新体操は子どものうちに豊かな五感を養える、一生の宝物（3/3）

「美しく・正しく」を磨き、一人一人の目標を目指します

　多くの優秀な選手を育ててきた岡本さんですが、「必ずしもみんなが強い選手を目指す必要はない」と考えています。「大会で良い結果が出せれば嬉しいけれど、この間までできなかった子ができるようになったり、まだまだできない子が自ら挑戦を始めたりと、一人一人の力や意欲を引き出すことも大切な目的です」「トップを目指すため、健康のため、体を鍛えるためなど、子どもたち自身の目標に合わせて練習を選べるのがアンジュの特色ですね」。時代やニーズに合わせて新しく変えるべきもの、守るべきものを見極めながら、教室も日々成長しています。
　そんな中、すべての子どもたちに教えてきたのは「美しく・正しく」を目指すこと。「高得点を取りたいあまり難しい技をたくさん成功させることばかり練習していると、演技が作業的に見えることがあります。新体操は自己の表現。高難度の技も美しくできればそれが正しい形につながり、結果的に失敗しなくなります。点を取りたい気持ちに囚われず、美しさを大切にしてほしいですね」。その教えは岡本さんが海外のさまざまな指導法を見てきた経験から来るもの。豊かで深い新体操の魅力を、子どもたちは体で吸収していきます。

（取材年月：2022年3月）

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⇒新体操の普及と選手育成、両面から成果を挙げてきた26年の実績