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飼い主とペットの暮らしに細やかに寄り添い、穏やかで健やかな毎日をサポート

動物病院と飼い主をつなぐ訪問ペット看護のプロ

野村真弓

野村真弓 のむらまゆみ
野村真弓 のむらまゆみ

#chapter1

国家資格を持つ愛玩動物看護師が、ペットの訪問看護・介護・ケアを提供

 獣医療技術の向上や室内飼育の普及などで、ペットが長生きできるようになりました。犬の平均寿命は2010年では約13.9歳、2024年には14.9歳に(ペットフード協会調査)。猫も平均寿命が15歳を超えたという報告があり、長寿化が進行しています。

 「ペットも年を重ねると、体力が衰えてできないことが増えたり、不調に陥ったりします。ご家族と末永く暮らせるように私どもがお手伝いします」と話すのは、広島県廿日市市の「ペットケアステーション YOI」の代表・野村真弓さん。自身を含め、国家資格の愛玩動物看護師を保有するスタッフが自宅へ赴き、ペットの看護・介護・ケアを行っています。

 「散歩やトリミングなど日々のお世話から、投薬、食事や排泄の介助、通院代行、しつけや栄養指導まで、幅広く承ります。カウンセリングで、ワンちゃんやネコちゃんのコンディションとご要望を伺い、プランをご提案します」

 野村さんらは、採血や注射、マイクロチップの挿入など、有資格者だけに許される独占業務を遂行する専門性を習得。訪問看護は愛玩動物看護師法に基づき、かかりつけの獣医師が発行する「訪問看護指示書」に従って実施。獣医師との情報共有を欠かさず、チームでペットの健康を管理します。

 「公式LINEで予約や相談を受け付け、薬の飲ませ方など、気になる点をオンラインでアドバイスしています。獣医師の指示のもと、ご自身でケアされる場合は手技などを手ほどきし、動画も用意しています。病院と飼い主さまの“間”に立ち、ご家族が安心して日常を送れるよう細やかにフォローするのが、私たちの役目です」

#chapter2

飼い主とペットを身近で支える存在を目指し、動物病院勤務を経て独立

 幼い頃から動物が大好きだった野村さん。2014年に動物病院へ就職し、動物看護師として診療補助や入院中の養生、手術の準備、飼い主への説明などを担当。8年間にわたり、数多くの家族と向き合う中で芽生えたのは「動物をケアすることは、飼い主さまを労わることでもある」という思いでした。

 「飼い主さま自身も高齢で通院が難しい方、大型犬の介護に苦労している方、毎日の世話に追われて疲れ切っている方、しつけに悩む方など。治療よりも『病院に通い続けること』や『家でケアを続けること』のほうが負担になっているケースも多く、解決すべき課題だと感じました」

 「飼い主さまやペットを、病院の“外”から支えるサービスがあってもいいのでは」と考えるようになった頃、勤務先の動物病院が閉院。時を同じくして、長年民間資格だった動物看護師が国家資格「愛玩動物看護師」として法制化。専門職としての地位と責任が明確になったことも追い風となり、野村さんは独立を決意。2023年に資格を取得し、「ペットケアステーション YOI」を設立しました。

 「知識だけでも、経験だけでもカバーできないことがあり、国家資格を取る際に得た医学的知見と、病院で年齢や体調に応じて積み重ねてきた実践は、包括的な現場力として生きています。子犬や子猫のしつけから、シャンプーやカットといった衛生管理、病気や高齢期の看護・介護、終末期のケアまで、動物の一生に関わるすべての段階をサポートできるのが強みです」

野村真弓 のむらまゆみ

#chapter3

いつか訪れる別れのときまで笑顔で過ごし、悔いなく送り出すために伴走

 「介護が大変で、愛犬や愛猫と過ごす最期の時間がつらい記憶になってしまうことがあります。言葉を持たないペットも、大好きなご主人さまの悲しい顔を眺め、沈んだ声を聞き、心を痛めていることでしょう。私どもが力になりますので、抱え込まずにご相談ください」

 飼い主とペット、双方の心情に思いをはせ、虹の橋を渡るまで穏やかに、健やかに過ごせるように良き理解者として伴走していきたいと語る野村さん。広島県全域を迅速に訪問できるよう、今後は愛玩動物看護師らと連携を図り、支援体制を強化することも構想しています。

 「長時間の見守りや預かりに対応できる拠点づくりも視野に入れています。志を同じくする仲間と一緒に、多くの飼い主さまとペットを癒やす仕組みを形にしていきたいですね」

 また、正しい情報を伝えることも、野村さんが重視する使命の一つ。飼い主にとって頼れる“最初の窓口”でありたいと考えています。

 「インターネットなどに流れる動物の健康や介護に関する情報が、すべて正解とは限りません。困ったときや不安なときは、どうか気軽にお問い合わせください。当方でケアするほか、必要に応じて動物病院やトリマー、トレーナーなど信頼できる専門家につなぐこともできます」

 限りある命。別れは必ず訪れるけれど、出会えた縁と共に生きる喜びを大切に、笑顔で思い出を紡ぎ、悔いなくその時を迎えられるように。野村さんは幸せ多き日をかなえるため、家族が待つ家を訪ね、暮らしに寄り添っています。

・事業所の名称:ペットケアステーション YOI
・事業所の所在地:廿日市市宮島口東1-11-13
・登録に係る第一種動物取扱業の種別:保管 (飼養施設無)
・登録番号:第 232012 号
・登録の年月日:令和 5年6月 26 日
・有効期間の末日:令和 10年 6月 30日
・動物取扱責任者の氏名:野村真弓

(取材年月:2025年9月)

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野村真弓

動物病院と飼い主をつなぐ訪問ペット看護のプロ

野村真弓プロ

愛玩動物看護師

ペットケアステーション YOI

8年間の病院勤務経験を持つ愛玩動物看護師として、在宅でのペット看護・介護を行います。動物病院との連携体制のもと、看護から高齢期の介護、終末期ケア、しつけ・日常ケアまで、ペットと飼い主の安心を支えます。

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