長く住み続けられる家を提案する住宅のプロ日沼友和

長く住み続けられる家を提案する住宅のプロ

日沼友和

外気温の影響を受けにくく、家全体を一定の温度に保つ「HAVE-S工法」を開発

　「家は、ご家族が長きにわたり暮らしを営む場です。『家づくりは人づくり』という理念のもと、お客さまにとって快適で健康な住まいをご提案します」と話すのは、「日沼工務店」の代表・日沼友和さん。秋田県能代市に本社を置き、注文住宅の新築を中心に、リフォーム、リノベーションを手掛けています。

　「土地探しから施工まで一貫し、立地も踏まえて『理想の住まいづくり』をお手伝いします。最近はSNSを見て『こんな感じにしたい』というリクエストも多く、ヒアリングを通じてお客さまが思い描くイメージを細やかにくみ取り、いただいた要望をデザインに反映します」

　住宅性能にもこだわり、エネルギーの消費量を削減する「ZEH」（ネット・ゼロ・エネルギーハウス）を推奨。

　寒冷地の秋田でも心地よく過ごせるように、高断熱・高気密性を確保したオール電化の「HAVE-S工法」を開発。柱の外側に外断熱ボードを施し、内側は隅々まで行き渡る発泡タイプの断熱材を吹き付け、ダブル断熱で仕上げます。開口部には、熱が伝わりにくい高性能のものを採用し、冬は暖かく夏は涼しい住まいに。音も遮り、静かな環境をつくります。

　「外気温に影響されにくいため室内の温度差が小さくなり、内部結露や湿気による木材の腐食を防ぎ、建物を長持ちさせます。また、外部から取り込んだ新鮮な空気を、除湿機、清浄機で調整して家の中に循環させる全館空調システムにより、家全体を一定の温度と湿度に保ちます。空気が滞留することなく流れるので、アレルギー源になるカビやダニの発生を抑え、健やかな住空間をかなえます」

東日本大震災をきっかけに「地元に貢献したい」との思いが強まり家業へ

　日沼さんは大学卒業後、全国展開する住宅メーカーに就職し、営業に従事。家業の「日沼工務店」を継ぐ決意をしたのは、2011年に起きた東日本大震災がきっかけでした。

「いつかは、と考えていましたが震災を経て『地元の皆さまに貢献したい』という気持ちが強くなりました。まずは足元を固めたいと、デジタル技術で業務を効率化するDX化を進め、福利厚生や就業規則を改善し、従業員が働きやすい職場づくりに注力しました」

　経営者という立場になり「人を育てることの難しさを実感した」と振り返る日沼さん。従業員の目標を明確化する経営方針会議や、協力業者を集め、顧客との接し方を共有する総会を定期的に開き、教育にも重点を置きます。

　「私どもの仕事はお客さまとの信頼関係なしには成り立ちません。従業員が向上心を持って真摯（しんし）にサポートするのはもとより、現場の職人のマナーやコミュニケーションもお客さまの満足に直結するので、当たり前のことでも丁寧に伝えています」

　顧客にとって、住まいは一生に一度の買い物。夢を形にするのが務めであり、顧客から寄せられる「この人に頼んでよかった」という声は、何よりも励みになるそう。日沼さんは「スタッフ一人一人が会社の顔なんです」と力を込めます。

　「アフターフォローも、代行業者ではなく必ず自社スタッフが責任をもって対応します。人と人との関わりを大切にした『顔が見える会社づくり』は、お客さまの安心にもつながっていると感じます」

モデルハウス「無暖房住宅 ZERO」や、水回りなどのショールームも用意

　日沼さんのもとでは、吹き抜けで開放感を出したり、木目を生かしてやさしい風合いにしたり、子どもの遊び場・キッズヌックをリビングの一角に設けたり、多彩な住まいをプロデュース。地域に根ざした工務店として、網戸交換のようなちょっとした依頼にも応じます。

　「寒さ、暑さをしのげず住み替えを余儀なくされる場合もあり、今は『いかに長く住み続けられるか』が問われる時代になっています。断熱・気密性といった住宅性能を備え、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて柔軟に間取りなどを整え、2代、3代と住み継いでいける住まいを提供するのが私たちの使命の一つです」

　秋田県内各地にぬくもりに満ちた空間を体感できるモデルハウスと、能代市には水回りなどの設備機器を展示したショールームも用意。見学を受け付けています。

　「ご家族が集うかけがえのないわが家を、思い出とともに守っていくことが目標です。末永くお客さまに寄り添い、『頼られる存在』でありたいですね」

　「冬でも家中が暖かい」「動線も便利で住みやすい」といった声が広がることで、多くの人と縁を結びたいと語る日沼さん。家づくりを通して秋田の暮らしを支え、豊かにしていきたいと展望を描きます。

　「人生の大きな決断を託してくださるお客さまに対し、私たちは全力で向き合います。省エネで一年を通じて快適なマイホームを実現したい方や、修繕、改修を検討している方は、ぜひご相談ください」

（取材年月：2025年11月）

高断熱・高気密の全館空調システムで「冬は暖かく、夏は涼しい」。快適で健やかな住まいを提供

外気温の影響を受けにくく、家全体を一定の温度に保つ「HAVE-S工法」を開発

東日本大震災をきっかけに「地元に貢献したい」との思いが強まり家業へ

モデルハウス「無暖房住宅 ZERO」や、水回りなどのショールームも用意

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