仲介業者を通さず直接依頼を受けることで顧客の要望に応える塗装業者（2/3）

技術に併せ礼儀や心遣いを備えた職人を育成

「んだね、県外さ行ってもこの調子で、親しみやすくていいねって言わっじゃ。性格なんだべねぇ」とバリバリの地元・寒河江弁で話す水戸部さん。味わいのある温かいお国なまりが印象的です。そんな水戸部さんも職人教育に関しては厳しい一面をのぞかせます。

　水戸部さんが一般住宅の塗り替えリフォームの営業活動に力を入れるようになってから、その業績は右肩上がり。しかしながら、冬場は手がつけられないという雪国の弱点に職人不足も手伝って、注文を受けてから作業に入るまで長い期間待ってもらっているのが現状。塗装職人の育成が急務です。ある程度仕事を任せられるようになるまでには、筋のいい人でも3〜4年はかかるといいます。しかも、今どきの職人は腕がいいだけでは駄目で、話しやすさや気配りも依頼主からすれば重要なチェックポイント。少しでも不満があればリピーターにはなってくれません。

　水戸部さんの考える塗装職人育成とは、技術プラス社会人としての礼儀や心遣いといった人間性の両面を育て上げること。「今までの職人のイメージを変え、誇りを持って働ける職業にしていかないといい人材は確保できないでしょう」と穏やかな表情が、少しだけ険しくなった瞬間でした。

＜次ページへ続く＞

【次ページ】父親の塗装業を引き継ぎ、塗装職人としての誇りを胸に仕事に臨む

次のページへ