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身体を整え、自分らしく音楽や人生を楽しめる「大人のためのサックス教室」を展開

大人を対象に身体の使い方にも着目して指導するサックス講師

野中裕子

野中裕子 のなかひろこ
野中裕子 のなかひろこ

#chapter1

自分の音が奏でられるように、身体の使い方とサックスの演奏方法の両方をマンツーマンでレッスン

 「ずっと憧れていたサクソフォン(サックス)を習いたい」「大好きな曲を吹けるようになりたい」「若い頃のように音を響かせたい」といった声に応えるのは、大人のためのサックス教室「Enjoy Saxophone」を主宰する野中裕子さん。

 「サックスを通じて人生を楽しく過ごしましょう」をコンセプトに、東京都町田市、神奈川県相模原市、横浜市のスタジオでマンツーマンレッスンを開催。教室に集う生徒の約6割が40代以上で、自分のペースで取り組んでいます。

 「年齢を重ねると、頭では分かっているのに指が動かないなど、若い時とは違う体の変化を感じますよね。皆さんが長きにわたりプレイできるように、当方では身体の使い方からレクチャーしています」

 加齢によるものだから仕方ないとあきらめる人も多いですが、正しく身体を使うと音色が変わってくると提言。例えば、肩や腕、身体に力が入っていると音が響かなくなり、指もスムーズに動きにくくなります。

 「力んでいる時は、一度サックスを置いて体の余分な力を抜くワークを行います。数分ですが、これだけで自然に演奏できるようになることを実感していただけます。音を並べるように吹いていた方が、自分らしい音を奏でられるようになるんです」

 身体を整えることでパフォーマンスアップを図るとともに、毎日を生き生きと過ごしてほしいと語る野中さん。未経験から数十年の方まで個々の習熟度に合わせて細やかにサポートしています。

 「私自身、過去にできなかったことが多いので、どうすれば上手に演奏できるかをずっと考えてきました。自ら実践してきたので、分わかりやすい指導につながっていると思います」

#chapter2

身体を壊した経験から身体の使い方を見直し、音が変わることを実感

 3歳からピアノ、13歳からサックスを始めた野中さん。音楽専門学校でサックスを専攻し、ソロ、アンサンブルで活動していました。出産を機に育児に専念し、しばらくして楽器を手にしたところ思うように吹くことができませんでした。

 「よくあるブランクだと気にとめず、そのまま何となく演奏を続けていましたが、ある朝起きた時に足の裏に痛みが走り、さらには首にも痛みが生じて横を向けなくなりました。おむつ替えや抱っこで背中を丸め、猫背などが原因だったようです」

 演奏家に向けて身体の使い方を教えるセッションに参加したり、日常生活でも正しい姿勢を意識したりした結果、少しずつ痛みが改善していきました。
 「奏者は身体が資本なので、メンテナンスの大切さは分かっていました。生活に支障が出るほどコンディションが悪化したことが、身体の使い方を根本から見直すきっかけになりましたね」

 野中さんは、身体が変わると音が変わると身をもって体験。若い指導者が増える中で、年を重ねてこそ理解し、伝えられることがあると考えるようになります。

 「ある70代の方が『1年もレッスンしているのに基本音階しか吹かせてもらえない。いつになったら曲を吹けるのか』と嘆くのを耳にしました。ドレミといった音階をしっかり吹けるようになってから、楽曲を練習するのは間違いではありませんが、1年という時間は貴重です。出せる音だけで演奏できる曲もあり、生徒さんの気持ちに寄り添える講師が必要だと感じました」

野中裕子 のなかひろこ

#chapter3

生徒同士がコミュニケーションを深め、セッションする交流会も開催

 体幹・姿勢コーディネーター、コアコンディショニングトレーナーといった資格を取得し、身体の使い方を学んだ野中さん。教室名を「大人のため」と明記するようになり、初年度は3人だった生徒が今では30人を超えています。

 「皆さんに身も心も前向きになってもらうことが目標です。体軸を安定させると姿勢が良くなり、身体のバランスが取れて疲れにくくなります。正しく身体を使って、いくつになっても演奏を楽しみ自分のやりたいことができる健康を手に入れましょう」

 教室では年に1回、秋に発表会を開催。生徒同士でコミュニケーションを図りたいという声を受け、春に交流会(ミニ発表会)も実施するようになりました。

 「生徒さんから『こんなことをしたい』とリクエストが出てくるんです。例えば、普段はソロ演奏なので合奏をしてみたいと要望があり、交流会で全員合奏をしました。初心者からベテランまで一堂に会し、音の厚みを楽しんでもらいました」

 アットホームな雰囲気で、和気あいあいと仲が良いのが特長で今後は合宿も実現したいとか。

 「生徒さん達は釣りやマージャンなど、レッスン以外にも意外な共通点があるようで、楽しみを共有して、さらに親睦を深めてもらえればうれしいです」と笑顔を見せる野中さん。生徒から「世界が広がった」と喜んでもらえるのが、やりがいだと話します。

 「サックスは人の声に一番近い管楽器と言われています。包み込むように優しく、時に力強く、切なく、情感を描き出せるのが魅力です。自分らしい表現力で、人生を豊かに彩ってほしいですね」

(取材年月:2024年10月)

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野中裕子

大人を対象に身体の使い方にも着目して指導するサックス講師

野中裕子プロ

サックス講師

Enjoy Saxophone

大人を対象にサックスを指導。個々に合った身体の使い方をアドバイスし、その人らしい自然な演奏を導きます。姿勢が良くなることは健康的な生活にもつながります。練習を通じて人生を楽しんでもらいたいと思います。

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