パソコンに関するさまざまな悩みごとに応え、快適に使うために細やかにサポート（2/3）

まだ一般的ではなかったパソコンに注目。電気設備業から方向転換

　自社を構える北九州市で生まれた乗富さん。ギターが好きだったことから、高校卒業後は、楽器メーカーが運営するギター職人養成学校に入学します。優秀な成績を収め、そのメーカーの社長にクラフトマンとして就職を勧められたものの、ギタリストを目指し、上京しました。

　「アルバイトをしながら音楽活動を続けていたのですが、いったん休止して、東京で地中電線の敷設を行う企業に入りました。現職にも通じる電気関連の専門知識は、この会社で身に付けました」

　新たな分野に取り組んでいた乗富さんに転機が訪れます。1988年の入社から10年後、父親が病で急逝。「母を一人にしておくのは心配」と、地元に帰ることを決めました。

　「もう一度、サラリーマンをするという選択肢もありました。でも、人生は一度きり。自分で何か始めてみたいという気持ちが強くなったんです。前職の経験を生かして、照明やコンセントの設置工事を請け負う電気通信工事施工業として『H&P PLANNING』を開業しました」

　ところが、いざ始めてみると同業者も多く、何をもって差別化を図るべきか探しあぐねる毎日。社業の方向性に頭を悩ます中、目を付けたのがパソコンでした。
　「当時は『ウィンドウズ98』の発売から間もない時期で、私としては『ウィンドウズ95』が出たときからすごく興味を持っていました。コンピューターはビジネス向けの色合いが濃く、あまり一般的ではありませんでしたが、これから間違いなく生活の中に溶け込むだろうと考えました」

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