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どこでも気軽に着物を楽しめるよう、5分で美しい着姿に決まるオリジナルの着物を展開

洋服のように5分で着られる立体縫製本格着物をデザインするプロ

井上都裳子

井上都裳子 いのうえともこ
井上都裳子 いのうえともこ

#chapter1

洋服のように1人で着ることができる「WASOMI.3Dキモノ®」を開発

 「着物をたしなみたいと思っても、自分で着ることができない、家で洗えず畳むのも大変といった理由から諦めている方がいるのは残念なことです。当方では、気軽に楽しめる独自の商品を展開しておりますので、ぜひご活用ください」

 そう語るのは、福岡市にある「WASOMI.」の代表・井上都裳子さん。5分で和装が仕上がる「WASOMI.3Dキモノ®」を開発。着崩れしにくく、美しい着姿を保つことができる立体裁断や立体縫製の技術で国際特許を取得しています。

 「長らく美容室に勤務し、着付けをしてきましたが、洋服のように1人で着たり脱いだりできて扱いが楽な着物があったらいいなと思っていました。試行錯誤の末、やっと納得いくものができました」

 女性の場合「衣紋(えもん)を抜く」と言って、首の後ろの衿を引いて握りこぶし一個分の空きを作ります。うなじがすっきり見えて優美ですが、加減が難しく苦手とする人も少なくありません。

 「一からパターン(型紙)を起こし、自分で調整しなくてもあらかじめ衿の位置が決まるよう長じゅばんを工夫しました。おはしょり、帯、太鼓結びもパーツに分かれ、腰に巻くだけと手順はシンプルです」

 粋な着こなしができるよう、前から見た時に身頃の裾が少し上がる「裾上がり」、後ろから見た時は足元に向かって先が細くなる「裾細り」になるようにデザイン。立体的かつ繊細なシルエットを描いています。

 「涼しげなレース、メッシュ素材も用意しています。色、柄ともにバリエーションが豊かですので、多彩なコーディネートをご堪能ください」

#chapter2

「和を奏で、美しく」との意味を込めて「WASOMI.」ブランドをリリース

 井上さんは美容師時代、アメリカの大学院に留学していた長女のために1人で着用できる着物を作ったことがあります。
 「娘用ですし至る所にワンタッチテープが付いていましたが、国を代表する装束として体裁を保てるよう知恵を絞りました」

 当初はビジネスにするつもりはなかったそうですが、母親の介護のために美容室を辞めたタイミングで、誰もが着物に親しめるようにと商品化に取り組みます。

 着物は着付け以外に、専門店でクリーニングをしたり、通気性を備えた“たとう紙”に包んで保管したり、手入れや収納に関してハードルがあります。「WASOMI.3Dキモノ®」は自宅で洗えて、ノーアイロンでハンガーにかけることが可能。手持ちの洋服と同じように扱えることにこだわりました。

 「生地探しは苦労しました。着付けが簡単でお手頃価格の既存品は、生地が薄く着崩れしやすいのが難点で。絹100%の正絹と変わらない理想の素材を見つけるまではブランドを立ち上げないと決め、メーカーを何件も訪問しました。求める質感に巡り合った時は『これだ!』と感激しましたね」

 10年以上の歳月をかけてリリース。「WASOMI.」という名前は「和を奏で、美しく」という意味合いを込めて、長女が名付けたそうです。
 「娘の留学が開発の起点ですから、着物を着る環境が整っていない海外在住の方々にお届けすることがコンセプトの一つです。お客さまのサイズに合わせてあつらえ、身にまとうだけで日本の正装をかなえます」

井上都裳子 いのうえともこ

#chapter3

「着付け」から簡単便利な「装着」へ。着物文化を100年先の未来に継承

 「私は3人の先生から、皇室御用達のマリールイズ式の着付けを学んでいます。恩師に恥じないクオリティーの着物を誕生させたいと考えていたので、妥協はできません。どんな体形の方でも満足していただけるよう、3000人以上のモニターに試着してもらい改善を加えました」

 井上さんの思いを理解するパタンナーや仕立職人に出会い、完成形へ。工場での分業ではなく、一人の職人が全工程を手掛ける「丸縫い」によりオートクチュールの着物が実現しました。

 次のゴールは一人でも多くの人に知ってもらい、着てもらう機会を増やすことだと言います。
 「クルーズ旅行のディナーや、ドレスコードが母国の民族衣装という異文化交流のパーティーに、日本人女性が着物で参加できないのは寂しいことです。観劇や食事会、ビジネスの懇親会などさまざまなシチュエーションで、和の装いをしたいと語る女性は多いんです。国内外で活躍する日本人女性が、華やかで品格ある着物で注目を集めてくださればうれしい限りです」

 世界に発信するため、欧米各国で開催されるJAPAN DAYに出展し、着物を伝える「和活イベント」を開きたいと意欲を見せます。

 「日本の食であるお米は炊飯ジャーで簡単に炊けるようになり、手軽にいただくことができます。『着付け』ではなく『装着』するだけでいい『WASOMI.3Dキモノ®』も、同じ利便性を備えているのが魅力です。日本が誇る着物文化が100年先も続くよう、私なりの社会貢献をしていきたいですね」

(取材年月:2024年5月)

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専門家プロフィール

井上都裳子

洋服のように5分で着られる立体縫製本格着物をデザインするプロ

井上都裳子プロ

オリジナル着物デザイナー

WASOMI.株式会社

オリジナル着物を製作。あらかじめ衿抜きがされ裾細り裾上がりになる美しいラインでデザインされており、5分で本格的な着姿が完成。洗濯機で洗え、ノーアイロン、ハンガー収納が可能で気軽に着ることができる。

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