求職者と求人者がともに幸せになれるマッチングを目指して、介護業界で働きたい人をサポート（2/3）

高齢者や家族に必要な情報を届けるため、介護情報メディアの開設を決意

　石崎さんは薬剤師をしていた27歳の時、勤め先から声を掛けられ、病院や介護施設の経営やマネジメントに携わるように。実務を担うさまざまな職種の面接を担当するなど、現在の人材紹介事業に通じる経験を積みました。

　「2000年から介護保険制度が始まり、公営・民営と幅広い選択肢の中からサービスを選べるようになりました。しかし当時は、インターネットが現在ほど普及しておらず、事業所の多くはホームページも持っていない状態で。利用者さまが自分に合った場所を選ぶことは難しいと感じました」

　脳卒中や骨折などで突然介護が必要になった高齢者の家族が、退院後の施設選びに苦労する様子を目の当たりにした石崎さんは、情報を届けるインフラの重要性を痛感。2006年に独立し、愛媛県の介護情報メディア「メディカサイト」を開設しました。

　「施設を一軒一軒回って取材し、生活の場となる個室や共有スペース、お風呂といった設備概要や食事内容のほか、働く方の思いをまとめ、掲載情報を地道に増やしていきました。現在は、各施設の空室状況も掲載し、パンフレットを手軽に請求できる専用フォームも備えています」

　また、病院勤務時代にデータベースを活用して、さまざまな部署の業務を効率化したことも、事業を立ち上げるきっかけと原動力になったと言います。
　「病棟の空き状況や検査予約状況、検査結果などを各部署のパソコンで確認できる仕組みを整えると、現場スタッフの負担が減り喜ばれました。情報は必要な人に、必要な形でお届けできれば役立ちます。いつでも、どこにいてもアクセスできるインターネットの特性を生かせば、暮らしの利便性も高められるのではと考えました」

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