肌にうるおいを与え明るい印象へ導くシルク化粧品のプロ
峰川すみ子
Mybestpro Interview
肌にうるおいを与え明るい印象へ導くシルク化粧品のプロ
峰川すみ子
#chapter1
「そのシミ、なんとかしてよ」。ゴルフキャディーとして日差しの下で働いていた30代の頃、両頰にできた5cm大のシミを娘たちに指摘されたことが人生を変える転機になった「ラヴィドール」の代表・峰川すみ子さん。丹精込めて作り上げたコスメ“絹夢物語”シリーズを展開しています。
「高価なスキンケアを次々と試すうち、美容部員として化粧品の世界に足を踏み入れましたが、現場で扱うのは薬剤や防腐剤を多用した製品ばかり。『本当に肌のためになっているの?』という疑問を拭えませんでした」
もんもんと日々を送る中、養蚕農家だった祖母の白くなめらかな手を思い出し「あの美しさには、きっとシルクの力があるはず」と直感。生物学の知見を持つ知人の堀口氏と、共に繭から肌に有用な成分を取り出す研究が始まります。
「8年に及ぶ試作と検証を経て、化学物質、水さえも使わず、蚕の繭から肌の土台となるアミノ酸成分『シルクオリゴマー®』を抽出する独自製法『ゼロ技術』の開発に成功しました。完成した化粧水やクリームを提供する場として、まずエステティックサロンを開業しました」
うるおいなどに感動した顧客から「家でも使いたい」という声が続出し、ニーズに応えるかたちで個人向けや卸売り販売、テナント出店をスタート。広告に頼らず、肌で実感した人たちの評判で少しずつ広まっていったのです。
「長年、さまざまな年代の方の肌の悩みに応え、自信を持ってすすめられるものができました。自分の肌でも使用感を確かめてきたからこそ、毎日使うものの大切さを、心から実感しているんです」
#chapter2
「“絹夢物語”の最大の特長は、自分たちの畑でとれた天然素材で、赤ちゃんからご高齢の方まで誰でもお使いただけること。当方の桑畑では農薬や除草剤を使用せず、手作業で育てた葉を食べた蚕から繭を採取しています。桑苗の植樹から養蚕、製造、出荷までを自社で一貫管理し、品質を追求しています」
独自製法「ゼロ技術」では、「農薬・薬品・保存料・水・添加物・作り置き」六つのゼロを徹底。防腐剤などを加えなくても腐らない理由は、微生物が分解できないほど極小サイズのアミノ酸がほとんどを占めているから。「飲める化粧水」と言われるほど純粋で、口に入れても問題がないレベルだと説明します。
「70〜1500ダルトンと、微小な粒子から成る『シルクオリゴマー®』の肌なじみの良さついては、2003年から群馬大学工学部との共同研究によって検証されてきました。2004年には日本医科大学でも研究が行われ、酸化や紫外線に対抗したり、保湿したりする機能が確認されており、スキンケア成分として高い評価を得ています」
峰川さんは、アメリカの公的機関により安全性などを評価するFDA(米国食品医薬品局)へ登録。日本では、ほんのわずかにシルク成分が入っていれば「シルク抽出液」と表示できてしまう実態に対し、強い危機感を抱いていました。
「お客さまに信頼してもらうため、あえて厳格な海外基準をクリアすることを選択しました。安全性の裏付けを得ることで、肌に悩むすべての人が手に取れる製品にしたかったのです」
#chapter3
娘たちの声に背中を押され、祖母のつややかな手にヒントをもらった峰川さん。「きれいになりたい」という願いをかなえたい一心で、国産の繭を用いた化粧品を誕生させました。
「世界文化遺産に登録され、国宝にも指定された富岡製糸場に代表されるように、群馬県はかつて“シルク王国”と呼ばれた蚕糸の名産地です。絹産業の歴史を未来につなぐべく、地域の子どもたちに向けて学習の機会も用意しています」
自社の畑で、桑刈りやエサやりの養蚕体験と、繭を使った草履づくりなどを実施。命の営みや、自然がもたらす恵みを伝える教育活動にも力を注いでいます。
「桑畑は群馬の原風景ですが、養蚕農家さんは減る一方です。繭は、蚕を外界から守り、快適性を保つための機能を備えています。人にも環境にも優しい素材として価値を伝え、地元の産業を維持・発展させていきたいと思っています」
今も畑に出て雑草を抜き、収穫作業に汗を流す峰川さん。「うそのないものを、必要としている人に届けたい」という信念のもと、シルクを軸にした地域循環型の仕組みづくりを目指しています。
「もっと広く展開しないの?」「海外進出は?」などと問われることもありますが、峰川さんの答えは明快です。
「まずは足元をしっかり固めたい。一人一人の肌に、本当に寄り添える製品をつくりたいんです」。効率ではなく誠実さを、流行ではなく本質を。群馬から生まれるシルク化粧品には、変わらぬ思いが込められています。「ただ、できれば世界中の肌トラブルを抱えている方に届けたい、というのも大きな夢です」
(取材年月:2025年6月)
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Profile
肌にうるおいを与え明るい印象へ導くシルク化粧品のプロ
峰川すみ子プロ
化粧品開発・製造・販売
株式会社ラヴィドール
薬剤・保存料・水を使わない「ゼロ技術」で蚕の繭から抽出したアミノ酸成分100%のシルクオリゴマー®を製品化。自社の農薬不使用の桑畑で蚕を育て養蚕から製造まで一貫管理。全世代が使えるコスメです。
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