PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

人も企業もともに成長できる環境づくりで、誰もが明るい未来を描ける社会に

魅力ある企業風土を育み「採用から定着」へ発想の転換を促すプロ

安齋明美

プロフィール
緑

#chapter1

採用マッチング、キャリア開発、メンタルヘルス対策を包括的にサポート

 「経済活動を担う生産年齢人口が全国的に減少傾向にあり、福島県では若年層の流出も顕著で危機的な状況です。中小企業の人材不足が常態化することで従業員が疲弊し、労働環境が悪化するという悪循環が懸念され、転職市場も大都市と比べて活発とは言えません」

 福島の現状を改善すべく尽力するのが、前職で県の求職者支援事業に携わり、キャリア・産業カウンセラーとして企業と求職者双方のリアルな心情に接してきた「ソリス」の安齋明美さん。
  
 「即戦力を求める企業に対して、求職者の多くが望むのは、ワークライフバランスを尊重しつつ、自身の成長が期待できるかどうか。働き手が明確にビジョンを見通せる仕組みを整えることが先決ではないでしょうか」と呼び掛けます。

 安齋さんは企業の採用担当者に向けて、求人票や採用サイトのリニューアルなどによる精密なマッチングシステムの導入をアドバイス。第三者の視点で現場の問題を把握し、解決策を提示するといった体系的・包括的な支援を展開しています。

 「当方は経験豊富なカウンセラーや講師スタッフとともに、コンサルティングや研修を組み合わせて従業員の主体的なキャリア形成を後押しするキャリアドッグの導入をお手伝いしています。さらに心身ともに健やかに働ける組織づくりと、個々の精神状態に合わせたメンタルヘルスケアのサポートにも力を入れています」

 「誰もが生き生きと活躍できる社会の実現」を目標に、人材確保からキャリアアップ、心理面のケアまでワンストップでカバー。従業員の満足度を高めることで企業のイメージアップにつなげています。

#chapter2

一人の求職者としてステップアップしてきた経験を還元するため独立

 安齋さんは13年間の専業主婦生活から一念発起、チラシをポスティングするアルバイトからステップアップしてきた求職者の一人でした。

 JAグループの臨時職員に採用され、人事や総務、役員秘書として事務処理やコミュニケーションのスキルを磨き、10年を過ぎた頃には「もっと自分を試してみたい」という欲求が芽生えます。

 先進的な医療機器を手掛ける企業やロボット開発のベンチャー企業に勤め、厚生労働省が所管する医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認申請業務や研究所の新規開設に携わりました。

 「地元密着の従来的な組織体質との違いは歴然で、転職した当初は忖度(そんたく)のない率直な意見が求められることに戸惑いました。ただ、効率重視の成熟した職場環境、明確なオンオフの切り替えが習慣になってくると、前職でなんとなく感じていた違和感の本質が次第にクリアになるようで、返ってスッキリしましたね」

 キャリアチェンジを果たし、意欲的に職務に励みますが、体調を崩してリセットを余儀なくされます。

 「しばし立ち止まって気づいたのは『ここまで走り続けられたのも、幸運な巡り合わせが重なっただけかもしれない』ということ。県の求職者支援事業に参画する機会を得て、有料職業紹介事業の知見を元に4年間活動し、企業と求職者それぞれの厳しい現状に触れることもできました」

 「これまで一人の生活者として蓄積してきた見識を、今こそ社会に還元できるのでは」との思いを強くし、2022年に独立。新たな挑戦をスタートさせたのです。

レクチャー

#chapter3

「人材採用から定着」へ発想の転換を促し、企業のブランド力をアップ

 「福島には豊かな観光資源や特産物があります。また、震災復興という現実を乗り越え、しっかりと地に足をつけて事業を営んできた“ものづくり”などの伝統産業や、新規参入のIT産業などがあります。ただ、担い手不足の解消までは、まだ時間がかかりそうです」

 安齋さんは、人という経営資源を補うにあたり「誰もが持てる力を存分に発揮することができ、共に支え、高め合う企業として、ブランド力を強化する必要があるのでは」と強調。「採用から定着へ」と発想の転換を促します。

 「自分の意見や気持ちを自由に発言・表現できる、心理的安全性が確保された風通しが良い環境を作ることが大切です。人も企業も明るい未来を描ける職場づくりに向けて、メンタルヘルスケアやキャリアドッグを充実させるプログラムを用意しています」

 個別のヒアリングを通して、職場での悩みや将来に対する不安だけでなく、人との関わり方、自己実現の難しさといった心理面の課題に向き合うほか、階層別研修やワークショップを開催。個と組織を継続的にフォローします。

 「生き生きと仕事に取り組む人も、製品や技術と同じく、企業が誇れる魅力の一つ。企業の根幹を成す理念や文化を、経営者と全ての従業員が共有することが力強い企業風土を育むでしょう」

 心や体が疲れたときに立ち上がれるのは、傍らに差し伸べる手があればこそ。安齋さんは万物を等しく照らす“ソリス(太陽)”のように、成長と癒やしの光を届ける存在を目指しています。

(取材年月:2025年1月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

安齋明美

魅力ある企業風土を育み「採用から定着」へ発想の転換を促すプロ

安齋明美プロ

産業カウンセラー

株式会社ソリス

企業と求職者のマッチングだけでなく、キャリア開発、メンタルヘルスケアの充実までをワンストップで支援。企業と個人の長期的な成長が見通せる職場づくりで魅力ある企業風土を育み、人材の定着を促す。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ福島に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または福島放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO

Other Interview