1万件以上の実践で快適な空間をつくるハウスクリーニングのプロ白川由美

1万件以上の実践で快適な空間をつくるハウスクリーニングのプロ

白川由美

女性の目線に立った家事代行・ハウスクリーニングを手掛け、日常をサポート

　「家庭が笑顔で輝く毎日をつくる」をモットーに福岡市をベースに活動するのは、「YM美装」の店長・白川由美さん。家庭向けに家事代行業やハウスクリーニング業を展開する他、エアコン取り付け取り外しの電気工事事業や、不用品買い取り業を手掛けています。

　「お客さまの元には女性スタッフがお伺いするのが、当店の特長です。仕事や子育てなどに奮闘する方々を応援するため、創業以来、女性の目線に立ったサポートで差別化を図ってきました」

　身に着ける衣服や空気環境を清潔に保つため、ドラム式洗濯乾燥機やエアコンの洗浄に注力。「物が散らかって落ち着かない」「すぐに汚れがたまるけど手が回らない」といった悩みを受け、部屋の片づけや水回りの掃除にも力を入れています。

　「お仕事や育児でお掃除まで手が回らずモヤモヤしていませんか？きつくなる前に、つらくなる前に、私たちを頼ってください」と白川さん。

　客先では、自分だったらこうしてほしいと考えながら細かい箇所にアプローチ。例えば、洗濯機の下、便座やフチの裏側、テレビの手あかなど、普段見逃してしまいがちな場所にも目を配ります。限られた時間内で全てを網羅するのは難しいため、全体を整えた上で、「今日はここ」とポイントを決め徹底的に作業しています。

　「『掃除を代わりにしてくれるので、すごく楽になった』という声をよく聞きます。あるお客さまは、最初月に1度ご利用いただいていましたが、それが2回、3回、1週間に1回、2回となって、今では週3回ご自宅に訪問しています」

飲食業から転身。2015年10月、夫婦で物件の清掃業からスタート

　白川さんは高校卒業後、接客や営業職、飲食店勤務を経験しました。2007年に夫の義人さんと出会い、結婚。3人の子宝に恵まれます。

　義人さんは2014年に飲食店を2店舗オープンし、白川さんも育児の傍ら手伝いを続けていましたが、1年で倒産に追い込まれ、夫婦は多額の借金を背負うことに。義人さんには知人の経営者から「従業員としてうちの店に来ないか」という誘いが数多くあったものの、「雇われの身では借金の返済に時間がかかる」とためらっていました。

　「今後について思いあぐねるなか、家族ぐるみでお付き合いをしていた建設会社の社長さんが、住人が退去したマンションの部屋をきれいにしてもらえないかと、声を掛けてくださいました」

　賃貸物件などは入れ替わりが早く、ニーズの高さに可能性を見いだし「もう1回商売に挑戦したい」と打ち明けた義人さん。白川さんは「あなたがやりたいなら、家族みんなで頑張るしかないじゃない」と背中を押し、2015年10月、「YM美装」を立ち上げます。Yは義人さんと由美さんのY、Mは3人娘が全員「美（み）」から始まる名前であることから付けました。

　「ただ、私たちに特別なスキルがあったわけではなく、作業も営業も試行錯誤の毎日で。思いつく限りの人に仕事の相談をしました。各方面に働きかけ、独立から半年後、新築住宅を施主に引き渡す前に行う仕上げ清掃を大手ハウスメーカーから委託されるようになり、事業を軌道に乗せる足掛かりとなりました」

丁寧に仕事を重ね、生活関連サービスのサイトで総合評価全国3位を獲得

　「YM美装」は丁寧な仕事ぶりが評判を呼び、2019年には生活関連サービスを紹介するポータルサイト「くらしのマーケット」が実施するアワードで、総合評価全国3位を獲得。メディアに取り上げられ、新規顧客も増えていきました。

　堅調に業績を伸ばしてきましたが、コロナ禍によって状況は一変。大口の顧客を次々と失いました。当時、民泊の清掃を約100部屋請け負っていましたが、ゼロになってしまったそうです。

　「とにかく、一人一人のお客さまを大切にするにすることを心掛けました。徐々に在宅勤務が一般化し、自宅環境に目を向ける方が増え、状況は好転しました。ありがたいことに、自分でできない大変な掃除はプロに任せる方がよいと考える方から依頼が舞い込み、難局を乗り越えることができました」

　白川さんは今後に向け、新しく始めた電気工事業と不用品回収業を強化したいと語ります。「エアコンをお手入れする際、買い替えた方がよいケースもあり、自社で対応できたらスムーズです。お客さまから不用品を引き取ってほしいと頼まれる機会も多いので、古物商の資格も取得しました」

　一方、義人さんは「ハウスクリーニング業界を盛り上げていきたい」と抱負を述べます。2023年2月から同業者を集め、新しい技術の検証やマーケティングに関する勉強会を定期的に開催。ポータルサイトで表彰を受けるメンバーも出ていると言います。

　「これからも自社、同志一丸となって暮らしを支え、皆さまに笑顔を届けていきます」と意欲を見せます。

（取材年月：2024年4月）

片付けや掃除に女性スタッフが対応。忙しいママの家事軽減をかなえ笑顔に

女性の目線に立った家事代行・ハウスクリーニングを手掛け、日常をサポート

飲食業から転身。2015年10月、夫婦で物件の清掃業からスタート

丁寧に仕事を重ね、生活関連サービスのサイトで総合評価全国3位を獲得

専門家プロフィール

Other Interview