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カーユーザーの「乗り続けたい」を実現するため、自動車部品を迅速に届ける

「乗り続けたい」の期待に応える自動車部品のプロ

阿部憲

阿部憲 あべけん
阿部憲 あべけん

#chapter1

整備現場のニーズに応じて部品を供給し、古い型式の車でも対応可能

 「趣味、仕事、生活とさまざまな場面で利用される自動車。その部品を速やかにお客さまへ届けることで、『愛車に乗り続けたい』というカーユーザーの希望に尽くしてまいります」

 こう話すのは、盛岡、宮古市など岩手県内5カ所に営業拠点を展開する「盛岡自動車部品」代表の阿部憲さん。豊富な在庫を保有し、整備業者や鈑金店、カーディーラーや中古車販売店に部品を卸しています。

 「ユーザーや整備現場のニーズに応じて供給しており、例えばコストを抑えたいお客さまには部品メーカーが独自ブランドとして製造する優良部品をお勧めします。自動車メーカーの規格による純正部品が生産終了している場合でも、廃車から取り外したり再度組み立て直したりしたリサイクルパーツを活用できるように準備しています」

 手頃な価格や廃番も柔軟にフォローするのは、経験豊富なスタッフたちです。
 「昭和年式の車であっても、蓄積されたノウハウで部品を探し出し、時には古いカタログを引っ張り出すこともあります。旧車でも部品を交換して延命できる可能性がありますので、廃車を検討する前に一度ご相談ください」

 近年、働き方改革が進み、トラックドライバーや生産現場における残業時間の削減が推進されています。部品の発注から納品までのリードタイムは延びる傾向にありますが、阿部さんは「迅速な供給にこだわりたい」と力を込めます。

 「営業拠点間で在庫を融通するなど、工夫を重ねることで少しでも早くお客さまの元に納めます。整備する皆さまの手を止めないようにするのが私どもの使命です」

#chapter2

排ガス浄化装置や電子診断機など、時代の要請に合った部品も充実

 学生時代から車が好きだったという阿部さんは、大学卒業後に自動車部品の商社に就職し、26年にわたり勤務。盛岡営業所長を務めていた当時、取引先だった盛岡自動車部品の先代社長から事業承継を打診されました。

 「先代の身内には後継者がおらず、出入りの業者で適任者を探していたようです。正直迷いましたが、盛岡という土地をとても気に入っていたのでお誘いを受けることを決意しました。2020年に入社して先代のもとで勉強し、2022年に社長に就任しました」

 国内外の部品や自動車用品、整備用の工具など幅広く扱う一方で、環境保護など時代の要請にマッチした商品に力を入れていると言います。
 「ディーゼルエンジンのトラックなどに搭載するDPF(排ガス浄化装置)もその一つ。排ガス規制が厳しくなる中で、物流を止めないよう品ぞろえを充実させています」

 自動車の電子制御化が進む中、装置が正常に作動しているかを確認する「スキャンツール」などの電子診断機も充実。高価なことから貸し出しにも応じ、顧客からは「自社の機械では見えなかった部分まで点検できた」と好評だとか。

 「今後は足回りの部品を強化したいと考えています。SUV(スポーツタイプ多目的車)の普及でタイヤは大型化の傾向にあり、既存のチェンジャーでは対応できないケースが増えています。また、EV(電気自動車)シフトが加速してもタイヤはなくなることがありません。ゆくゆくは私どもで組み替え作業ができるようになりたいと思っています」

阿部憲 あべけん

#chapter3

MaaS、CASEなどに対応した組織づくりで、地域の移動手段の安全を支える

 道路状況を取得してルートを案内するなどインターネットに接続するICT機能を備えたコネクテッドカーの普及や、カーシェアリング・ライドシェアリングの拡大による自動車の共有化、自動運転や電動化など、一連の革新領域は今、CASE(ケース)として注目されています。

 さらに、複数の交通手段を効率的に組み合わせ、予約や決済も一括で行う「MaaS」の社会実装が現実味を帯びるなど、自動車業界はまさに大変革期を迎えています。阿部さんも、車の使い方や概念が大きく変わる可能性があると指摘します。

 「人口減少により公共インフラに省力化が求められ、自動車の電動化、自動化が進めば、乗り物というより機械としての側面が強くなり、点検や予防整備の必要性がより一層増します。部品を扱う私たちの責任も必然的に大きくなりますから、新しいサービスやビジネスに対応できるよう、業態を整える必要が出てくるかもしれません」

 未来を見据え、阿部さんは経営理念を策定。社会性、科学性、人間性それぞれでパーパス(存在意義)を明確にし、現有の知識をさらに高めることで移動手段の安全を部品によって支える“縁の下の力持ち”であり続けたいとしています。

 「ビジョンを実現するためには、まずは社員が『この会社で働いてよかった』と思える組織づくりに取り組んでいきたいと考えています。近い将来訪れるであろう劇的な変化に順応しながら、地域のモビリティーを支え続けることで人口減少を食い止める存在になりたいです」

(取材年月:2025年1月)

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阿部憲

「乗り続けたい」の期待に応える自動車部品のプロ

阿部憲プロ

自動車部品販売

有限会社盛岡自動車部品

純正、優良部品からリサイクルパーツまで、ユーザーや整備現場のニーズに応じて部品を供給。整備の作業を止めないよう、リードタイムの短縮にこだわり続けます。電子診断機などの工具も充実しています。

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