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生涯にわたり「共に生きる」支援で、障がいのある一人一人に寄り添う

子どもから高齢者まで障がい者(児)の豊かな生活を支えるプロ

竹本祐樹

竹本祐樹 たけもとゆうき
竹本祐樹 たけもとゆうき

#chapter1

本人のやりたいことを尊重した個別リハビリで、毎日にちょっとした変化を

 「子どもから高齢者まで生涯にわたり、障がいのある方々をサポートできる体制があります。利用者も職員もお互いに年を重ねながら、共に歩んでいけたら」と話すのは、障がい者支援施設「まどか園」で作業療法士として働く竹本祐樹さん。障がい者(児)を対象にした福祉事業を展開する慶和会では、まどか園のほか、児童発達支援「さんさんキッズ」と放課後等デイサービス「さんさん」を運営しています。

 大野城市にある「まどか園」は、施設入所や短期入所、生活介護などを提供し、放課後等デイサービスを併設しています。
 「開園当初は、日常生活で常時介護を必要とする方が生活する身体障害者療護施設として始まり、利用者の約8割が、重度の身体障がいがある方です」と竹本さん。

 大事にするのは、それぞれの意思を尊重しながら、ちょっとした変化を感じてもらうことだとか。
 「例えば、タブレットやパソコンに触れて、YouTubeで見たい動画を選んで再生できるなど、小さいことでも『できた』と感じると、みなさんうれしそうにされます。食事の自立支援や外出支援などを通して、〝昨日までと変わったこと〟を一つでも増やします」

 その日の気分や体調にあわせてリハビリ内容を変えるのも特長の一つ。作業療法士や理学療法士が常駐し、持っている力を引き出すトレーニングを提案します。
 「『少しでもよくなりたい』という気持ちに応えられるのが、運動やリハビリです。〝1日20分〟などと決められた範囲ではなく、ご本人が望めば自由に努力できる場でありたいですね。ご家族からも『リハビリが満足』という声をよくいただきます」

#chapter2

児童発達支援・放課後デイサービスのマネジメントも

 開園から20年以上を誇る「まどか園」の利用者は、20代から70代までと幅広く、長く利用する人も少なくありません。体のことだけでなく、プライベートの話題なども話せる間柄なのだそう。
 「利用者の方々と近い距離を保ち、アットホームな雰囲気です。リハビリの時間だけでなく、食堂やホールなどで過ごす普段の様子も見ながらサポートできます」

 竹本さんは、車いすなどの調整にも応じます。
 「1日のほとんどを車いすで過ごすので、その快適性は重要です。クッションの調整や、座り方の改善によって姿勢が安定すると、体や動作が楽になり、前向きな意欲も引き出せます」

 同園では、食事にも力を入れています。元板前の調理担当が、当日朝に仕入れた魚をさばいて刺身にしたり、行事食や誕生日のリクエストメニューがあったりと、利用者から好評を得ています。

 発達障害の子どもにも支援を広げるため、2022年に、児童発達支援・放課後等デイサービス「おひさまクラブ」を合併統合。春日市にある一軒家の施設で、就学前の「児童発達支援さんさんキッズ」と就学後の「放課後等デイサービスさんさん」を運営し、竹本さんはそのマネジメントも担当しています。
 「未就学児から高校生まで継続して支援でき、さんさんキッズでは、常駐する言語聴覚士による言語訓練も行っています。子どもの発達にサポートが必要な状態があると診断された保護者の方の不安な気持ちは大きいものです。ちょっとしたことも気軽に聞ける身近な相談相手を目指しています」

竹本祐樹 たけもとゆうき

#chapter3

ホームヘルパーや病院のリハビリ担当を経て、障がい者支援に注力

 ホームヘルパーとして訪問介護に従事しながら、リハビリの専門学校に通っていた竹本さん。その後、病院や施設で、身体障がい者のリハビリを担当しました。
 「ヘルパーをしていた頃、たまたま身体障がい者の方を担当しました。24時間体制で介護を提供し、旅行にも同行。体は不自由でも、イキイキと活動している姿を見て、自分がお手伝いできることはもっとあるのではないかと思い、障がい者サポートの道に進みました」

 経験を買われて、「まどか園」の当時の園長から声がかかり、2014年から作業療法士として、約10年勤務しています。利用者だけでなく、職員のやりたいことも尊重してくれる自由な雰囲気がまどか園の魅力と言います。
 「施設内にWi-Fiを導入して、IT機器に触れられるようにするなど、新しい取り組みを提案できる風土があります。職員それぞれが、利用者さんのより良い生活をかなえたいという思いを持って動いているので、チームワークがよく、働きやすい環境です」

 「利用者さんから教えてもらうことは多い」という竹本さん。
 「体が不自由でも、意識は健常者と変わらず、人生の先輩として学ばせてもらったり、こちらが不調のときは気を遣っていただいたり、〝持ちつ持たれつ〟だと日々感じています。『生涯にわたって共に生きる』を胸に、一人一人の人生に寄り添いながら、かけがえのない毎日を支える一員として全力を尽くします」と決意を語ります。

(取材年月:2024年9月)

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竹本祐樹

子どもから高齢者まで障がい者(児)の豊かな生活を支えるプロ

竹本祐樹プロ

作業療法士

社会福祉法人慶和会

身体障がいや発達障がいなど、障がい者(児)を生涯にわたり支援できる場を目指しています。作業療法士として、やりたいことを尊重したリハビリや、日々少しでもより安楽に快適に過ごしていけるように支えます。

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