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コラム

民法(相続法)改正について(その1) 遺産分割前の財産処分

2019年9月20日

テーマ:相続法改正について

では今回から具体的な個々の改正点についてできるだけ実例に即して説明、コメントしていきたいと思います。

まずは遺産分割前の財産処分について。これは新法906条の2で規定されたもので、遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合、共同相続人全員の同意を要件として処分された財産も遺産分割時に存在するものとみなせるというものです。
具体的にはどういうことかというと次のような例が挙げられます。

相続人:A、B(法定相続分各1/2)
遺産:1400万円
特別受益:Aに生前贈与1000万円

ここで相続開始後Aが密かに遺産の内預金200万円を引き出していたとした場合
旧法だと、遺産分割時に存在する財産は
1400万円―200仮に万円=1200万円で

仮に引き出しがなかった場合の相続分は
A:(1400万円+1000万円)×1/2-1000万円=200万円
B:(1400万円+1000万円)×1/2=1200万円
となるので

引き出しのあった場合の相続分は
A:1200万円×200万円/1400万円=171万円
B:1200万円×1200万円/1400万円=1029万円
となり

最数的な取得額は
A:171万円+1000万円+200万円=1371万円
B:1029万円
となって公正を欠くこととなりますがこれを是正するにはAの不法行為に対するBの損害賠償請求か不当利得返還請求を起こす必要があります。

これに対し新法に基づくと両者の相続分は
A.1400万円×200万円/1400万円=200万円
B:1400万円×1200万円/1400万円=1200万円
となり

最数的な取得額は
A:1000万円+200万円=1200万円
B:1200万円
となり公平に相続されます。

つまりこの改正は、相続前の処分があった場合の相続の公正を担保するものということができると思います。なおここで処分とは法律上の処分に留まらず物理的な毀損、減失行為も含むと解されています。

今回はこのぐらいで。

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