介護職の経験のあるスタッフが在籍。依頼者の心に寄り添いながら遺品を整理します（2/3）

特殊清掃や内装・外装リフォームのほか、お墓の管理などにも対応

　藤本さんのもとでは、特殊清掃や大工工事による内装・外装リフォームも手掛けています。1人暮らしで亡くなり発見が遅れたケースや、不動産業者から、賃貸物件の入居者が亡くなった後の原状回復を請け負うこともあります。

　「ご遺体が長期間あった場所は、しみや匂いが付き、薬剤を用いても取れないことがあります。床や畳、壁紙を張り替えたり、ふすま、網戸を交換したり、お部屋を再び使えるようにきちんと施工いたします」

　数々の案件の中には、いわゆるごみ屋敷もあります。なかには、物が腰の高さまであふれた現場からご遺体や位牌が見つかることも。
　「抵抗感よりも、何年もの間、誰にも気づかれないままだった故人が、『これでようやく旅立てる』と安堵してくださっているのではないかと感じました」と穏やかに語ります。

　遺品供養も、お寺へのお布施のみで応じ、依頼者の同席が難しい場合は代理を務めます。また、有料でお墓の年間管理なども行っています。

　故人に思いをはせ、遺族を細やかにサポートする藤本さん。現在の会社を立ち上げる前は、介護士をしていました。
　「時には担当している利用者さんが亡くなることもあるのですが、お片付けに来てくださる業者さんの業務に臨む姿勢がとても事務的に見え、胸が痛むこともありました。自分ならもっと残されたご家族に親身になれるのではないかと奮起し、2020年12月に『あいぜん』を設立しました」

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