け止めています。業界に根強く残る、ネガティブなイメージを変えたいという思いがその根底にあります。

　「不動産のことならまず相談してみよう」と思える安心感を、もっと身近に。辻社長の取り組みは、これからも多くの売主の心を支えていきます。

（取材年月：2025年11月）

売主の判断を支え、不動産売却の専門家として納得の売却へ導く

個別の事情を丁寧にくみ取り、売却の一歩を支える

相続や空き家の売却で迷わないよう、正しい判断を支える情報と提案を

安心して相談できる仕組みと丁寧な可視化で、初めての売却判断を支える

専門家プロフィール

Other Interview