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辻村豊

豊富な化学技術知識で研究開発および製造をサポートするプロ

辻村豊(つじむらゆたか) / 技術コンサルタント

合同会社 播羊化学研究所

コラム

古い木造家屋が危ない!

2024年1月13日

テーマ:研究開発のヒント

コラムカテゴリ:住宅・建物



皆様方、お世話になっております。播羊化学研究所の辻村でございます。日々雑感を綴っております。

地震に関して貴重なお話をいただきました。

長年繊維会社で研究開発に従事していた方より、地震に関して大変貴重な経験談と今後の課題についてのお話をいただきましたので、ご紹介申し上げます。

ポイントとして、

(1) 先人の地道な努力が成果となり、それらを今私たちは享受している。
(2) しかしながら、依然として課題があり、それらを引き継いで解決への努力をすべきである。

ということかと思います。
特に、⑥今すべきこと⇒古い木造家屋の耐震補強です。
についての言及があります。

決して他人事ではない

私自身、分野的にもあまり詳しくないので、今すぐに何か思い付いて行動できるか?と言えば、そうではありません。
しかしながら、決して他人事ではなく、この播羊化学研究所も古民家を利用しており、大いに自らの問題です。

そこで、直ぐにできることとして、まずは皆様方に呼びかけることから、始めることに致しました。
そして、『古い木造家屋の耐震補強』という重い課題を自ら意識することに致します。

たとい、今すぐ何も出なくても、展示会に行ったとき、研究例を見た時、テレビを見ながら、風呂に入りながら、寝ようと布団に入った時、営業活動で誰かと話をしていた時などなど、何か浮かぶかもしれません。
おそらく同じような方々もおられるのでは?と思います。
もし何かございましたら、どんな些細なことでも、ご連絡いただければ幸いに存じます。
また、これは無期限のお願いですので、随分後になってからでも大歓迎です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

いただいたお話

以下に今回お寄せいただいたお話を貼り付けます。
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私は、地震に関して次のような経験を有しています。

①阪神淡路大震災
 21世紀には経済状態から構造物の新設より補修・補強の方が重要となると予想して、ゼネコンとともに阪神淡路大震災の起こる8年前より耐震補強技術の開発を始めていました。この技術が本物であることをこの大地震は証明しました。その意味で、人の不幸を利用したという気持ちがありますが、この時の経験が内陸における東日本大震災の被害を軽減したとも言えます。

②新潟県中越地震
 上越新幹線は直角に多数存在する活断層を横切っています。橋脚がわずか5cmずれるだけで、300km/時で走行する新幹線車両は高架橋から飛び出すと聞きました。そこでJR東は特に危険な箇所を補強しました。その工事が終わってから数週間後に当地に大地震(中越地震)が襲い、新幹線車両は脱線したものの、高架橋から落ちることはなかったのです。思い切って危険な場所を補強したJR東にいまも敬意を持っています。

③東日本大震災
 と言う訳で、懸命に国内の主要構造物の耐震補強を実施し、結果として内陸の被害は比較軽微であったと思っています。地震動による被害は、適切に準備しておけば軽減できるということです。津波は正直言って高台に逃げる以外どうしようもなかったですが。

④山形県庄内地震
 私がアドバイザーをさせて頂いている山形県内にあるバイオ素材開発会社は製糸工程で可燃性液体をオープンで扱うので、火災に心配していました。可燃性液体から水に置き換えることに成功しました。1週間もしないうちに当地を直下地震が襲い液体が飛び散りました。もし可燃性の液体だったらと考えるといまでもぞっとしています。私も運の強い部類に入ると思っています。

⑤能登半島大地震
 日本海側にこんな大きな直下型地震が起こるとは思っていませんでした。道路が寸断すると復旧できないことをまざまざと見せつけられました。自然災害の多い日本では、インフラ維持が極めて重要と言うことです。高速道路を無料化せよなんてあまりにも無責任すぎます。次の世代に正常なインフラを申し送ることが現世代の者の責任です。インフラの衰えた国家は没落することはアテネやローマ帝国が歴史的に証明しています。

今すべきこと

⑥今すべきこと
 古い木造家屋の耐震補強です。建物全体を耐震補強することは経済的にも技術的にも困難と考えています。一室だけ耐震補強し、その部屋におれば押しつぶされないようにすることがポイントと考えています。安くて効果的な耐震補強技術を開発してくれる企業が出てくることを期待しています。私は高齢になってしまったので、体力的に見て中心になって開発することは不可能です。辻村さん、どなたか中心になって古い木造住宅の耐震補強工法を開発してくれる人を提案願います。私はその方に応援することはできると思っています。

この記事を書いたプロ

辻村豊

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辻村豊(合同会社 播羊化学研究所)

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