PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

離婚など男女間の契約ごとに関する書類を作成し、今後の生活を再構築できるようお手伝い

男女間のトラブルを解決へと導く書類作成のプロ

荒木征二

「男女間のトラブルは、離婚協議書など、書類で解決できることも多いんです」
依頼者のペースに合わせた対応を心掛けています

#chapter1

生活を安定させるためにも離婚協議書に養育費の取り決めを盛り込み、公正証書に

 離婚は、わが子と自分自身の人生に大きく関わるだけに慎重に進めたいもの。しかし、夫婦間で子どもの養育費について決まりごとがないまま、離婚に至るケースも少なくありません。厚生労働省が発表した「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」では、養育費の取り決めをしていない母子世帯が全体の約5割、父子世帯が約7割を占めました。

 「『相手と関わりたくない』『支払う意思がない』など、理由はさまざまですが、親権を失っても、子どもに対する扶養義務は続きます。契約ごととして履行してもらうためにも、養育費の金額と支払期間、支払日、振込先などを決めて離婚協議書に明記しましょう」

 こう呼び掛けるのは、約20年間勤務した高崎市役所を退職し、2022年から「あおみどり行政書士事務所」を開く荒木征二さん。離婚協議書や夫婦間合意書など、男女間で起こるさまざまな問題を解決に導くための書類を作成しています。

 「生活を早く安定させるためにも、離婚協議書の作成は必須。合意内容を明確にすることで、認識の食い違いを防ぎトラブルを回避できます。さらに強制執行を認める条項を盛り込んで公正証書にしておくと、万一、約束が守られなかったとしても、裁判手続きを行わずに相手方の財産を差し押さえることが可能です」

 依頼は30代~40代の女性が多く、これまで対応した案件は50件ほどに上ります。

 「離婚協議書というものがあることさえご存じなく、苦労を強いられている方もいるでしょう。具体的な書類を備えることで、今後の生活に対する不安を取り除くことができると知ってほしいですね」

#chapter2

依頼者の思いをくみ取り、配偶者の立場になって考え、両者が納得できる着地点を見極める

 荒木さんは財産分与や年金分割の取り決めについても、離婚協議書に明記するよう助言します。

 「持ち家を所有しているのであれば、売却して得た代金を夫婦2人で分けるのか、売却しない場合は、誰が住宅ローンを払って誰が住み続けるのか。生命保険やマイカーはどうするのかなどを決める必要があります。まずは財産目録を作ることから始めましょう。婚姻期間中に納付した厚生年金は夫婦の共有財産であるため、扶養家族であっても、年金は分割されます」

 離婚協議書は、「離婚への本気度を示すものでもある」と荒木さん。依頼者の一方的な思いを盛り込むだけでは配偶者の同意は得られず、いつまでも離婚は成立しません。依頼者の思いをくむ一方で、配偶者の立場になって考えることも大切にしています。

 「配偶者が納得し得るギリギリのところを意識しながら、常に着地点を探っています。高額な慰謝料を提示したとしても、配偶者の年収が少なければ、希望通りの慰謝料が支払われることはほぼないでしょう。相手はこれぐらい覚悟しているだろうと思えるところを見極めて、両者の落としどころを見つけていきます」

 夫婦間で合意が得られるまで時間を要することもよくあり、個々の事情をくみ取ります。
 「答えを急がず『少し時間を置きましょう』『進展があったら連絡してください』とお伝えしています。キャンセルや保留にしても構わないというスタンスで、依頼者のペースに合わせた対応を心掛けています」

#chapter3

起業に向けた利用規約や会員規約、プライバシーポリシーなども作成

 荒木さんのもとには起業を志す人も訪れます。その多くが、ヨガやボディーメイクなど、オンラインスクールを主宰する個人事業主です。

 「サービスを使う上でのルールを定めた利用規約や会員規約、個人情報の扱いに関するWEBサイトのプライバシーポリシーなどの作成を請け負っています。時には、AI(人工知能)で仕上げた書類の内容を吟味してほしいと頼まれることもあります」

 荒木さんが公務員から行政書士に転身したのは、まちづくりの活動をする中で、もっと深く地域に関わりたいと思ったことがきっかけでした。市役所の業務以外でも、地域の団体から助成金申請書の書き方についてアドバイスを求められるなど、地域と行政の橋渡しをすることも多かったそうです。

 「行政書士は、事業を始める際の許認可申請書や、相続時の遺産分割協議書など各種書類を作成する専門家で、すでに資格も取っていました。公務員としても官公庁が必要とする書類について熟知しており、自分のスキルで地域の人々の力になりたいと考えたのです」

 開業以来、暮らしの質や生き方に影響するパートナーとの問題に向き合い、一歩を踏み出せるようサポートしてきました。

 「さまざまなケースを見ながら、離婚には心身共に大きな負担が伴うことを実感してきました。乗り越えるためには大きなエネルギーが必要になりますが、実は、書類で解決できることも多いんです。納得いただけるまで、修正は何度も行いますので、身近な相談相手として当方をお役立てください」

(取材年月:2024年5月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

荒木征二

男女間のトラブルを解決へと導く書類作成のプロ

荒木征二プロ

行政書士

あおみどり行政書士事務所

地方自治体の職員として長年勤めた経験から、官公庁に提出する書類の作成について熟知。依頼者の思いを丁寧にヒアリングし、書類を作成しています。書類の文言修正はとことんお付き合いします。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ群馬に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または上毛新聞社が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO