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一番ヶ瀬正明

小規模事業者・中小企業の広告コンサルティングのプロ

一番ヶ瀬正明(いちばかせまさあき) / 広告コンサルタント

有限会社ディーナ

コラム

第14回【経営者コラム】自社認知・売上向上を目指すための「Web広告運用・見直し」を行なう

2023年6月1日 公開 / 2023年6月7日更新

テーマ:広告

コラムカテゴリ:ビジネス



マスク⽣活が終わりを告げようとしています。
アフターコロナにおいてお客さまと対⾯が叶っても、
リアルとデジタルとの融合がマーケティングにおいて主流になると⾔われています。

その中で、デジタルにおける「Web広告」は、お客さま動向の数値可視化ができ、データを蓄積することによってコミュニケーションの設計がなされやすくなります。

今回コラムは、
「すでにWeb広告を運⽤している」「これからWeb広告運⽤を考えている」
そんな事業者さまに向け、Web上のコミュニケーションをうまく利⽤しながら、⾃社認知や売上向上を⽬指すための“Web 広告の運⽤と⾒直し”について考えて⾏きます。



Web広告にはどんな種類があるのか?

Web広告には、いろいろなプラットフォーム(配信媒体)や配信⼿法があります。
代表的なWeb広告は下記の9種です。

1. ディスプレイ広告
アプリやサイトに設けられた広告枠に表⽰される広告

2. リスティング広告
Google・Yahooなど、検索エンジンの検索ワードによって表⽰される広告

3. リターゲティング広告
⾃社サイトを訪れたユーザーを追跡し、別のWeb上にも⾃社広告を表⽰する⼿法

4. ネイティブ広告
Webサイトやニュース記事などのコンテンツで構成され、メディアサイトなどに掲載される⼀般記事に溶け込むように表⽰した広告

5. アフィリエイト広告
アフィリエイターが運営するWebサイトやブログ、メールなどに商品の広告リンクを貼り付け、リンクからの商品購⼊・サービスの利⽤などがなされた場合、成果報酬を⽀払う仕組みの広告

6. 動画広告
主にYouTubeや各SNSなどの動画配信で使われる広告

7. (動画)リワード広告
アプリ内で使⽤可能なアイテムやポイントをユーザーに付与する代わりに、15〜30秒程度の動画広告を表⽰し視聴させる広告フォーマット。
動画視聴に対しアイテムやポイントを与える仕組み

8. SNS広告
Facebook・Instagram・Twitter・LINE・TikTokなどへ配信する広告

9. メール広告
電⼦メールで送信される広告。メルマガ配信される場合もあり



毎⽉のように各媒体から新しい「広告メニュー」や「広告フォーマット」のアップデート情報がリリースされています。
すでにWeb広告の運⽤を⾏なっており、広告を掲載し続けている事業者さまは、特に、進化し続けている最新のWeb広告情報の収集を⾏いましょう。
そして、次に述べる、⾒直しを定期的に⾏いましょう。



既にWeb広告を運用している場合の見直しポイントは?

早速、⾒直すべきポイントを挙げて⾏きます。

1. ディスプレイ広告の⾒直し
アクセス解析ツールを活⽤し、定期的に画像やキャッチコピーの⾒直しを⾏う。
そうすることで、クリック率を上げるきっかけを最新化します。

2. リスティング広告の⾒直し
ターゲット設定とキーワード選定が正しいのか?改めて⾒直す。
ターゲットの年齢、性別、興味、検索キーワードは適切か?など⽬的に応じた設定がされているかを再度確認。

3. リターゲティング広告 の⾒直し
個⼈情報保護の観点からリターゲティング広告を⾏うのが難しくなっているため、ここでは省略。

4. ネイティブ広告の⾒直し
ユーザーに対して押し付け感が出ていないか?⾃然に商品・サービスに⽬を向けてもらえているか?再検証。メディアとの親和性が正しいか?の⾒直しも

5. アフィリエイト広告の⾒直し
アフィリエイターの不正⾏為による損失が発⽣することがあるため、定期的に広告表⽰回数、クリック率、成約数を確認。
異常値が出ていないかチェック。

6. 動画広告の⾒直し
訴求ポイントを1つに絞り、出稿先の選定を⾒直す。
⾃社の⽬的やターゲットなどに適しているか?を再確認。

7. (動画)リワード広告の⾒直し
アプリ内で報酬をもらうことを⽬的とし、ユーザー⾃⾝で動画広告を⾒ることを選択しているため、ここでは省略。

8. SNS広告の⾒直し
①Facebook・ Instagram
運⽤⽬的に適したテーゲットの設定、広告フォーマットの設定ができているか再検証。
FacebookはSNS広告のなかでは⽐較的安価でありながら、ターゲティングを⾃動で最適化する機能を備えているためこちらも利⽤しましょう。

②Twitter
広告タイプの選定や更新頻度の改善を⾏う。
Twitter広告は、拡散⼒が⾼いというメリットが。
認知拡⼤には「プロモツイート」、フォロワー増加には「プロモアカウント」、話題性や告知効果には「プロモトレンド」と、⽬的に応じた選択ができているか再度確認します。
(※詳しくはTwitter をご覧ください)

③LINE
⼊稿の異なる6種類のキャンペーンの使い分けを⾏う。
LINE広告は拡散⼒こそないものの、アクティブユーザーや掲載可能なポータルサイトが多いため確実で幅広いリーチが期待できます。
配信設定を絞りすぎず動画配信や静⽌画など複数⽤意し、LINEの広告配信ネットワークをフル活⽤できるよう⾒直しを⾏います。

9. メール広告の⾒直し
出稿しているメディア⾃体が継続して成⻑しているか、再確認。

出典: COCOO,WEB 広告を⾒直して最適化!運⽤⽅法から、広告別のポイントまで解説,
2022.05.17, https://digima.cocoo.co.jp/media/ad-web-improvement



自社に向いているWeb広告を導き出す

「これからWeb広告運⽤を考えている」「すでにWeb広告を運⽤している」。
どちらの事業者さまも、「Web広告のスタート地点」と「⾒直しの地点」の考え⽅としては、同じです。やるべきことは、以下の3点。

・広告を出す⽬的は何なのか?
・ターゲットが利⽤している媒体はどれなのか?
・それらに向いているWeb広告はどれなのか?


スタート地点は、⼀から上記3点を考え、⾒直し地点は、このままの運⽤で間違いがないのか?3点を改めて⾒定めるのです。
しかし、運⽤中の場合は、次の項⽬で述べる「変化」を注視しておかなければなりません。



変化を把握し広告運用に活かす

「Webサイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2022」によると、アプリ利⽤者数は、Instagram が3位になり、60代シニアで利⽤者急増。
さらに、以下の項⽬が発表されています。

・Webサイト訪問者数は、⼤⼿OTA (Online Travel Agent)インターネット上の旅⾏会社サイトが好調

・アプリ利⽤者数は、InstagramがTwitterを上回り第3位に

・シニアのWebサイト訪問者数は、楽天市場がAmazonを上回る

・Instagramはシニアの代表的なSNSに

・20代にはTVer⼈気が⾼まる


【シニアのWebサイト訪問者数は、楽天市場がAmazonを上回る】




【Instagramはシニアの代表的なSNSに。20代のTVer⼈気が⾼まる】




出典: PRTIMES, 株式会社ヴァリューズ, 【調査リリース】Web サイト&アプリ市場のユーザー数ランキング2022 を発表!
アプリ利⽤者数は、インスタがTwitter を上回り第3 位に。60 代シニアでも利⽤者急増,
2022 年12 ⽉6 ⽇ 11 時00 分, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000007396.html


Webサイトやアプリ市場は、⽇々更新され、めまぐるしく変化をとげています。
以前は当てはまらなかった「Twitter利⽤者に60シニア層」が増加し、「Instagramはシニアが使⽤する代表的なSNS」へと変貌しています。
シニアのInstagram利⽤者が増加した背景には、50〜60代にも急速にスマートフォンが普及していることや、インスタグランマと呼ばれる50代以上のインスタグラマーが脚光を浴びていることなどが、少なからず関連しているでしょう。
TVer⼈気においては、特に利⽤頻度が⾼いユーザーには⼥性が多く、恋愛モノやテレビドラマをよく視聴する層であり、コロナ禍に単⾝者が⼀⼈でTVerアプリを使⽤し、試聴が増加しました。
単⾝者⼥性世代=20代のTVer⼈気が⾼まったのかもしれません。
このように、ターゲットの変化をいち早く捉えることで、Web広告の切り替えなどを⾏い、広告効果を底上げすることができるのです。



最後に!(例:リスティング広告)

運⽤を始めるにあたり、何から始めれば良いかわからない。
そんな事業者さまは、以下を参考に進めてみてはいかがでしょうか。
例に挙げるリスティング広告は、「Google」「Yahoo!」など、検索エンジンの検索結果に連動して表⽰される広告のこと。
特定のキーワードに対して広告を表⽰でき、そのキーワードをユーザーが検索し関⼼が⾼まっているその期を逃さず広告が表⽰されるものです。
低予算から始められるというメリットも。

◉運⽤初期にやるべきこと

A)コアキーワードに絞った広告配信
コアキーワードは、提供する商品やサービスを現す⼀番重要なキーワードのこと。
そこに最も商品購⼊につながりやすい⾒込み客がいるのです。
この⾒込み客から反応が取れない場合は、広告運⽤よりも前にランディングページを考え直す必要があります。

B)ランディングページ(*1)の改善
ランディングページとは検索エンジンや広告などを経由した訪問者が初めて着地(ランディング)するページのことを指します。
検索エンジンから訪問者がやってきますので、着地する「ランディングページ」は、「TOPページ」「商品ページ」「会社概要ページ」など様々です。

そのため、コア配信を⾏う中で集まるデータから、
「どんなキーワードで検索されているか?」「どんな経路でアクセスしてくるか?」
「何のデバイスを使っているか?」などを導き出した上でランディングを特定し、そのページの改善を⾏います。
なぜ改善か?それは、最終的にランディングページを⾒た訪問者に商品を買ってもらうというアクションへと導くためです。

(*1)ランディングページとは
検索や広告などを経由した訪問者が最初にアクセスする⾃社のページのこと。
略してLP とも呼ばれ、ホームページ制作会社によっては「⼊り⼝ページ」「集客ページ」と呼ぶ場合も。



まとめ

Web広告のメリットは、
「ターゲットを絞って配信できる」「効果測定できる」「少ない費⽤から始められる」が挙げられます。
しかしながら、その効果を⾼めるためには、定期的な運⽤⾒直しと⽇々の市場把握が必須です。
⼀時的に、⼗分な効果が現れたとしても、変化著しいWebサイトやアプリ市場の中で成果を上げるには、「競合との差別化をいかに⾏うか」を念頭に、⾃社製品のアピールポイントや他社との違いを打ち出せる⼟壌が必要です。
また、最後に!の項⽬で挙げた「ランディングページ」の改善も必須です。
「ランディングページ」こそが、Web上の『事業者さまの顔』なのですから。



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