マイベストプロ富山
杉原賢磁

快適・安心な家づくりのプロ

杉原賢磁(すぎはらけんじ) / 一級建築士

株式会社 すぎはら建築工房

コラム

必ずあったかい家になる3つのポイント---その2

2017年10月20日 公開 / 2019年12月17日更新

テーマ:温熱

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 畳 掃除畳 張り替え

前回、必ずあったかい家になる一つ目のポイント
         断熱性能 Ua値(ユーエーち)を確認しよう
をお伝えしました。

家がどれだけ分厚いコートを着ているか、みたいなこととお伝えしました。
そして、それだけでは、片手落ち・・・ということもお伝えしました。
きょうは、もう一つの片手についてです。

いくら分厚いコートでも、
穴が開いていたり、縫い目がほつれて隙間があいていたりしたら?
やっぱり寒いですよね・・・家の厚着も同じです。

いくら断熱していても、
そもそも家の隙間から空気が漏れていては、
その効果が得られません。


「本来あってはならない隙間」
がどれだけ少ないか、がとても重要。
窓や玄関ドア、換気孔など、意図的に開けてあるものでなく、
設計上、存在しないはずの「隙間」です。
見えるところにはありません。

これを測る「ものさし」は、C値(シーち)と言います。
高気密という言葉を聞いたり見たりされた方も多いと思いますが、このことです。

高気密

気密性能が高い

「隙間」が少ない(C値が小さい)

勝手に空気が入れ替わらない

冬あったかい

ただし、驚くことに、高気密も高断熱も、
どこからそう言えるのか、きちんとした定義がありません。
意外ですよね。でも、定義がないので、
「この住宅は、高気密高断熱だから、あたたかいんですよ~」
なんて、言葉だけの、根拠のない説明がいくらでも出回ってしまう・・・

だからこそ、数値で確認することが大事なのです。ですから、
「おたくが建ててる住宅は、Ua値、いくつですか?」
のあとに、
「C値は、いくつですか?」
こう質問してください。

きちんと数字で回答がないようなら、それはちょっと考え直したほうがいいかもしれません。
あるいは、実際に住まわれているお家で住み心地と光熱費を聞いて、
それと同じ仕様になるのか、確認することが最低限必要でしょう。

ともかく、ほんとうにあったかい家にしたいのであれば、
ちゃんと根拠のある家を建ててください。
これが基本です。

この見えないところにある「隙間」は、あったかさを損なうだけではありません。
「隙間」を通って、家の外と中で空気が勝手に入れ替わり、
光熱費はロスし、
見えないところで結露し、
ひいては構造の腐れの危険にまでつながりうる・・・

さらに、換気システムも、
この「本来あってはならない隙間」が大きくては、
きちんと働きません。

ですから、「隙間」は小さければ小さいほど、良いのです。

このことをしっかり頭においていただき、
実際どのくらい「隙間」があるものなのか、見ていくために、ちょっと話が飛びますよ。

エアコンを買うとき、売り場やカタログを見たことがある方はきっとご存知と思いますが、
6畳用とか、14畳用など、何畳の広さを想定した製品か、畳数で示されていますよね。
これは、エアコンができて以来60年近く、ずっと変わっていない参考値で、
C値20くらいの家を想定した値なのだそうです。(松尾設計室 松尾和也氏談)

つまり、C値は
60年くらい前の住宅は20
これに対し、現在、
量産ハウスメーカーの家は5くらいになれば御の字、
高気密を謳うなら1を切ることを目標にする
というのが一般的です。

40坪の住宅でその「隙間」を、
ハガキの面積で表すと・・・

C値20=18.9枚分・・・小さい窓一つ分はありますねw(゚o゚*)w
C値5=4.7枚分・・・これくらいの窓もありそう(○´―`)ゞ
C値1=0.9枚分

当社の住宅はC値0.2を切るので、
ハガキ0.19枚・・・
って、わかりにくいですね ヘ(´ω`)ゞ
消しゴムで言うと、1~2個です。

お家一軒で、消しゴム1~2個の面積しか隙間がないって・・・これはもう、精密機器並み!?
                                
                                 
さらに付け加えると、C値は、それぞれの現場で実際に測定しないと、わからない値です。
専門の資格を持った気密測定士が、
現場に大きな機材を持ち込んで測定して初めてわかる、値なのです。
気密測定中!

気密測定結果

気密測定をしないまま家を完成させてしまう会社もまだまだありますし、
(というか、一棟一棟測定している会社のほうがまだまだ少数派)、
モデルハウスだけ実測して、「あなたのお家もそのくらいですよ・・・」と逃げる会社も少なくありません。

しかし、大工をはじめ、家づくりに関わる多くの職人が、この「隙間」に関わっているので、
モデルハウスを建てたのと同じチームで仕事しているのでないかぎり、
同じ値は、望むことすらできないのが現状です。

【今日のおさらい】

必ず気密測定をしてもらい、C値が「1」を切っていることを確認しよう!

この記事を書いたプロ

杉原賢磁

快適・安心な家づくりのプロ

杉原賢磁(株式会社 すぎはら建築工房)

Share

関連するコラム

コラムのテーマ一覧

杉原賢磁プロのコンテンツ