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コラム

褒めて育てることの負の側面

2024年5月1日

テーマ:教育・子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

育児や人材育成の場において
褒めて育てることのメリットを言われますが
もちろんそのとおりです。

私もぜひお勧めしますが
今回のコラムでは補足説明と言いますか
あえて逆説的に負の側面についてを考察してみたいと思います。

負の側面ということから
褒めて育てると調子に乗らせてしまうことを考えてしまうかもしれませんが
そんな単純な話ではなく
人格形成やその後(将来に向けて)の動向についての懸念です。

と言いますのも
確かに人は何らかの体験や取り組みに対して褒められると快楽(快感)を得て
そのことに対して興味や関心を持ち
意欲的に取り組むようになるんですね。

だからこそスキルアップにもつながるのですが
これはより一層その傾向を強めてしまうということも言えます。

つまり褒められた分野に興味や関心が突出してしまう(注意が向く)と言え
他の褒められない体験や怒られたことに対しては関心が向かず
スキルや知識の偏りが生じてしまうということなんですね。
(関心の分野が狭まる。失ってしまう)

機会の消失とも言えるでしょうか。

褒められたことに対してしか興味や関心を持てなくなり
褒められないこと
つまり自分がしたくない体験や経験に対しては(怒られたりするなどの失敗体験)
無関心だったり強い拒否反応が現れることも出てくるでしょう。

打たれ弱さと言いますか
時には攻撃的になることもあるでしょうし
自分が関心があること(褒められる事)にしか関心が向かないといった懸念があるわけですね。

世の中は自分が関心がない分野や知識がない分野
そしてそれら気づいてない分野に問題(悩み)の原因が潜んでいるもので
自分が関心がなかったり振り向きたくない分野に目を向けられないことは
問題解決能力を遠ざけてしまう要因にもなってしまいます。

褒めること、褒めて育てることは決して悪ではありません。

むしろ褒めて育てることは推奨しますが
相手を褒めるということは褒められた側にとっては
褒められたことに対してしか興味や関心が向かないということ。

興味が向けられる分野に偏りが生じるということです。

世の中は自分の知らない分野の世界で社会が回っています。
知らないことだらけの世界で社会が回っていて
自分が見ている(生きている)世界は自分が知らない世界のほんの一部でしかありません。

その知らない世界(分野)に関心を持ち、興味を向けることこそ
豊かな教養と人生をもたらし
問題解決能力(人間力の形成や生きる力)を育むことにつながるでしょう。

そして褒めて育てることの効用を期待している方にとっては
褒める内容がある特定の分野に偏ってしまわないように
何をどう褒めるか時と場合、そして質を考えて褒める意識を持ちましょう。

この記事を書いたプロ

宮本章太郎

心理カウンセリングのプロ

宮本章太郎(京都カウンセリングラウンジ)

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