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コラム

民法(債権法)改正について(その1)

2020年6月6日

テーマ:債権法改正について

コラムカテゴリ:法律関連

 前回概説した債権法の改正内容について、適宜個別事項についてお話ししていきたいと思います。第1回は消滅時効についてです。
 消滅時効については今回の改正で以下のように一律に整理され、職業別の短期消滅時効の規定が廃止されたのが大きな変化です。

・債権の原則的消滅時効期間:債権者が権利を行使できることを知ってから5年または権利を行使することができる時から1 0 年のいずれか早い方の経過によって時効完成
・人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効期間:債権者 が権利を行使できることを知ってから5年または権利を行使することができる時から20年のいずれか早い方の経過によって時効完成
・不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間:被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年または不法行為の時から(=権利を行使すること ができる時から)20年のいずれか早い方の経過によって時効完成
・人の生命・身体の侵害による不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間:被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から・5年または不法行為の時から(=権利を行使することができる時から)20年 のいずれか早い方の経過によって時効完成

また時効中断等の概念が以下のように整理されました。

・現行民法の「時効の中断」の効果は,「完成の猶予」と「新たな時効の進行=時効期間のリセット」であるため,「時効の完成猶予」と「時効の更新」と概念を用いて整理
・現行民法の「時効の停止」についても,「時効の完成猶予事由」と整理
・各中断事由について,完成猶予事由と更新事由に振り分けて整理
承認:更新事由
裁判上の請求等:完成猶予事由+更新事由
催告など:完成猶予事由
停止事由:完成猶予事由
 ‣「時効の更新」 経過した消滅時効期間はなくなり あらためて初めから消滅時効が進行する。  
 ・確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定した場合
 ・強制執行,担保権の実行などが終了した場合(ただし,取下げなどによる終了を除く)
 ・債務者が債権の存在を認めたとき
・時効の完成猶予事由
〇時効期間の完成前に, 猶予事由が発生すれば消滅時効が完成しない
〇完成猶予事由が終了すれば , その終了時から6箇月間,時効は完成しない。
 ・裁判上の請求
 ・強制執行,仮差押え
 ・承認
 ・催告(ただし6箇月間のみ)
 ・天災などがあった場合
 ・協議によるとの合意があった場合(権利についての協議。)

また時効の完成猶予(時効の停止)に関して以下の改正があります。
・天災等による時効の完成猶予期間が「3 か月」に延長された。
・時効期間満了間近に相手方と交渉している場合、当事者間で, 権利についての協議を行う旨の合意が書面又は電磁的記録によってされた場合には,時効の完成が猶予されます(新たな時効完成猶予事由)

 消滅時効についての主な改正は以上です。それではまた次回。

この記事を書いたプロ

古瀬一幸

依頼者の思いを生かす行政手続きと書類作成のプロ

古瀬一幸(古瀬行政書士事務所)

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