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事業利益を会社の安定的な経営につなげるアドバイス、福祉事業に関するコンサルを実施

事業利益の効果的な活用をアドバイスする専門家

加藤江依子

加藤江依子 かとうえいこ
加藤江依子 かとうえいこ

#chapter1

30年以上会社を経営してきた実践力と培った人脈で事業運営のニーズに対応

 「事業で得た利益を、会社の安定的な運営や従業員へ還元できるようアドバイスします」と話すのは、「ほっぷ」の代表理事・加藤江依子さん。

 愛知県や静岡県、兵庫県で放課後等デイサービスや生活介護事業所、就労支援継続B型事業所、グループホームを運営。関連法人では高齢者施設や保育園などを営み、特定技能をはじめとする外国人材の紹介や介護施設の紹介業なども手掛けています。

 女性経営者が今ほど多くない時代に道を切り開き、30年以上にわたって会社を経営してきた実践力や培った人脈が強みです。

 「例えば、中小企業庁による中小企業経営強化税制では、一定の条件の下で設備投資をすると、経費を前倒しで計上する即時償却または所定の額を差し引く税額控除が可能で、当方でも利用しました。中小企業を支援する政策はいろいろとあり、個人でも活用できる制度がありますので、ニーズをお聞きした上で専門家におつなぎします」

 国民の義務である納税もしつつ、顧客や従業員のためにも利益をしっかりと確保することも大事と指摘します。

 「さまざまな事業所を運営しているのも、経営を安定させるためです。例えば研修や採用にかかるコストも、事業所が多いほどおのおのが担う負担を下げられます。また、福祉サービスは、およそ3年ごとに行われる法改正への適応が求められます。多様なサービスを展開していれば、サポート体制の強化といった要件にも柔軟に対応できるのです」

 加藤さんは福祉事業に関するコンサルティングにも注力。実効的な知識を提供しているので、相談してほしいと呼びかけます。

#chapter2

結婚式や葬儀の司会、配膳の人材派遣会社を起業し、福祉サービスにも参入

 加藤さんは子どもの頃に家計が厳しく、早くから経済的自立を目指していたと言います。短大在学中から、結婚式の司会や配膳スタッフを派遣する会社の立ち上げに尽力し、卒業後は証券会社に就職。平日の日中は証券会社、土日は司会業や人材派遣会社の業務と、仕事に没頭しました。

 「証券会社では受付を担当し、来客と接する中で多岐にわたる職種や業界を知ることができました。組織の一員として働くよりも、経営についてもっと勉強したいと思いました」

 証券会社を退職して人材派遣会社に専念。土日に集中しがちな結婚式だけでなく、お葬式の進行も請け負えば、平日にも仕事が入りやすいのではと考え、葬儀会社に営業をして回りました。

 「当時は、葬儀社の社員が行うのが主流で、『お金を払ってまであなたに司会を頼む必要があるのか』という反応がほとんど。それでも粘り強く話をするうちに、問い合わせが入るようになりました」

 自身の手で事業を成長させたいと独立。自宅葬から会館葬へとシフトしていく時流にも乗り、業績を拡大していきました。
福祉に携わるようになったのは、所属していた商工会議所青年部の集まりで社会福祉法人に勤める人と知り合ったのがきっかけです。

 「話を聞くうちに興味を持ち、日本福祉大学に編入し、卒業した2012年に放課後等デイサービスを開業しました。自己選択を尊重するモンテッソーリ教育や子どもの発達について知見を深めたいと、東京未来大学の幼稚園教諭コースでも学びました」

#chapter3

利用者の生活を守るために、ノウハウを共有し意欲ある事業者をサポート

 「放課後等デイサービスでは、小学1年生から高校3年生まで、最長で12年間大切なお子さんをお預かりします。卒業時にここに通えて良かったと思ってもらえるよう導くのが当方の務めです」と加藤さん。

 一例を挙げると、蓄尿や排尿などがうまくコントロールできなかった中学生にトイレトレーニングを実施しておむつを外すことができ、家族に喜んでもらえたとか。

 「多くのお子さんを迎える中で、高校卒業後の居場所を見つけるのが難しいという現実を知り、就労継続支援や生活介護の事業所を開設しました。生活介護では、指が開かない利用者さんに対して、職員がお湯を使ってほぐすなどしているうちに開くようになり、自分で食事ができるようになったケースもあります」

 利用者や家族の要望や事情に寄り添って、サービスを拡充する加藤さん。今後は農業と福祉の連携を進めたいと話します。

 「2024年に就労継続支援B型事業所の報酬が改定されました。利用者に払う工賃を引き上げることを目的に見直されたのを受け、当方ではシイタケ栽培を検討しています。以前から農業に取り組んできたのですが、シイタケが利益率や収穫後の売り先の確保といった点で優位なことが分かったからです」

 さらにリサーチを進め、関心を示している他の事業所にもノウハウを共有したいと考えています。

 「事業所の経営が立ち行かなくなることは、利用している障害者が行き場を失い困るということ。意欲のある事業所さんのお役に立ちたいですね」

(取材年月:2025年1月)

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Profile

専門家プロフィール

加藤江依子

事業利益の効果的な活用をアドバイスする専門家

加藤江依子プロ

企業支援

一般社団法人ほっぷ

放課後等デイサービスや生活介護など多様な福祉サービスを提供するほか、関連会社で人材紹介など幅広く事業を展開。30年以上の経営者としての知見に基づき、利益を効果的に企業経営に生かすアドバイスをします。

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