人と組織が続く仕組みをつくるBPO伴走のプロ
鷲谷恭子
Mybestpro Interview
人と組織が続く仕組みをつくるBPO伴走のプロ
鷲谷恭子
#chapter1
「人が足りない」「採用しても、続かない」。こうした悩みを抱える企業は、地方に限らず年々増えています。福島県郡山市に拠点を置くケイリーパートナーズ」 は、2019年の設立以降、単なる業務代行にとどまらない、“続くこと”を前提にしたBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を手がけてきました。
BPOとは、経理や営業事務、データ入力、広報業務など、企業のバックオフィス業務を外部の専門チームが担う仕組みです。特徴的なのは、「業務を預かる」こと自体をゴールにせず、顧客企業が担うべき役割と、外部に任せた方が続く業務を切り分け、その関係性ごと設計している点にあります。
「経理や営業事務に人手を割けず、本来注力すべき業務に集中できていない企業は少なくありません」と話すのは、代表取締役CEOの鷲谷恭子さんです。
同社では、経理・労務・データ管理・広報業務などを中心に、企業ごとに業務内容を丁寧にヒアリングし、オーダーメード型のBPO支援を行っています。特に大切にしているのが、業務を引き受ける前に行う「業務の棚卸し」と「役割の整理」です。実際に現場へ足を運び、業務フローを確認しながら、内製と外注の適正な切り分け、業務の見える化、マニュアル整備までを支援しています。
その結果、属人化が解消され、「急な休職や退職があっても回る組織」へと変わっていく企業も少なくありません。
#chapter2
同社のもう一つの強みは、自社自身が“続けられる働き方”を実践してきた点にあります。社員の多くは、子育てや介護、健康課題と両立しながら働く女性たちです。「1日2時間から働ける」ワークシェア、DXを活用した業務設計、6時間勤務の短時間正社員制度などを導入し、フルタイム勤務でなくても、管理職として活躍できる仕組みを整えてきました。
「働き方を誰かに決められるのではなく、自分で選べるからこそ、続けられる」。そうした実感が、社内で共有されています。
この経験があるからこそ、BPO支援は単なる外注で終わりません。企業に対しても、「どの業務を、どの前提で、誰が担うのか」という“続く構造”をどうつくるかという視点で伴走します。業務設計と働き方設計を切り離さずに考える姿勢が、支援全体を貫いています。
#chapter3
企業支援を続ける中で、多く耳にしてきたのが、採用に関する悩み。「採っても、すぐ辞めてしまう」「また一からやり直しになるのが怖い」、そうした声に向き合う中で、鷲谷さんはある共通点に気づいたといいます。
「多くの企業で、“続く前提”で仕事や働き方が設計されていないのです」
人が続くかどうかを、個人の覚悟や努力に委ねてしまっている限り、採用を繰り返しても同じことが起きてしまいます。この課題意識から生まれたのが、新事業「つづくしごとラボ」です。
つづくしごとラボでは、求人を出す前に、「この会社で続く条件」を先に設計します。業務の切り方、チームでの支え方、フルタイム以外の選択肢も含め、企業と一緒に「無理のない形」を言語化していきます。
そのため、「人を増やしたいが、今の働き方のままでは続かない」と感じている企業に向いている一方、即戦力を大量に採用したい、短期離職はやむを得ないと考える企業には向いていません。
紹介して終わりではなく、就業後も定期的なフォローや対話を重ね、人と企業の関係が“続いていく”ことをゴールとしている点も特徴です。こうした取り組みは、福島県白河市など、自治体との協働事業としても実装されてきました。
人口減少や人材流出が進む中、地方にとって雇用のあり方は待ったなしのテーマ。「働き方は、その地域を選ぶ強い理由になると実感しています」と鷲谷さん語ります。
BPOという実務のど真ん中から、“続く働き方”と“続く雇用”をつくり続ける鷲谷さんの実践は、これからの地域と企業のあり方に、静かでありながら確かな問いを投げかけています。
(取材年月:2026年1月)
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Profile
人と組織が続く仕組みをつくるBPO伴走のプロ
鷲谷恭子プロ
BPO(バックオフィス業務の伴走型アウトソーシング)
株式会社ケイリーパートナーズ
企業の現場に入り込み、業務を棚卸し・見える化。内製と外注の適切な役割分担を設計し、属人化を防ぐ仕組みを構築する。BPO支援とDXを通じて、人も組織も無理なく“続く”状態を実装している。
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