屋根から人々の暮らしを支える屋根リフォームのプロ石川好男

屋根から人々の暮らしを支える屋根リフォームのプロ

石川好男

ドローンによる調査や雨漏りへの対処、災害に備えたプロテクト工法を実施

　日々、風雨や紫外線に耐える屋根を健全に保つことは、住まいの寿命を延ばす上で欠かせない要素です。群馬県太田市に拠点を置く「石川瓦工業」の代表・石川好男さんは、屋根のプロフェッショナルとして、割れ、浮きといった瓦の修繕をはじめ、新築、リフォームなどを請け負っています。

　「屋根材は和洋の瓦以外に、セメントを用いたスレートや金属製のガルバリウムなど多様な製品を扱っています。素材によって長所・短所があり価格も異なりますので、お客さまにご理解、ご納得いただけるように、素材の特徴から工事内容まで分かりやすく説明しています。事業所の屋外には駐車スペースを用意し、実物モデルを展示していますので、実際にご覧いただいた上で選んでもらえます」

　雨どいの修理や、建物に大きなダメージを与える雨漏りにも対処。現地調査で雨水の浸入箇所を突き止め処置を施します。

　「昨今は台風や豪雨、地震が増えています。当方では災害に備えて、瓦が飛んだり、落ちたりしないよう独自のプロテクト工法も手掛けています。耐風性や耐震性など地域の気候風土に適した強度を考慮しながら、コストパフォーマンスの良い屋根材や施工方法をご提案します」

　屋根は目視で確認しづらいためドローンによる撮影も行い、色あせや破損など劣化状況を顧客と一緒に確認。希望があれば画像や動画を提供しています。

　「新築や葺き替えにおいては10年の雨漏り保証を用意し、お引き渡し後に雨漏りが起きた際は無償で補修いたします。また太陽工パネルの設置も承りますので、屋根に関することは当方にお任せください」

半世紀以上の歴史で生産が終了した希少な瓦も保有し、新旧の屋根に対応

　「石川瓦工業」は石川さんの父が1968年に創業。瓦の三大産地の一つ愛知県で製造に従事していた両親が腕を買われ、埼玉県の事業者に勤務。その後起業し、群馬県に営業所を構えました。自身も高校卒業後は製造会社で修行し、瓦に関する知識を深め、技術を磨いてきました。

　「当社は窯元としてスタートし、父からは1986年に会社を引き継ぎ、長らく販売をメインに行っていました。当時は和瓦が主流で、洋瓦を扱える職人が少なかったこともあり、『うちでお手伝いしますよ』と施工を始めました」

　半世紀を超える歴史を持ち、現在は生産されていない希少性が高い瓦も在庫を保有。軽量なもの、退色しにくいタイプなど、機能性や意匠性に優れた先進的な屋根材まで幅広い品をそろえ、築年数を経た趣のある邸宅から現代的なスタイリッシュな住まいまで外観を彩ります。

　「古い建物で、かつては高くてなかなか使えなかった屋根材が載っているとき、うまく加工したりメーカーさんと一緒になって復元したりするのが面白いですね」と石川さん。

　浮き沈みが激しい昨今。瓦業界で長く事業を営んでいるのは、時代を先読みできたことが大きいと語ります。

　「資材が多様化するに伴い各メーカーの製品を取り扱い、施工まで一貫して対応する業態に転換したのが功を奏しました。以前はほぼ下請けだったのですが、今では施主から直接ご依頼いただくケースが増えました。過去に工事したお客さまからの紹介も多く、うれしい限りです」

職人を正社員として雇用し、責任をもって仕上げることで施工品質を向上

　2代目として会社を率いる石川さん。自社の強みは、職人全員を正社員として雇っている点だと言います。

　「外注に頼らず、熟練の社員が責任をもって担当することで施工品質を高めています。組織の一員として職務に打ち込める環境を整えていることが、丁寧な仕事につながっていると自負しています」

　また業界を支える一助として、屋根づくりのノウハウを伝える動画コンテンツの開発にも取り組んでいます。

　「屋根材の種類やそれぞれの性能、工事の仕方について解説し、住宅建築関連の営業さんらをサポートできたらと考えています。QRコードを作り、スマートフォンなどで手軽に読み取れるようにすることも構想しており、マニュアルなどに記載してもらえたら便利ですよね」

　事業については一緒に働く2人の息子に託す予定で、バトンタッチできるように準備を進めているそうです。

　「後継者不足などを背景に窯元が減っています。作り手だけでなく、現場で仕上げる職人も少ない現状に危機感を抱いています。瓦業界は下請けが多く賃金が少ないことが、担い手が増えない原因ではないかと感じています」

　卸売りから施工・リフォームへと業容を拡充し、3代目を育てる石川さんは、業界の発展に寄与したいと力を込めます。

　「今後は技能を備えた人材がますます重宝されるでしょう。若い世代に興味を持ってもらうためにも雇用体制により生活や将来への安心感につなげてスキルアップを図り、満足度の高い仕事を提供していきたいと思います」

（取材年月：2024年12月）

屋根のプロフェッショナルとして瓦の修繕や新築・リフォームを手掛け、住まいを守る

ドローンによる調査や雨漏りへの対処、災害に備えたプロテクト工法を実施

半世紀以上の歴史で生産が終了した希少な瓦も保有し、新旧の屋根に対応

職人を正社員として雇用し、責任をもって仕上げることで施工品質を向上

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