人間に害を与えないように境界を設定し、生物と棲み分ける空間づくりをサポート

住宅や施設で悩めるネズミ・シロアリ・害虫防除のプロ

鎌田広思

#chapter1

ネズミやシロアリ、ハチ、トコジラミなどのあらゆる生物被害に幅広く対応

　「害虫が発生するのは原因があります。原因を取り除かない限り、薬剤を施しても再発する恐れがあります。弊社は駆除だけではなく、発生そのものを抑える『防除』にこだわっています」

　そう語るのは、岡山市で1976年に創業した「アサヒ化工」で事業本部を統括する鎌田広思さん。害虫防除のエキスパートとして、ネズミやシロアリはもちろん、マダニ、トコジラミからイタチやコウモリ、さらにカビや獣臭などあらゆる生物被害に対応でき、年間約500の現場をこなしています。また岡山県から広島県東部にもエリアを拡大し、福山市と尾道市、三原市などのエリアに対応しています。
　「弊社はシロアリの防除からスタートし、生物被害に悩む方々のお役に立ちたい一心で防除対象を広げてきました。地域ナンバーワンの対応力があると自負しています」

　飲食店や商業施設、ホテル、学校、医療福祉施設といった事業所から、集合住宅や戸建てまで幅広く対応。有害生物の活動を、人の生活に支障をきたさないレベルに制御する「ペストコントロール」にたけた技術者が現場に応じた手だてを講じ、快適な生活環境を守ります。

　近頃はヒアリやセアカゴケグモなどの外来生物による被害や、カメムシやヤスデの異常発生など、今まで経験の無い事が度々起きています。社内でわからない事は大学や薬剤メーカーの研究者や業界の仲間の知恵を借りています。
　「『不可能を可能に、一寸の虫にも五分の魂』をモットーに精進しています」

#chapter2

生物との知恵比べ。現場ごとに状況が異なるため根気強く解決策を探る

　これまで数々の現場に赴いてきた鎌田さん。本能で動く虫に対し、ネズミは知能で動くため行動パターンを読みにくいのが難儀だとか。

　「ネズミが出没する『原因』が必ずあります。あるお宅では、キッチンの下に小さい穴を見つけふさぎましたが、再発してしまいました。さらに調査をしたところ、元々あったガス管の穴の痕にリフォームでパネルを貼った場所を発見し、出入りする道を封じたところ、今度は戻れなくなったネズミが家の中を走り回り、やっとの思いで捕らえることができました」

　まさに生物との知恵比べ。予測をして対策と、試行錯誤の連続です。

　「ネズミや害虫は人目が届きにくい場所で活動しますから、お客さまが気づいた時点ではかなり被害が拡大しており、駆除するのは簡単ではありません。現場をこなす事で経験値は蓄積しますが、毎回状況が違うので地道に解決策を探ります」

　宿泊施設からトコジラミの駆除を依頼された際は、ベッドやマットレスなどすみ着いていそうな場所を調べ尽くしていたケースでした。
　「思わぬところに隠れているので、先入観を持たずに探すしかありません。虫眼鏡を使い全ての備品をチェックしたところ、部屋に置かれたスリッパの縫い目や、消臭用の備長炭の割れ目に潜んでいました。見つけた時は『ここにいたか！』と声が上がりましたね」

　トコジラミが発生した部屋は宿泊に使えず、従業員も入ることもできなかったので、無事に駆除したことで感謝されました。地味で根気強い作業が必要ですが、やり遂げた時の達成感はひとしおだと言います。

#chapter3

幼い頃から野山に親しみ、生物に対する知見をもとに適切な対処方法を提示

　害虫防除は業者によって処理方法などが異なるのが現状。インターネットで委託先を検索するのが主流になる中、情報を比較し、状況にあった選択をしてほしいと呼び掛けます。

　「日々心掛けているのは『できること・できないことを、丁寧でわかりやすく説明する』ことです。その姿勢を顧客が理解してリピートにつながると『信頼してくれた』とうれしく思います」

　世界的に農薬の使用を控える傾向にあり、自然環境に配慮する機運が高まっていることにも目を向けます。
　「私は幼い頃から野山で遊び、昆虫などに対して興味がありました。害虫は多種多様で、マニュアルにしにくい仕事だからこそ、調査時の目の付け所など今まで得たノウハウや知識を社内で継承していきたいですね」

　自然や生物が好きと話す鎌田さん。「害虫は人間が勝手に決めた呼び方で、虫も人間もともに暮らす仲間です。ただ、すみ分けが肝心。人間の生活空間に入ってきてはだめだよと境界を設定してあげる。害を与えるものだけ防除して、それ以外は許容する気持ちも大事なんです」と笑顔を見せます。

（取材年月：2024年7月）

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住宅や施設で悩めるネズミ・シロアリ・害虫防除のプロ

鎌田広思プロ

生物環境管理

アサヒ化工株式会社

都市部で発生するネズミやイタチ、シロアリ、ハチ、ダニ、ノミ、毛虫、ハトといった生物被害に対し、現場環境に応じた対処方法を提案し、対策を施す。行動パターンが読みづらいとされるネズミへの対応実績も豊富。

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