傷んだところをケアし、美観を保つ塗装工事で大切な建物を守りたい（2/3）

高校時代のアルバイトをきっかけに塗装職人の道へ進み、28歳で独立

　永田さんは1969年、大分市に生まれました。子どもの頃から絵を描くことに夢中で、美術関係の業界に進むことも頭にあったそうですが、高校生の頃に塗装会社でアルバイトを始めたのをきっかけに絵筆をハケに持ち替えます。高校卒業後は正社員として10年間勤め、ノウハウを身に付けました。

　「親方の教えのなかで特に印象に残っているのは、『人にも仕事にもうそをつかない』というものです。屋外での下地処理など、お客さまからは見えにくい部分だからこそ、一切手を抜いてはならないと肝に銘じています」

　実直な姿勢で実務を重ねるにつれ、大きな現場を任せてもらえるように。自分の力を試してみたいと、28歳のときに独立を決意します。
「光栄なことに親方からは引き留めていただきましたが、チャレンジしてみたいという思いは抑えられませんでした」

　個人事業主として一歩を踏み出しますが、「本当にやっていけるのだろうか」と心もとない日々を送ります。自らを奮い立たせるかのように、夜を日に継いで奔走。寝る間も惜しむ永田さんを支えたのが、妻である貴代さんです。「主人はあまり家にはいませんでしたが、私たちはとにかく『働いてなんぼ』の世代ですし、寂しさはありませんでした。ただ、体を壊さないかだけが心配でしたね」

　がむしゃらに走り続けた当時を振り返る永田さんは、「家庭のことをあまり考えていませんでしたね。今は、できるだけ家族との時間を大切にするようにしています」と語ります。

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