海外セレクトで彩るキッズフォーマルコーディネートのプロ大庭奈々美

海外セレクトで彩るキッズフォーマルコーディネートのプロ

大庭奈々美

デザイン、サイズともにバリエーション豊富なドレスを2000円台から提案

　「お子さまの晴れの日を彩るお召し物を、多彩にご用意しています」と話すのは、福岡県春日市にあるキッズフォーマルのセレクトショップ「Ami de Ricaco（アミデリカコ）」で販売・商品企画を担当する大庭奈々美さん。海外でえりすぐった商品を中心に、500着のドレスと300足のシューズをそろえています。

　「ドレスは実際に着てみると印象が大きく変わります。顔映り、身幅や着丈、素材の雰囲気など、試着して初めて分かることも多いんです。いろいろ試して、お気に入りの一着を見つけてください」

　柔らかく淡いパステルカラーや、鮮やかで力強いビビッドカラー、リボンやフリル、刺しゅうをあしらうなど、デザインのバリエーションは豊富。生後6カ月前後の赤ちゃんがまとう70cmから、小学校高学年らを想定した160cmまで、サイズも幅広く展開しています。

　「当店では、お客さまから頂戴するリアルな声を、買い付けや商品づくりに生かしています。カチューシャやヘアバンドといった小物も含め、トータルコーディネートが可能で、着用されるシーンや好みに応じてご提案します」

　出産祝いや結婚式、ピアノの発表会といった特別な日はもとより、最近ではテーマパークへのお出掛けや、ハロウィーンなどのイベント用の衣装として選ぶ顧客も増えているそうです。

　「華やかな装いを自由に楽しめるのは、購入するからこその利点だと思います。私の娘も、友達とお姫さまごっこをしたり、着せ合いっこをしたりしていました。当店では2000円台からドレスを取りそろえ、レンタルと同程度か、それ以下の金額でお買い求めいただけます」

親子の会話に耳を傾けて希望にそったドレスを案内し、着心地にも配慮

　前職では保育士をしていた大庭さん。退職後も、子どもたちと触れ合える職に就きたいと考えていました。

　「友人の出産祝いを探す中で、このお店と出会いました。接客や販売は未経験でしたが、子どもや服に関われる仕事に興味をひかれました」

　オーナーをはじめ、スタッフ全員が自身と同様に子育てをする母親だったことも心強く、転職を後押し。子どもが大きくなり手が離れた大庭さんは、海外の買い付けにも同行するようになりました。

　「オーナーと行動を共にして多くのことを学びました。当初は知識不足で商品の魅力を十分に伝えられませんでしたが、今では親子の会話に耳を傾け、ご希望にそったアイテムをご案内できるようになりました」

　ショップを訪れるのは、インターネットで検索した顧客が大半。熊本や長崎、大分、山口など遠方から足を運ぶ人も少なくないと言います。

　「結婚式用に注文したがイメージと違った、通販で購入したけれどサイズが合わない、実物を見て選びたい、といった理由で来店されるケースも多いですね。お手持ちの衣装にパンプスやヘアアクセサリーを合わせる方もいらっしゃいます」

　キッズフォーマルでは、着心地や動きやすさも大切なポイント。例えばスパンコールを施したドレスはキラキラと輝き、ステージで映えますが、肌に触れチクチクするのを嫌がる子もいます。ブルーやピンクなど目立つ色を取り入れたり、下着の合わせ方を工夫したり、快適に着られるよう配慮しています。

男の子用のスーツや、ジュニアのロングドレスを拡充していくことも展望

　「店頭に並ぶ500着のドレスのうち100着が、私どもがプロデュースしたオリジナルです。お客さまのご要望をくみ取り、自分たちの子育て経験も踏まえたうえで、小さいお子さんでもストレスなく過ごせる着用感に仕上げています」

　さらに男の子向けのスーツや、15～16歳のジュニア用のロングドレスの品ぞろえを充実することも構想。オーナーとデザインの打ち合わせを進めています。

　「レースを使ったパーツを自分たちで試作することもあり、商品として完成したときの喜びは格別です。一着一着に思い入れがあるので、お客さまから寄せられる『このドレスに出会えて良かった！』という言葉が何よりもうれしく、励みになります」

　子どもが自分で衣装を決める場合もあれば、親が主体となって選定する場合もありますが、大庭さんは双方に寄り添い、状況に応じて丁寧にアドバイスしています。何着も試着した結果、子どもが最初に選んだドレスが一番似合うことも多く「子どもの感性には、いつも驚かされます」と目を細めます。

　ふっくらと丸みを帯びたパフスリーブ、花のように裾が広がるAラインのシルエットなど。かれんに、優雅に、装いを演出します。

　「ちょっとおすまししたり、はにかんで愛らしいお顔をしたり、おめかしするとお子さまはいつもと違う表情になります。その時々のかわいらしさを引き出し、思い出を紡いでもらうことが私どもの願いです。ぜひ当店で、憧れのプリンセスに変身してほしいですね」

（取材年月：2025年10月）

海外セレクトやオリジナルドレスを常時500着そろえ、シューズや小物と合わせトータルコーディネート

デザイン、サイズともにバリエーション豊富なドレスを2000円台から提案

親子の会話に耳を傾けて希望にそったドレスを案内し、着心地にも配慮

男の子用のスーツや、ジュニアのロングドレスを拡充していくことも展望

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