気持ちを上げ、個性を引き出し輝かせるオリジナルの1着を作成（2/3）

曽祖父の代から続く仕立屋に生まれ、意図をくみ取り作成するモデリストに

　「私の実家は、曽祖父の代から仕立屋を営んでいました。生地が山積みになり、いろんな種類のボタンがあり、洋服を縫う職人が寝泊まりをしている環境に育ったので、自然と製作工程を覚えました」

　大学を卒業後、平岩さんは家業に入って修行。培った技術をもとに「STRASBURGO」や「KITON」といったスペシャリティストアに勤務し、海外のクラシックな洋服作りと感性に触れます。その後、米国発祥の「バーニーズ・ニューヨーク神戸店」へ。そこでは従来のテーラーの役割だけではなく、積極的にスタイル提案を行うモデリストとして従事することに。

　「クラシックなブランドだけでなく各国のハイブランドも多数扱うバーニーズには、着心地はもちろんデザイン性も求める目の肥えたお客さまたちが多く、その方たちにビスポークの世界を知ってもらい、実際に満足してもらうために尽力しました」

　本質を押さえた普遍性と、時代を捉えたファッション性を融合させた型紙製作は「自分の天職」と実感。言われた通りに仕立てるテーラーではなく、「お客さまの要望や思いを把握して最良のデザインを提案し、着用する場面に合わせてトータルでコーディネートすることが使命」と考え、モデリストと名乗り、店名にも掲げています。

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