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中山聡

プロもうなずく不動産のプロ

中山聡(なかやまさとし) / 不動産鑑定士

わくわく法人 rea 東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社

コラム

■不祥事で処分されます■

2022年7月2日

テーマ:ご相談

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: DIYIFANISA


株価が不祥事発覚で暴落しました。証券監視委員会が金融庁に処分するよう勧告したためです。
エスコンジャパンが投資家のために業務を行っていないとのことですが、どのようなことをしたのか、どのような背景があるのか、本当の問題は何だったのか?株価はどのような影響があるのか、この下落は買っていいのか、深掘りして解説しました。

0:00 はじめに
0:36 株価急落の理由
0:58 1つ目の理由を読み上げる
2:11 何が悪かったのか解説
3:23 2つ目の理由を読み上げる
4:45 再度何が悪かったのか解説
6:44 発覚した理由
10:28 今後見込まれる処分内容と株価
13:21 本当の問題は違うところにある
17:03 まとめ

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皆さんこんにちは

視聴者様からご要望があったんですけれども

今週に入って

エスコンジャパンリートですね

株価は今このように

急落をしています

今週に入って15%くらいですかね

下落をしまして

今半分ほど戻ってくるようになっています

簡単に

何が起きてるんだろうか

何が良くて

何が良くなかったのか

それから

なぜバレてしまったのかと

本当は一体何が問題だったのか

ということについて

お話をします

それから

株価は今後どうなるか

ということについて

お届けをします

急落した理由はっていうことになると

こちらのように不祥事が発覚したんですよね

証券取引等監視委員会というところから

処分をするように勧告が出た

今は

金融庁の処分を待っている

そんな段階になります

いったいぜんたい何をしたのか

という話になると

二つあるんですよね

まず一つ目がですね

不動産鑑定業者の独立性を損なう

不適切な働きかけ

というふうに書いてあります

当社は親会社等の

親会社は日本エスコンですね

利害関係者が保有する不動産を

本投資法人に取得させる際には

第三者である不動産鑑定業者に対して

取得させようとする不動産の

鑑定評価を依頼し

その際に算定された

鑑定評価額を上限として

当該不動産の取得価格を決定している

しかしながら当社は

不動産鑑定業者から提示された

鑑定評価額にかかる

中間報告又は概算額が

親会社の売却希望価格に満たなかった

三物件の不動産について

親会社の売却希望価格を優先して

親会社の売却希望価格を伝達するなどした上で

鑑定評価額が

当該売却希望価格を上回るものとなるよう

算定を依頼した不動産鑑定業者に対し

鑑定評価額を引き上げるための

働きかけを行っていたと

こうした行為は

不動産鑑定業者の独立性を損なう

不適切な働きかけであると認められると

このように書いてあります

これが一つ目なんですよね

順を追って説明すると

このリートは

親会社から不動産を買った

このリート自体は

2020年の一月に3物件

それから2021年7月にも7物件

ここで言うスポンサー企業(日本エスコン)から

購入をしています

二番目として

その際に

購入価格を決める際には

価格の妥当性を

投資家に説明する必要があるので

不動産鑑定評価というのを取って

依頼をして

その価格よりも

少し安い値段で買う

こちらの動画でも説明している通り

なんですけれども

そして三番目には

依頼する前か後か

よくわからないですけれども

鑑定業者は

不動産鑑定評価額の概算を

提示をしたことになります

その次になんですけども

問題の一つ目として

その鑑定評価額を

高くしてほしいと

鑑定業者に働きかけを行った

そして鑑定業者は

その親会社の希望を上回る

概算額を改めて提出をしたということで

めでたしめでたしということに

なるわけなんですけども

これはですね

投資家のためではなくて

親会社の利益のために業務を行った

 二つ目になるんですけれども

こちらの方はですね

もう少し手が混んでいるんですね

二つ目には

不適切な不動産鑑定業者選定プロセス

と書いてありまして

当社は親会社からの取得となる

複数物件の不動産鑑定評価を依頼する際

親会社の売却希望価格を上回る

鑑定評価額を得ることを企図して

複数の鑑定業者から

不動産鑑定評価にかかる

概算額を聴取し

そのうち最も高い概算額を

提示した不動産鑑定業者

の鑑定評価額が

概算額を聴取した

他の不動産鑑定業者と比較して

最も廉価になるよう

要するに

報酬額が一番安くなるように

当該不動産鑑定業者と交渉をしていたと

さらに当社は

当該不動産鑑定業者による概算額が

最も高かったことを伏せた上で

当該不動産鑑定業者の鑑定報酬額が

最も廉価であることを理由に

要するに一番報酬額が安い

ということを理由に

当該不動産鑑定業者を

鑑定評価の依頼先として

選定をしていた

これは親会社の売却希望価格で

本投資法人に取得させることを

最優先とした

不適切な不動産鑑定業者選定プロセスである

と認められる

このように書いてあるということです

非常にわかりにくいですけれども

これは図がありまして

このような図が同時に公表されています

つまりですね

ある物件を親会社から購入する際に

親会社とすると

やっぱり高くリートに買い取って欲しい

まあそういうことがあったんでしょうね

何せリートというのは

親会社がないと存続できない

例えば人材の面でもそうだし

物件の取得の面でも

スポンサー企業がないと

親会社にですね

やっぱり〇〇しないといけないのかなっていう

そういう気持ちが働いた

ということなんだろうと思います

そこで親会社と

投資家に挟まれていると

言ってもいい

中間管理職的な

リートの立場としてはですね

複数の鑑定業者に

同じ物件の評価額の概算と報酬額を

それぞれ聞き取ることを思いついた

いわゆる合い見積取った

という話ですね

その中で一番高い評価額を出してきた会社

ここではA社

という風になっているんですけども

そこに依頼をしたいと考えた

ところが

鑑定評価額が一番高いから

依頼をしましたというのは

これはですね

リートの立場としては書けないんですよね

リートというのは

とにかく投資主のために存在している

ということになりますので

投資主としては

一番安い値段で買ってほしいんだけど

ということになると思いますので

評価額の概算が一番高くても

報酬が安くなかったと

そういう見積もりを出してきた

Aという会社に対して

報酬額の交渉を行って

報酬額を引き下げた

これがですね

良くない

ということにされたわけですね

つまり

業務の発注を〇〇にして

お宅に業務を出しますから

というようなことで

報酬額を減額すると

こういう行為がですね

鑑定評価の独立性を害する

今回処分の対象になったということで

分かりやすく言えば

そういうことだと思います

次に何でばれたか

という話になるんですよね

これ別に

お互い

その鑑定業者とリートの間の話だけだった

と思うんですけれども

じゃあそれがなんでばれたか

不思議だなと

皆さん思いませんか?

他のリートではそんな話というのは

今まで一回も出てきたことがない

なぜ今回の日本の日本エスコン

エスコンジャパンだけが

こんな話になったのか

いうことなんですけども

特に商売やってる方っていうのは

すごく疑問じゃないかな

と思うんですよね

実際はどのようなルートで

表にこう出てきたかっていうのは

それは書いてないんですけれども

いくつか考えられる話はあろうかと思います

例えば証券取引監視委員会に

誰かが情報を提供した

というのもあり得るかと思います

あるいは

金融庁に直接

誰かが情報提供した

というのもありえるルートかと思います

でも商売の感覚からすれば

顧客の依頼に応じて

サービスをするというのは

むしろ当たり前のことなんですよね

鑑定評価のサービスは鑑定評価額を決める

っていうのがサービスになりますので

価格をちょっと上げてください

と言われて

わかりました

というのは

サービスとしては当たり前

そんなことで悪いことだというふうに

逆に通報してしまうと

お客さんを困らせてしまうことになる

ひいては今後取引関係はなくなる

ということにも

なり得る訳なんですよね

そんな

仕事をあえて失うようなことを

通報するのかな

っていうふうに

多分思われるんじゃないかなと思います

普通の商売ではそうだと思います

しかしですね

こちらをご覧いただければと思うんですが

この業界にはですね

依頼者プレッシャー通報制度という

そういう鑑定協会という業界団体に

そういった制度があります 

ここにはですね

依頼後に鑑定評価額の依頼を取り消しますよ

あるいは報酬を減らしますよとか

今後の取引停止を

ほのめかすような言動があって

依頼者が意図するような鑑定評価額

最終結果に近づかせるための行為

例えば

価格を高くしてほしいなと思ったら

いやもうちょっと高くしてくれなかったら

ちょっと報酬額を引き下げますよとか

依頼取り止めますよとか

そういう行為ですね

これを依頼者プレッシャーという風に呼んでいる

この鑑定協会という

一業界団体ですよ

業界団体に通報を

し・な・け・れ・ば・い・け・な・い

というふうになっている

通報しないといけない

というふうに書いてあるので

しょうがないですよね

これは実際に

プレッシャーを受けた本人が通報する

というのもあり得るかもしれないし

そういう場面を見たとか

そういうことが想像される状況がある

ということだけでも

通報しなければいけない

じゃこれ通報したらどうなるか

っていう話になるんですけども

これ業界団体の内部で

一通り調査をするんですけれども

そして監督官庁に通知をする

このルートで

証券監視委員会に伝わった

という可能性もあるのかな

というふうに思います

こうやって世の中

鑑定評価の独立性

あるいは客観性というのを確保しようと

努力している

今回これが使われたかどうかも

分かりませんけども

一応そういうルールがある

今回の鑑定額を

親会社の意図通りに

上げる様な働き掛け

あるいは

鑑定評価額が高いところに

報酬を安くするように働きかけて依頼をする

これがいけないので処分の対象になった

ということは

ここまでで分かっていただけたかな

というふうに思います

今後エスコンジャパンのリートというのは

金融庁から処分を待つことになります

どんな処分になるかということについて

ご興味はあろうかというふうに思います

実はリートが金融庁から

処分を受けたというのは

過去遡るとおよそ九件あります

倒産をした

ニューシティレジデンスが倒産する際には

あるいは民事再生法を適用する際には

投資家をちゃんと保護しなさい

という処分があったんですけども

これを除いてっていう話になると

いずれも非常に軽微なものになります

議事録をちゃんと書いてませんでしたとか

取締役会を開きませんでした

というその程度のものがほとんどで

今回のようにですね

第三者を巻き込んで

利益相反を行う

という話はなかったんですよね

ということなんですね

そのため(過去の)処分も

業務改善命令で終わってる

果たして今回

第三者を巻き込んだ

話になっているので

業務改善命令というもので終わるのか

どうなのか?

そこに注目が集まろうか

という風に思います

それより重い処分で

例えば

役員解任命令というものが

あるかもしれないですし

ただその当時の役員は

もう既に退任したんじゃないかな

と思うんですけども

それから業務停止命令ですよね

それから許認可の取消し

業務廃止命令

そういったものが

これまでの色んな

その金融業界の不祥事でありますので

そこまでの話にじゃなるのかな

という風に考えると

これまで通りやはり業務改善命令なのかな

という風に

私は勝手に想像はします

実際エスコンジャパンについても

こういった話が出てくる前に

もう既に体制を入れ替えて

より内部管理体制を強化していく

ということも発表していますので

んー・・・

その程度かなという風には思います

その上でチャートを見ても

一時期ですね15%程度

大きく下がった訳なんですけども

今そこから少しずつ戻ってきている

いうことで

投資家の方も評価はですね

そういったところなのかな

という風には思います

物件自体が何かおかしかった

というわけではない

相場の格言では

半値戻しは全値戻し

という風に言われていますので

格言が正しいとすれば

元通りに戻っていく可能性はあるかな

という風に思います

ただじゃあ今の段階で

このリートに投資するかっていうと

今ちょっと

株式市場がですね

相当荒れている状況になりますので

まあ地合いが悪いので

まあちょっとどうかなっていう風にも思ったりする

地合いが悪くなるっていう話になると

まあ1割の下落で収まらない可能性もない

とは言いませんので

二の足をためらう

かなという風には思います

処分勧告のこの図の部分なんですけど

問題としてはもう一つあるんですよね

これは処分の対象ではないですし

別に悪いという

風にされてはないんですけども

おそらくですね

本当の問題ってここにあるんじゃないかな

という風に思います

例えばリートが物件を売ったり

買ったりする時に

複数の鑑定業者に

概算額と報酬額を聞く

これこそ問題の本質だと思うんですけども

いわゆる合い見積もりを取る 

見積もりの中には

概算の評価額と

報酬額の二種類を取る

通常見積っていうと

この商品はいくらですかみたいな感じで

見積もりになるんですけども

Jリートの場合ということですかね

概算の報酬額以外に

評価額の概算と言うのも

見積もりの中に入ってくる

ということみたいなんですね

鑑定業者の立場からこう見るとですね

仕事が欲しければ

高い鑑定評価額の概算

高い評価概算額を出さないと

この鑑定評価の仕事は勝ち取れない

ということになる

証券化の鑑定評価っていうのは

一件行うだけで

恐らく百万円単位の報酬がやってくる

人一人が担当するとして

その一人の一か月分の給料はゆうに

こう入っている

ということなんですね

これ一件取れるか取れないか

というのが

結構その月の売上

その会社の経営に影響をする

だから見積もりを取る段階で

やっぱりその鑑定業者っていうのは

多分必死になるんだろうな

という風に思うんですよね

予め出した概算額と

今度鑑定評価書というのを書いて

正式なこうハンコしたものを出すんですけども

(見積もりと)金額がもし違っていると

いう話になるとですね

それはそれで

その会社の見積もりが

ちょっと信用できませんね

という話になる

ということなので

もう見積もりの段階で

もうすでに鑑定評価額が

実質なんですけども

決まってくる

確かに見積の時に

鑑定評価額の概算額を出す

というのは関西の方で

私は聞いたことはあるんですけども

ここにですね

Jリートと

鑑定業界の裏事情というのが

垣間見えている

ということになろうかという風に思います

Jリートが合い見積もりを取ると

いうのも

事前に鑑定額の概算額を聞くということも

違法ではない

という風に思うんですよね

なぜならば

鑑定評価に影響を与えない

評価概算額を提出する

というのが建前上になってるので

まあ概算の段階では

別に鑑定評価とは関係ありませんよ

という風になってますけど

概算額出しちゃったら

概算額通りに書かないといけなくなる

というプレッシャーが

内部で働くんじゃないかなという風に思います

対して発注者のJリートの方では

見積りを複数取って

高い方がいい場合と

安い方がいい場合の両方あろうか

という風に思うんですけども

都合のいい鑑定評価を出したところに

鑑定評価をお願いする

そういうことが選べる

そして鑑定会社も仕事が欲しければ

ちょっと高い概算額を出す

あるいはちょっと低い概算額を出す

いうことで

仕事を取ってこないといけない

いうことに

つながりかねないということなんですね

鑑定評価の実質的な内容というのは

もう評価をする前に

見積もりの段階で決まってしまう

この商習慣っていうんですかね

そういうのが

本当の問題であろうかということが

この今回の証券取引等監視委員会の

このレポートで分かった

ということになります

今回は不祥事で

株価が15%程度下落した

暴落したと

その仕組みと

本当の問題という感じで

お送りをしました

このチャンネルでは

リートの事とか

不動産市場のことをお伝えをしています

そしてメンバーシップ動画というのを

やってまして

そこでは各Jリートの動き

これ毎週まとめてお伝えをしています

それからJリートの株価を予測するのに

必要な米国株市場の予測を

グラフィカルにお伝えをしています

今世界的にも

不景気なんじゃないか

という風に言われていますので

景気の突然死というものがあるのか

どうなのかと

その瀬戸際になって

非常に重要なところだと思います

サブチャンネルでは

日本一早い米国株市場解説を

ニューヨーク市場が閉まる

三十分前

朝四時半から生放送でお伝えをしています

結構マニアックにやってると思います

第三チャンネルというのがありまして

そこでは視聴者様の質問にお答えをする

生放送というのをお届けをしています

それからですね

ぜひコメントを頂ければと思います

私はいつも楽しみにしております

それではご視聴いただきまして

どうもありがとうございました

▼著作▼
不動産のことが本当に2時間でわかる発売15版の定番本
 『不動産のしくみがわかる本(同文館出版DO BOOKS)』
 『空き家管理ビジネスのしくみ(同)』
 『闘う!空き家術(プラチナ出版)』

この記事を書いたプロ

中山聡

プロもうなずく不動産のプロ

中山聡(わくわく法人 rea 東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社)

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