独自の声解析のスキルと国際標準のマナーを身につけ、声から心を整える「声解析士」を育成（2/3）

コンプレックスだった声を変えたら人生が変化。経験をもとに声解析システムを開発

　「私は厳しくしつけられる中で本音を言えず、声も小さくなり高校時代は一生懸命話しても『聞こえない』と言われ、声にコンプレックスを持っていました。しかし進学で親元を離れ、合唱団に入って声の出し方を教わると、コミュニケーションが楽しくなって性格も変わりました。声が変わると心が変わり、人生も変わることに驚きました」

　稲井さんは声と心の関係に興味を抱き、心理学や脳科学などの専門書を読みあさりました。独学で探求を続けながら卒業後は公立高校の国語教員に。10年余りの教員生活で約1300組と三者面談を行い、親が子どもに与える影響を痛感したと言います。

　「何がしたいのか自分でも分からないような、つかみどころのない生徒の保護者にお話を聞くと、声のトーンや話し方も覇気がなく、聞き取りづらいことが多かったのです。保護者自身が自分に自信がなく、無意識に自己否定しているのではないかと感じました」

　声を通じて心を良い方向に導く方法を求め、教職を辞した稲井さんは、ドイツの声解析システムを基に「クォンタムヴォイス®」を開発しました。

　一方、プロトコールを基軸に人材教育に取り組んでいた由結さんは「美しい所作や姿勢は内面からにじみ出るもの。一人一人が持つ品性を、マナーを通じて呼び覚ましてほしい」と考えていました。

　2010年に出会った2人はそれぞれ追究してきた分野を掛け合わせ、「自身が輝きながら社会に役立つ人材を育てたい」という共通の目的に向かって、声解析士の養成講座を始めました。

＜次ページへ続く＞

【次ページ】合言葉は「日本人を美しく元気に！」。全国で講演活動、SNSで講話も配信中

次のページへ